第1回  もうかるサイト名ともうからないサイト名 | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
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中堅、中小企業のサイトでも使えるWeb企画
ビジネスを助けるサイト運営のノウハウ

加藤洋一
(株)ユニークセリング・プロポジション
url : www.katoyoichi.com
mail : info@katoyoichi.com
広告制作会社専門コンサルタント、ブランディングブログアソシエーション主宰。Web制作会社を経営した経験をもつ。自らが実践した下請けに一切頼らない経営ノウハウをコンサルティング。業績を大幅アップさせている。


第1回
もうかるサイト名ともうからないサイト名
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盲目的に企業名=Webサイト名とやってしまっている企業が多い。
サイト名が戦略に影響を与える重要性を認識し、いかに追い風を受けるか?
ということについて説明しよう。
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サイト名は企業名でなくてはならないルールはない

経営戦略においてのWebの役割は?
私は、広告制作会社を経営していた経験があり、その経験を基に広告制作会社をコンサルティングすることが多い。同時に一般の企業からもマーケティングに関する相談が多くある。この連載では売り上げを上げるためにマーケティングコンサルタントが使う切り口や、発想法などをWeb活用に生かすための具体的な方法として述べていきたいと思っている。特に中小企業のWebサイト企画を手がけている方に向かって書いてあるので参考にしていただきたい。

企業経営においては大なり小なりの経営戦略があるはずだ。なぜなら企業が営利活動を行わないことには継続していけない以上、「利益を上げる」という目的を達成するために必ず打ち出す必要があるからだ。そこから考えていくと経営戦略の打ち手としては、次の3つに属するはずなのである。

1. 売り上げを増やす
2. 経費を減らす
3. 1.または2.のための投資を行う


それゆえ、経営戦略の一環である企業にとってのWeb活用も必ずこの3つのいずれかに属するはずだ。この事実から企業のWebサイトの役割を大別すると【1】のいずれかであるはずだ。まずは、このことを頭に入れておいていただきたい。そして、この稿は経営戦略内における戦略的なサイト名をつけるテクニックについての話となる。良いサイト名をつけるということは、それ自体が戦略に属してくるということを述べるつもりだ。

【1】経営戦略の打ち手におけるWebサイト役割一覧。Copyright(c)2007 U.S.P, INC & Yoichi kato All Rights Reserved.
【1】経営戦略の打ち手におけるWebサイト役割一覧。Copyright(c)2007 U.S.P, INC & Yoichi kato All Rights Reserved.


【1】をご覧になっていただけるとわかるように企業のWebサイトは必ず経営戦略の3つの打ち手のいずれかを含んでおり、それぞれの役割を果たすためにつくるはずだ。そしてこの役割が企業の規模においてひとつのサイトに複合していたり、サイト別に役割分担をしているなどさまざまなケースがあるはずなのである。

サイト名は企業名だけとは限らない
そもそも私が言いたいのは、Webサイト名が必ずしも企業名でなければいけないと理由はないということである。特に【1】でいう「見込み客獲得型」「売り上げ獲得型」の役割を求めるWeb活用は今後ますます増えてくると思うのだが、この役割を伴うWebサイトの場合はサイト名=企業名だともうからないケースが圧倒的に多いのである。それにもかかわらず盲目的に企業名=Webサイト名とやってしまっている企業が多い。それをやってしまうと、なぜもうからないかという理由について詳しく説明させていただこう。

本のタイトルは著者名であるはずがない
本にたとえてみよう。ここでこの稿を読んでいるあなたに質問がある。「本のタイトルで著者名を使っているのを見たことがありますか?」。この質問に、「ある」と答えた人はいないだろう。あったら教えてほしい。非常におもしろそうな本なのでぜひ読んでみたい(笑)。

私は実際にベストセラーとなったビジネス書を出版している著者の方や出版社の裏事情を聞いたことがあるのでわかっているつもりだが、通常本のタイトルはもっとも販売に影響を及ぼす重要な要素なのである。そして質問の回答どおり著者名をタイトル名にもってくることなどあり得ないのだ。仮に相当有名な著者でもタイトル名にもってきたところでその本は売れないだろう。そして本のタイトルに相当する部分をWeb活用に置き換えるとサイト名になるのである。

