テレビ朝日ミュージックが設立50周年企画で 新たな会社ロゴマークを募集 | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

テレビ朝日ミュージックが設立50周年企画で 新たな会社ロゴマークを募集

2024.4.25 THU

【サイトリニューアル!】新サイトはこちらMdNについて

あなたのロゴを未来が待っている
テレビ朝日ミュージックが設立50周年企画で新たな会社ロゴマークを募集

2020年に設立50周年を迎えるテレビ朝日ミュージック。これを機に、新たな会社ロゴマークを一般から広く応募するという。会社の視覚的な象徴とも言えるロゴマークを手がけることは、デザイナーだけでなく、多くの人にとってチャレンジングなことに違いない。ここでは、ロゴマークの公募という試み、そしてその試みが目指すものとは何かを探っていこう。

●取材・文 編集部 ●イラスト 北村みなみ

テレビ朝日ミュージックが2020年に設立50周年を迎える。同社はこのタイミングで会社ロゴを刷新すべく、公募によって募集するという。採用案に対しての賞金は100万円だ。ただ、ここでちょっとした疑問が。会社のロゴはこの先も長く使用される「会社の顔」と言ってもいいもの。公募などは行われず、クローズな場で発注・デザイン制作されるのが通常のワークフローだろう。なぜそのような開かれた場でのプレゼンを行うことにしたのだろうか。気になる本題の前に、まずはテレビ朝日ミュージックがどのような会社なのか、どのような特徴を持つのかを知らないとその理由は見えてこない。
● 既存のイメージからはみ出すこと ●
テレビ朝日ミュージックは、番組に使用する楽曲の管理を目的に、放送局系音楽出版社としてスタートした。その後、著作権ビジネスにとどまらず、トータル・ミュージック・カンパニーとして、レーベル事業、アーティストマネージメント事業などへと事業を拡大し、今ではイベント事業やマーチャンダイジング事業など、エンターテインメントのすべてにまつわる多種多様な事業インフラを立ち上げ、新しいコンテンツを生み出している。そういった中で、25周年を迎えた1995年から使われてきたロゴマークは音楽出版社のイメージが強く、現在の会社の在り方とやや離れてきたことや、デザインに時代性を感じることからロゴマークのリニューアルがこの設立50周年のタイミングで話として持ち上がってきた。

ロゴマークのリニューアル、それを公募で行うことは、同社のテレビ朝日ミュージックの代表取締役、吉田真佐男氏の強いビジョンがあった。
「公募でロゴマークを募集したいと思ったのは、〈未知との遭遇〉、つまり自分が思う想定外のものと出会いたかった。もちろん会社のロゴマークなので、長く使われることを想定しつつも、どこか〈収まっていないもの〉〈既存のイメージからはみ出しているもの〉を期待したいんです」

ロゴマークに対してそのようなビジョンを持つのは、テレビ朝日ミュージックという会社の在り方ともリンクする。吉田氏は語る。
「弊社は、頭の中の優れた〈創造〉をどんどん具体化させていく、それに賭けています。その点に関しては、投資を惜しまないでやってきたつもりです。それは新入社員の〈創造〉だってかまわないと思っています。僕らのようなトータル・エンターテインメント・カンパニーは、〈創造〉というものを具体化させてお客様に提供するというのが仕事。なにより、弊社の軸となる音楽というものが、もともとそういった仕事なんです」

そういった一般社員の〈創造〉が代表にまできちんと届く風通しの良さも、同社の特徴だ。「ときには、一般の社員が僕の部屋に直接、話をしに来ることもありますから。中間管理職の人たちはあまり良く思ってないかもしれないけれど(笑)」

