大切なのは、発想×個性×テクニック!
BLACK BELT JONES DCがつくり出すコラージュ作品は、ハードな質感やアナログ感あふれる表現が特徴だ。ここでは、Photoshopのさまざまな機能を用いて丹念につくり込まれるコラージュ作品の制作工程を解説していく。
制作・文 BLACK BELT JONES DC[ブラック・ベルト・ジョーンズ・ディーシー]
url http://www.myspace.com/bbjdc
SOFT Illustrator 10/CS2、Photoshop CS/CS2
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まずはデジタルカメラで素材を撮影する。今回は、自転車の反射板やゾウの置物などの撮影を行った1-1 。一通りの素材が撮影できたら、ラフスケッチを描いて仕上がりのイメージを固めていく1-2。
1-1
1-2
次に、Photoshopで作品サイズの新規ファイルを作成し、黒で塗りつぶしたら、背景用の空の素材画像を配置。続けて、イメージメニュー→“色調補正”→“トーンカーブ...”で色調を整える2-1。このとき、イメージに合わせて明るさやコントラストなどの数値も調節しておくとよいだろう。
2-1
▲ここでは、仕上がりイメージに合わせて全体を暗めの色調とした。補正する際は、あまり暗くなりすぎないように気をつけよう
STEP1で撮影した素材をPhotoshopで開き、ペンツールを選んだら、ツールオプションバーで[パス]として必要な部分を囲んでいく3-1。ここでの作業が仕上がりを大きく左右するので、できるだけていねいに作業を進めていこう。
3-1
素材画像をパスで囲んだら、パスパレットメニュー→“パスを保存...”でパスを保存する4-1。続いて、パスパレットメニュー→“選択範囲を作成...”で[ぼかしの半径:2pixel]として[OK]をクリック。これをコピーし、作業ファイルにペーストする4-2。なお、4-2ではわかりやすいように背景画像を非表示としてある。同様にしてほかの素材も配置していった。
4-1
4-2
▲素材をペーストしたら、編集メニュー→“変形”→“自由な形に”などで大きさを変えたり、遠近感を加えていく
素材がおおよそ配置できたら、イメージメニュー→“モード”→“CMYKカラー”とする。続いて、素材の色を変更していく。ここでは、任意の素材のレイヤーを選び、イメージメニュー→“色調補正”→“色相・彩度...”や、“明るさ・コントラスト...”などで色味を変えていった5-1。なお、5-1ではわかりやすいようにそのほかの素材のレイヤーを非表示としている。
5-1
▲ここでは、人形の手のパーツの色相を変えるなどして、目を引く色合いとした
素材に荒れた質感を与えていく。ここでは、ゾウの素材に“アーティスティック”→“水彩画...”フィルタや、“ノイズ”→“ノイズを加える...”フィルタを適用するなどして、絵画のようなアナログ感をもたせた6-1。同様にしてほかの素材にもフィルタを適用し、全体をつくり込んでいく6-2。
6-1
6-2
随所に光の装飾を加えていく。まず、市販の素材集などから用意した7-1のような素材を作業ファイル上に配置したら、イメージに合わせて“ぼかし”→“ぼかし(ガウス)...”フィルタなどでなじませる7-2。さらにここでは、Illustratorでらせん状のパーツを作成し、コピー&ペーストで作業ファイル上に配置後、変形してビジュアルの装飾とした7-3。
7-1
7-2
7-3
作品にアナログ感を演出する。まず、黒い紙に穴を開けたり、部分的にこするなどして汚れをつけ、スキャンする8-1。このスキャン画像を最前面に配置し、[描画モード:覆い焼きカラー]に変更8-2。最後に、任意の素材に“シャープ”→“アンシャープマスク...”フィルタを適用したり、色調補正を施せば完成となる。
8-1
8-2
▲[描画モード]の変更によってビジュアルの印象は大きく変わる。イメージに合わせていろいろと変えてみるとよいだろう
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本記事は『MdN』2009年1月号(vol.177)からの転載です。
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グラフィックデザイナー | BLACK BELT JONES DCが披露する | |
荒れた質感を強調したアナログ感のあるビジュアル | ||
BLACK BELT JONES DCがつくり出すコラージュ作品は、ハードな質感やアナログ感あふれる表現が特徴だ。ここでは、Photoshopのさまざまな機能を用いて丹念につくり込まれるコラージュ作品の制作工程を解説していく。
制作・文 BLACK BELT JONES DC[ブラック・ベルト・ジョーンズ・ディーシー]
url http://www.myspace.com/bbjdc
SOFT Illustrator 10/CS2、Photoshop CS/CS2
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作品のベースとなる素材を撮影する | |
>デジタルカメラで撮影を行う |
1-1
1-2
背景素材を配置して色調補正を施す | |
>“トーンカーブ...”で暗めの色調に変更 |
2-1
▲ここでは、仕上がりイメージに合わせて全体を暗めの色調とした。補正する際は、あまり暗くなりすぎないように気をつけよう
作品に使用する部分を決定していく | |
>Photoshopのペンツールで必要な個所を囲む |
3-1
素材画像を作業ファイル上に配置 | |
>選択範囲を作業ファイルにコピー&ペーストする |
4-1
4-2
▲素材をペーストしたら、編集メニュー→“変形”→“自由な形に”などで大きさを変えたり、遠近感を加えていく
素材の色味を変えてカラフルに演出する | |
>“色相・彩度...”や“明るさ・コントラスト...”を活用 |
5-1
▲ここでは、人形の手のパーツの色相を変えるなどして、目を引く色合いとした
素材に荒れたテイストを加える | |
>フィルタを駆使してアナログ感を演出 |
6-1
6-2
光のパーツを加えて輝くイメージを強調 | |
>さまざまなパーツでビジュアルを装飾する |
7-1
7-2
7-3
自作のテクスチャを用いて全体を仕上げる | |
>[描画モード]を変更して荒れた印象を出す |
8-1
8-2
▲[描画モード]の変更によってビジュアルの印象は大きく変わる。イメージに合わせていろいろと変えてみるとよいだろう
BLACK BELT JONES DCに聞く作品制作で大切にしたこと | ||
「各要素に連結感と奥行きが感じられるように制作しました」 けっこう込み入った構成になっていますが、全体的に「パキッ」とした印象となるように、質感と 色のバランスに気を使っています。コラージュ作品によくある「不自然な違和感のおもしろさ」ではなく、自然にすべての要素が連結して広がり、その中で奥行 きが感じられるように作成しました。また、アナログ感を出すために、意図的にピントを甘くするなどして撮影した素材画像を使用しています。 |
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本記事は『MdN』2009年1月号(vol.177)からの転載です。
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