すでにお気づきのようにサイト名を企業名にすることは、これと同様のことである。売るためにおいては不利な要素が多いのである。もちろん企業名を認知している度合いにもよるが、広告宣伝費をかけている企業であれば、相応して企業名での検索もあり得るだろう。その際には検索した際に露出しないといけないのは当然だ。これに対応する方法として、会社概要などのページで露出するようにしておくといった対応はそれほど難しいことではないので、そのような対策で十分なのである。

そしてその図は右図のような相関となる【2】。【1】内の「見込み客獲得型」「売り上げ獲得型」の役割を求めるWeb活用において、大きな企業であり広告予算が潤沢であればサイト名が企業名でも問題はないが、小さな企業であって広告予算がないほど企業名がサイト名であると、マーケティング活動においては損であることが多いのである。そしてその理由は本のタイトルでたとえたとおり、知名度の低い企業の場合、社名で検索すること自体が少ないうえに見てもインパクトがあるわけでもなく、共感を得るエッセンスも少ないからである。

【2】企業規模別奨励サイト名相関図。Copyrigh(c)2007 U.S.P, INC & Yoichi kato All Rights Reserved.
【2】企業規模別奨励サイト名相関図。Copyrigh(c)2007 U.S.P, INC & Yoichi kato All Rights Reserved.


典型的なもうかりにくいサイト名とその原因

全然もうからなかったサイト名の事例
なぜこのようなことが言えるかというと、私自身が数々のクライアントのWebサイトを手がけたことや自らのWebサイトを運営した経験から、はっきりとそのような傾向が見えたからだ。もちろん本と同様にタイトルが良くても中身が伴っていない、Webサイトで言えば「コンテンツが良くない」「運営の仕方が良くない」といった、ほかの要因にもよるが、サイト名が良いと実際に有利になることが多い。まちがいなくフォローの風が吹くと感じているのだ。

理解してもらいやすいと思うので、実際に私が運営していた企業名で集客を行っていたWebサイトを見てもらおう。まずは【3】をご覧いただきたい。私が実際に広告制作会社を経営した際に集客をしていたWebサイトである。ちなみに当時、私は下請けを一切受けていなかったので、すべての受注についてこのWebサイト経由から問い合わせをもらっていたということになる。この図は2002年時、実際に使っていたトップページデザインである。

【3】2002年度「アットウェブ」Webサイトトップページデザイン
【3】2002年度「アットウェブ」Webサイトトップページデザイン


当時のサイト名は企業名であった「アットウェブ」であった。名古屋地区のWeb制作会社であったわけだが、当時を振り返ると名古屋地区においてのWeb制作を行う会社(広告代理店も含める)は、典型的に寡占※1の度合いが低く、玉石混淆の状態だったと思う。そしてその時期のマインドシェア※2は【4】のようなポジションだったと思う。全体の20%を10社程度が数%ずつを分け合い、全体の80%を個人事業者も含めた無数の小事業者が分け合っていたようなイメージである。そして私の会社も20%内のひとつにすぎなかったのである。

【4】Web制作会社マインドシェア予想図(※正確な数値ではありません)
【4】Web制作会社マインドシェア予想図(※正確な数値ではありません)


デザインを見てもらうとわかるのだが、典型的なWeb制作会社がつくりそうなデザインでもあった。サイト名が社名である「アットウェブ」であり、デザイン面でも周りと似たようなデザインであったわけなのである。その結果「名古屋のWeb制作会社内のエトセトラ」というくくりに取り込まれていたのだ。これでは、問い合わせにつながる可能性が低いのもおわかりだろう。

しかし現実問題としてこのように企業名=サイト名で、似たようなデザインを行っている企業は多いのである。これでは、経営戦略の一端を担い、売り上げを上げるための役割である「見込み客獲得型」「売り上げ獲得型」を担うには無理があるのだ。


※1 寡占(かせん、Oligopoly)
市場の形態のひとつで、ある商品やサービスに係る市場が少数の売り手(寡占者、寡占企業、Oligopolist)に支配されている状態のこと。少数が2社だけである場合は複占(Duopoly)という。出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

