第2話 正社員を捨て、Web制作の世界へ | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
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転職はゴールではない 3年目の壁、5年目の転機

“仕事の壁”は誰にでもやってきます。そんなとき、ほかのみんなは、どうしているのでしょうか? このコーナーでは、今まさに壁を乗り越えようとしている人、乗り越えて一歩先に進んだ人など、クリエイティブ業界でがんばる仲間たちが登場。これまでの失敗談・成功談や現在の課題、そして将来像を語ります。今の仕事に前向きに取り組み、階段を一段登るためのヒントが得られるはずです!


第4回 株式会社デジタルブティック 相馬哲也さんの場合


株式会社デジタルブティックのデザイン&クリエイティヴチームのマネージャー、相馬哲也さんが、コンピュータの魅力にみせられて情報処理の勉強を始めたのは10代の頃。当時はインターネットが登場する遥か以前。その後のコンピュータの進化とインターネットの登場とともに、パソコンがオフィスにどんどん導入されていく一連の経緯を、実際に経験して来た世代である。そんな彼はプログラマーとしてキャリアをスタート。そして、30歳を過ぎてからWeb制作・デザインの道を模索することに。それはちょうどWeb制作の黎明期でもあった。複数の会社でWeb制作に従事しながら、少しずつ自分の居場所を見つけていった相馬さんに、今までの軌跡や現在の仕事についてお伺いしました。


第2話 正社員を捨て、Web制作の世界へ

──大企業で社内の基幹システムなどを担当していた相馬さんですが、転機はどの辺りで訪れたのでしょうか。
相馬●パソコンが普及し、そうこうしているうちに、インターネットというのが出てきたわけですね。世界中のネットワークがつながる、これはすごいぞと(笑)。それで、当時はまだWeb制作会社もほとんど存在していなくて、いろんな会社が自前で手作りのホームページを作っていたんですが、僕も社内のネットワークなどを担当していたので、当然「お前もやれ」と言われて、手探りで会社のホームページを作りました。そうしているうちに、だんだんWebの業界も急激に伸びて来て、自分も全面的にWeb制作をやってみたいと思うようになってきたんです。

──ということは、会社のホームページを作ったのがきっかけで、Web制作の道に進みたいと思うようになったわけですね。
相馬●そういうことになりますね。それで、本格的にやるなら早くしないといけないなと……歳も歳だし……。

──その時点でおいくつだったんですか。
相馬●34歳です。それで「Webの仕事をしたい」ということで、会社を退職しました。「うちの会社にいながら(Webの仕事を)やればいいじゃないか」とかいろいろ慰留されたんですけど、自分としては「なるべくいろんなジャンルのWebの仕事がしたい」ということで、気持ちは揺るがなかったですね。

──変な話ですが、大企業にお勤めで安定していらしたのに、それを投げ打ってでもやりたいほどの魅力をWebに感じていらしたんですね。
相馬●そうですね。人生1回しかないですから、遅れてのスタートではあるけれども、ぐずぐずしているよりはやった方がいいと。退職金も多めにもらえたので、ちょっと休んでから次をどうするか考えようと思ってました。

──ということは、次は決めずにとりあえず会社を退職されたわけですね。
相馬●はい。会社をやめたはいいけど、さてどうしようかと(笑)。それで、ひとまず派遣会社に登録をしました。そこでまず紹介されたのが、大手音響映像メーカーの製品情報サイトの仕事でした。そのメーカーはインターネット草創期から、他社に先駆けてかなりスマートなデザインの製品情報サイトをやってまして、自分もユーザ—のひとりとして、憧れを持って見ていました。ですので、そこの仕事ができるなら……と。

──なるほど。好調なスタートですね。
相馬●運良くその製品情報サイトのデザインチームに配属されまして。実は、うっすらとなんですけど、どちらかというとプログラムよりもデザインの方が自分はやりたいんじゃないかと、思い始めていた時期だったんですよ。何の実績も経験もない状態だったんですけど……少しでもそういうところに関わりたいと思っていたので、憧れのサイトのデザインチームに配属されたのはかなりラッキーでしたね。

──実際に働いてみて、いかがでしたか。
相馬●この会社で一番勉強したと思いますね。大きな会社ですから、Webのシステムもちゃんとしていて、本番アップロードの仕方や、チェックの手順など、入念なマニュアルがあって……さすがだなと思いました。そういった環境を経験できたことは、今でも自信につながっています。それと、デザイナーが近くの席にいて、横で見ていると、フォントの使い方など、目からうろこのことがたくさんあって……自分もデザインをやってみたいと、強く思うようになりました。振り返ってみると、ここでの経験が自分の転機だったなと思います。

(取材・文:草野恵子  撮影:栗栖誠紀)

株式会社デジタルブティック
http://www.digitalboutique.jp/index.html
コミュニティに関する総合的なソリューションを丸ごと提供する、株式会社デジタルブティック。1996年の会社設立時から一貫して「コミュニティ」をキーワードに、さまざまなサイト制作、企画・運営、マネジメント、コンサルティングを行っている。同社が最初に手掛けたコミュニティサイトは、日本中のサーファー達がネットを使ってコミュニケーションする「SurfLink」(1995年)。今で言うCGMであり、サウンドやグラフィックを多用した使いやすいインターフェースは、当時としてはかなり画期的なものであった。1998年には、妊娠・子育てをサポートするコミュニティ「ベビカム」をオープンし、サイトは今年10周年を迎えた。その後も自社運営だけでなく、企業とのビジネスアライアンスを含め、PC、携帯を問わず、さまざまなコミュニティサイトを立ち上げている。


ベビカム(デジタルブティック)

http://www.babycome.ne.jp/

ゴガクル(NHKエデュケーショナル)

http://gogakuru.com/

YOUR BEST DOCTOR(メディファクト)

http://yourbestdoctor.jp/

次週は「第3話 派遣でさまざまなWeb制作を経験」についてお届けします。
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