型にはまらないその社風は、まさに吉田氏が新たなロゴマークに望む〈収まっていないもの〉〈既存のイメージからはみ出しているもの〉と重なるのではないだろうか。
● 一緒に未来を切り開いてくれるロゴ ●
新しいロゴマークにしたいと吉田氏が思ったのは、いまのテレビ朝日ミュージックの状況にも関係がありそうだ。
「さまざまな事業を行うためのインフラが、テレビ朝日ミュージックに整ってきました。だから今年度の始まりに、社員には具体的な新規事業の話よりも、ものの考え方について話をしたんです。整った事業インフラの上で、どういうことを考えて実行できるか、形にできるか。ものの考え方を変えていかないと、時代に取り残されてしまう。未来を切り開いていかないと。だから、新しいロゴマーク、そしてそれをデザインして下さる方には、一緒に未来を切り開いていくようなイメージを共有して頂ければと。キーワードを挙げるなら〈創造的破壊〉と言ってもいいような、そんなイメージです」

とはいえロゴマークというと、その会社の象徴とも言えるもの。デザインする方も、それを選ぶ方も気負ってしまいそうだ。吉田氏はその点も、常識とは違った見解を持っているようだ。
「そもそも、新しいロゴマークに対して、最初から弊社を象徴的に背負ってもらおうとは思ってません。マークひとつで弊社の事業内容などを多くの人に理解してもらうのは難しいですよね。理解させるための努力は、企業の側がやるべきことなんです。公募の良いところは、応募してくださる方も、選ぶ側も、何がピンポイントで良いかというのが見えていない状態であること。そのようにして選ばれたロゴマークを会社が育てていく。会社のイメージや業績が良くなっていったら、『このロゴマークは誰がデザインしたんだ』ということになっていくと思うんです。そのときに通り一辺倒のデザイナーの人選、デザインの選び方をしていたら広がりもない。例えば公募で『どこそこの学生が作ったらしい』といった話があれば、その先にストーリーが生まれる。可能性が広がっていく、そんなロゴマークであってほしいと思っています」

新たな形でエンターテインメント事業を行い、更なる広がりを見せるテレビ朝日ミュージック。あなたの作った新たなロゴが、テレビ朝日ミュージックの、そしてあなたの未来を切り開くかもしれない。
テレビ朝日ミュージックの現在使われているロゴマーク

テレビ朝日ミュージックの現在使われているロゴマーク

【募要集項】

●概要
株式会社テレビ朝日ミュージック、会社設立50周年を記念して、新たな会社のロゴマークを募集。プロ・アマ問わず一般から公募を行う。

●賞金
100万円(採用案は1点のみ)
当選者が未成年の場合は、親権者の同意を得た上で採用作品を決定して、賞金を支払う。

●参加資格
プロ・アマ、年齢、居住地、個人・団体を問わず応募可能。日本国籍の方に限る。未成年者は保護者の同意が必要。

●募集するロゴデザインについて
今回の募集に合わせて独自にデザインした、国内外で未発表の類似のない応募者のオリジナル作品に限る。デザイン上に「TV ASAHI MUSIC」「テレビ朝日ミュージック」の文字を必ず入れて、英文・和文の2種類をデザインすること。デザインに縦横比・色数等の制限はなし(ただし決定したロゴは、単色、2色、3色、4色プラス特色などと色数を変えて使用することがある)

●応募方法
応募1通につき1点(英文と和文のロゴマークのセットで1点とする)。一人何点でも応募できる。電子メールまたは郵送のどちらかで応募可能。

[応募受付期間]
メールの送り先:logo@tv-asahi-music.co.jp
郵送の送り先:〒106-8552 東京都港区六本木6 -2 -31 六本木ヒルズノースタワー12階
株式会社テレビ朝日ミュージック 新ロゴマーク事務局

メールの場合: 2018年6月1日 0:00から6月30日 23 :59タイムスタンプまで
郵送の場合:2018年6月1日から2018年6月30日までの消印有効
※そのほか、詳細は同社サイト(url. www.tv-asahi-music.co.jp/)を確認のこと


※本記事は月刊MdN 2018年6月号(vol.290)に掲載されています
twitter facebook このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
【サイトリニューアル!】新サイトはこちらMdNについて

この連載のすべての記事

アクセスランキング

8.30-9.5

MdN BOOKS|デザインの本

Pick upコンテンツ

現在