※2 マインドシェア
顧客の心の中でのシェアのこと。特にスモールビジネスにおいては、「マーケティングのゴールはマーケットシェアを得ることではなく、顧客の心の中でのシェア=『マインドシェア』を得ること」と「ゲリラ・マーケティング」という手法の創設者ジェイ・コンラッド・レビンソンは提唱している。詳しくは、本誌 Vol.7 第1特集 CHAPTER03 「お客の心に侵入するWebサイトづくりのススメ」参照


世の中にあるもうかりにくい典型的なサイト名
実は私も企業名=サイト名でやってしまったわけだが、同じように企業名=サイトというパターンは多い。たとえば、○△株式会社、○×有限会社など。繰り返すが企業の規模、目的、役割といった条件にもよるが、名のない企業が企業名=サイト名とやってしまうと、市場ではエトセトラにくくられてしまい不利だということはおわかりいただけただろうか?


もうかりやすいサイト名に変身させるには?

私が実際にもうけたサイト名の事例
当初のサイト名は企業名であった「アットウェブ」であった。2005年度のトップデザインが【5】である。サイト名は「ホームページを営業マンに育てる会」にして運営会社を「アットウェブ」としたのである。最初はあまり深く考えていないサイト名だったが、正直もうかった。自分自身をブランド化して自らのプロフィールの特長である元営業マンを売りにしていたこともあり、最初は「ホームページを営業マンに育てるかい?」という駄じゃれ程度で考えた名前だったのだ。

【5】2005年度「アットウェブ」Webサイトトップページデザイン
【5】2005年度「アットウェブ」Webサイトトップページデザイン


しかし、今となってはっきりと言えることだが「アットウェブ」という社名より圧倒的に有利だったと強く感じるのだ。具体的には、アットウェブというサイト名でやっていたときは問い合わせ件数が毎月わずか数件だったのが、サイト名を「ホームページを営業マンに育てる会」にしてからコンスタントに10倍以上になっていたからだ。広告を打ったときなどは100倍以上ということもあったのだ。

なぜこのようなことが起きたか? そしてサイト名がもうかる要素にどのような影響を与えたかを分析してみたので参考にしてもらいたい。

良いサイト名に追い風が吹く理由
良いサイト名にすると追い風が吹く理由を分析してみるが、大きく分けると3つの要素が働いているということがわかる。

1.顧客にとっての認知力
2.発信情報の質
3.ポジションの確立


【6】をご覧いただきたい。この図は企業が情報発信するWebサイト=器とイメージしている。ここでは、私が実際に運営していた「アットウェブ」というWebサイト名と「ホームページを営業マンに育てる会」という事例の器として想定したものである。そしてそれぞれの器を用意した場合に、マインドシェアを獲得するレベルを段階別に表しているものだ。当然下に行けば行くほどマインドシェアのレベルが上がり、お客様は企業にとって収益につながるということになる。ここでこの稿を読んでいるあなたに再度質問したい。

【6】マインドシェア獲得レベル図。イズ・アソシエイツ発行『販売促進スペシャル第4号』参照。Copyright(c)2006 Branding Blog Association All Rights Reserved.
【6】マインドシェア獲得レベル図。イズ・アソシエイツ発行『販売促進スペシャル第4号』参照。Copyright(c)2006 Branding Blog Association All Rights Reserved.


「名古屋のWeb制作会社という市場でマインドシェアを高めていくには、『アットウェブ』という名前の器と、『ホームページを営業マンに育てる会』という名前の器のどちらが有利か?」。恐らく大半の方が、「ホームページを営業マンに育てる会」という名前の器が有利だということにおわかりだろう。

サイト名が良いと「1.の顧客にとっての認知力」が高くなるので、マインドシェアのレベルを上げていく際に圧倒的に有利なのである。たとえば、「アットウェブ」という名前を知らない見込み客が検索してWebサイトにたどり着いた場合にも、「LEVEL1の未認知客」から「LEVEL2の認知客」に進むスピードは速いはずである。

大企業は、認知させるために莫大な広告予算をかけているわけだが、中小企業においては、潤沢な資金がある場合は別として現実的ではない。できることなら予算をかけずに「LEVEL7の常連客」までにもっていくことが重要なのである。その際に、良いサイト名であるほうが圧倒的に有利なのである。それがわかればどんな名前がお客にとって認知しやすいか? ということになる。

