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 Technique07 描画の基本 

05 塗りつぶしコマンドと塗りつぶしレイヤー



画像上を描画する方法は、ブラシツールなどを使う方法のほかに、塗りつぶす方法もある。塗りつぶしを行うには、「塗りつぶしコマンド」、「塗りつぶしツール」や、「塗りつぶしレイヤー」を目的に応じて使い分けるとよい。ここではそれぞれの方法の特徴を見てみよう。

塗りつぶしコマンド

塗りつぶしコマンドは、画像全体や、選択範囲内を塗りつぶす方法だ。まず描画色や背景色を設定して編集メニュー→“塗りつぶし”を選択し、[塗りつぶし]ダイアログボックスで設定を行う。[内容]の[使用]で塗りつぶす色を選択し、[合成]の[描画モード]で塗りつぶす描画モードを選択したら、[不透明度]で色の不透明度を設定し、[OK]ボタンをクリックする。

また、画像上に選択範囲を作成して塗りつぶしコマンドを実行すると、選択範囲の内側のみが塗りつぶされる。
◀編集メニュー→“塗りつぶし”を選択し、各種項目を設定する。
◀元画像
◀[不透明度]を「100%」に設定して塗りつぶしを行った状態。


◀[不透明度]を「50%」に設定して塗りつぶしを行った状態。
◀画像上に選択範囲を作成して、塗りつぶしコマンドを実行してみよう。



◀[不透明度]を「50%」に設定すると、選択範囲内が設定した色で半透明に塗りつぶされる。


塗りつぶしツール

塗りつぶしツールは、クリックした部分に隣接する近似色を描画色で塗りつぶす方法で、鉛筆ツールなどで描いた線画のイラストを着色するときに便利だ。操作方法はまず描画色を設定し、塗りつぶしツールを選択したら、塗りつぶしたい部分にマウスを移動させてクリックするだけだ。このとき塗りつぶしたい領域が完全に閉じられていないと不要な部分まで塗りつぶされてしまうので、塗りつぶす領域は確実に閉じた状態にする。
◀描画色を設定し、塗りつぶしツールを選択する。
◀塗りつぶしたい部分をクリックすると塗りつぶされる。
◀塗りつぶす領域をきちんと作成してあると、簡単に着色することができる。
◀この図の花びらの先端のように、塗りつぶしたい領域が閉じられていないと、意図していない部分まで塗りつぶされてしまう。




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 塗りつぶしツールのオプション設定


塗りつぶしツールを選択すると、オプションバーでツールのオプション設定をすることができる。[モード]は鉛筆ツールやブラシツールと同様に、色をどのように重ねるのかを設定する。[不透明度]は塗りつぶす色の不透明度を0から100%で設定する。[許容値]は塗りつぶす部分の近似色の範囲を0~255の数値で設定し、数値が小さいほど近似色の範囲は狭くなる。[隣接]は通常チェックしておく。このチェックを外すと、クリックした部分と近似色であれば離れた場所でも塗りつぶすことができるようになるが、不要な部分まで着色されてしまう。
▲塗りつぶしツールを選択したときのオプションバーの設定項目。
◀[隣接]にチェックしてクリックすると、閉じられた領域のみが塗りつぶされる。


◀[隣接]のチェックをはずしてクリックすると、すべての近似色が塗りつぶされる。



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 写真に塗りつぶしツールを適用する

塗りつぶしツールは、クリックした部分に隣接する近似色を描画色で塗りつぶすものだ。そのため写真のように複雑にさまざまな色が混在する画像には不向きだ。
◀写真などはさまざまな色があるため、塗りつぶしツールでは思い通りに塗りつぶすことが難しい。

塗りつぶしレイヤー

塗りつぶすための専用のレイヤーを作成するのが、塗りつぶしレイヤーだ。この方法を使うと、色やグラデーションでレイヤー全体を塗りつぶし、後から変更したり不透明度を設定したりできる。

まず、レイヤー構造になった画像を用意する。ここでは風景写真に鳥を合成した画像を用意した。鳥の背景を塗りつぶしレイヤーで着色してみよう。レイヤーパレットで[背景]レイヤーをクリックし、レイヤーメニュー→“新規塗りつぶしレイヤー”→“べた塗り”を選択し、表示されるダイアログボックスで[OK]ボタンをクリックする。[カラーピッカー]が表示されるので、塗りつぶしたい色を設定し[OK]ボタンをクリックする(詳しくは「テクニック7:描画の基本-(3)カラーパレット」カラーピッカーの項を参照)。すると、鳥の画像の背景が塗りつぶされる。[レイヤー]パレットを確認すると、塗りつぶしレイヤーの[べた塗り1]レイヤーが作成されているのが確認できる。

色を変更するには、塗りつぶしレイヤーのレイヤーサムネールをダブルクリックする。[カラーピッカー]が表示され、いつでも色を変更することが可能だ。
1.まず合成した画像を用意する。
2.[レイヤー]パレットで[背景]レイヤーをクリックする。
3.“レイヤー”メニュー→“新規塗りつぶしレイヤー”→“べた塗り”を選択し、表示されるダイアログボックスで[OK]ボタンをクリックする。
4.[カラーピッカー]が表示され、塗りつぶしたい色を設定し[OK]ボタンをクリックする。
◀鳥の画像の背景が塗りつぶされる。


◀[レイヤー]パレットに塗りつぶしレイヤーが作成されたのが確認できる。



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 グラデーションで塗りつぶす


塗りつぶしレイヤーは単色の塗りつぶしだけでなく、グラデーションやパターンで塗りつぶすこともできる。レイヤーメニュー→“新規塗りつぶしレイヤー”→“グラデーション”を選択すると、[グラデーションで塗りつぶし]ダイアログボックスが表示され、グラデーションの色や形状、方向などを設定して塗りつぶすことができる。また、レイヤーメニュー→“新規塗りつぶしレイヤー”→“パターン”を選択すると、[パターンで塗りつぶし]ダイアログボックスが表示され、パターンの種類やサイズを設定して塗りつぶすことができる。
◀レイヤーメニュー→“新規塗りつぶしレイヤー”→“グラデーション”を選択し、各項目を設定する。



◀グラデーションで塗りつぶすことができた。
◀レイヤーメニュー→“新規塗りつぶしレイヤー”→“パターン”を選択し、各項目を設定する。


◀パターンで塗りつぶすことができた。

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