この点においていちばん重要なことは、サイト名が顧客の便益にフォーカスできていることである。この例でいくと「ホームページを営業マンに育てる会」というサイト名は、企業にとってホームページが優秀な営業マンになるにおいを感じさせる。ホームページという優秀な営業マンを安く雇えるというイメージがわくのだ。このようにターゲットにとって便益が得られそうなサイト名は認知されやすいはずなのである。

もうひとつの理由である「2.発信情報の質」ということについて説明したい。これも「アットウェブ」というサイト名よりは、「ホームページを営業マンに育てる会」というサイト名にした際に【6】のような器ができることを考えるとわかりやすい。そのサイト名にすると、情報を発信していく器ができあがるわけだ。そうなると、顧客にとっての便益を満たす器に入れる情報としては、「顧客にとって便益のある情報」しか発信できなくなるはずだ。

まさかホームページを営業マンに育てるということに、まったく関係ない情報は入れることはできない。サイト名どおりの情報を発信するはずだ。このことは【6】でいうところの「共感させるコンテンツ」という部分が該当する。このコンテンツが顧客のマインドシェアをレベルアップさせるのに欠かせないのである。つまり器のネーミングによって発信する情報の質が決定されるということになるわけだ。

「3.ポジションの確立」について説明したい。アットウェブというサイト名の際は【4】のとおりエトセトラのひとつというポジションだった。それが「ホームページを営業マンに育てる会」というサイト名にしたおかげで【7】のようになったと思われる。名古屋地区のWebマーケティングができそうな制作会社としては、当時主張しているところが少なかった。その場合において私の経営している制作会社が有利だったのである。ポジションにおいては顧客ターゲットの絞り方にも関連するところである。この点については、前号に詳しく書いたので参考にしていただきたい(本誌Vol.7 第1特集 CHAPTER03「お客の心に侵入するWebサイトづくりのススメ」)。

【7】Webマーケティング系制作会社マインドシェア予想図(※正確な数値ではありません)
【7】Webマーケティング系制作会社マインドシェア予想図(※正確な数値ではありません)


たかがサイトの名前である。されどサイト名は、のちの運営に大きく影響を及ぼすのである。特に3つの要素が良いサイト名によって影響するため、結果としてコストをかけずにマインドシェアレベルを上げやすいサイト名ということになるのだ。だから追い風が受けられるということになるわけだ。


追い風を受けているサイト名の事例
実際に企業名=サイト名ではなく、うまく追い風を受けているサイトの事例を私が過去手がけたもの、手がけてはいないが知っているものとして紹介したい。まずは、「ガンの辞典」というサイトである【8】。

【8】「ガンの辞典」(gan-jiten.com)
【8】「ガンの辞典」(gan-jiten.com)


このサイトの運営者である小澤氏は愛知県名古屋市にある漢方薬局を経営されている。このサイト名で運営することにより全国でガンに悩む家族に相談を行っている。地域商圏に依存する店舗経営から全国のガン患者の方、本人や家族に価値ある情報を提供し役立っている貴重なサイトだ。もちろん商売である以上、全国を商圏化することに成功し、同業者からの広告依頼のオファーがあるという現象を起こしている。

続いて、「がっかりカーテン撲滅運動」というサイトである【9】。サイト名が表すとおり、新居でカーテンを選ぶ際に後悔しないようにとの思いが強い、神奈川県小田原市のカーテンウエキ上村店長が運営している。Web以外の集客ツールにも同様のネーミングを使って売り上げに貢献させている。

【9】「がっかりカーテン撲滅運動」(www.c-ueki.co.jp)
【9】「がっかりカーテン撲滅運動」(www.c-ueki.co.jp)


続いては「固定客化推進プロジェクト」というサイトである【10】。このサイトは店舗経営者であれば経営を安定させるために必ず目指す「固定客化」というキーワードを重要視し、実際に固定客化するための情報を提供している。運営会社のイズ・アソシエイツ岩本氏は、各種セールスプロモーションの企画立案・運営・コンサルティング・研修などの仕事の多くをこのサイトから受注している。

【10】「固定客化推進プロジェクト」(www.kotei-p.jp)
【10】「固定客化推進プロジェクト」(www.kotei-p.jp)


そのほかにリクルートが運営している「R25」と「ケイコとマナブ.net」を紹介したい【11】【12】。これらのサイト名(メディアミックスを行っているためサイト名のみにとどまらない)も非常にうまい。私は【2】で小企業であればあるほどサイト名=企業名は良くないと言っているのだが、リクルートの場合は大企業であるのにもかかわらず、この手法を使っているので恐ろしい。まちがいなく前述した3つの要素をうまく向上させているはずだ。彼らの場合は、良いネーミングをつけて市場を立ち上げてしまうほどの力をもっているため、ビジネスとして参入する時期は参考にならない。

【11】「R25」(r25.jp)
【11】「R25」(r25.jp)

【12】「ケイコとマナブ.net」(www.keikotomanabu.net)
【12】「ケイコとマナブ.net」(www.keikotomanabu.net)


しかしネーミングという点は非常に参考になるのでよく研究してもらいたい。いかがだろうか? ここに述べたのは良いサイト名の一部であるが、サイト名=企業名より圧倒的なパフォーマンスを上げていることはまちがいないのである。


もうかるサイト名の具体的なつくり方

もうかるサイト名の考え方と実践方法
それでは、実際に御社が良いサイト名を付けるための考え方や切り口について説明したい。もう一度確認しておくが、良いサイト名というのは次の3つを満たすものである。

1.顧客にとっての認知力
2.発信情報の質
3.ポジションの確立


これを満たす発想を行うために私自身がいつも行っているプロセスを説明したい。大まかに分けると4つのステップを繰り返してサイト名を発想している。

STEP1.提供できる便益を調査
STEP2.関連する語をインプット
STEP3.サイト名をアウトプット
STEP4.サイト名に編集


実際に「ホームページを営業マンに育てる会」を例にやってみよう。【13】をご覧いただきたい。まずは、ほかの制作会社としては差別化できそうであり、提供できる便益に関連するキーワードをアウトプットする。

【13】ネーミング発想法。Copyright(c) 2007 U.S.P, INC & Yoichi kato All Rights Reserved.
【13】ネーミング発想法。Copyright(c) 2007 U.S.P, INC & Yoichi kato All Rights Reserved.


前述したとおり当時はまだWebマーケティング系(売り上げを上げる)という便益を提供する制作会社が少なかったので、「セールス」「営業」など。次にその語に関連するキーワードをどんどん書き出していく。そしていかにも現在のWebサイトが変化するイメージとしてのキーワードを「変身」とアウトプット。その下にさらに発想されたキーワードを書き出す。さらに発想を広げるために語嚢を増やす手段として「シソーラス類語辞典」(www.gengokk.co.jp/thesaurus/)というサイトで類語を検索する。そして気になったキーワードを付け足していく。アウトプットが終わったら寝る(笑)。アイデアのつくり方は古来より変わりがない。インプットを増やしてアウトプットを待つのみである。

詳しくは『アイデアのつくり方』(TBSブリタニカ、ジェームス・W・ヤング著)という良書があるので参考にしていただきたい。

サイト名をアウトプットしていき、候補を絞っていく。最後に語感・リズムなどを編集していく。以上が良いサイト名の発想のパターンである。この発想でできたネーミングがSEO対策に関連するキーワードが含まれているとなお良いはずだ(大抵このステップを経るとリンクしてくるはずではある)。あとは慣れなのでこのプロセスを参考にして実際にやってもらいたい。そして良いサイト名をぜひアウトプットしていただきたい。


まとめ

もしあなたのサイトが【1】に示したWebサイトの多くの役割を兼任していたとしても、現在は「ブログ」や「SNS」といった新しいWebソリューションが安価にすばやく立ち上げることができる時代となった。「見込み客獲得型」「売り上げ獲得型」という役割だけを独立させて別サイトを「ブログ」や「SNS」で立ち上げるというのもありだろう。いずれにしてももうかるサイト名をつけていただき、ライバルが気づかないうちに追い風を受けることをお勧めする。最後まで読んでいただき、ありがとう。次号もお楽しみに。


本記事は『Web STRATEGY』2007年3-4 vol.8からの転載です
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