第4話 プログラミングもコンサルも | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
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転職はゴールではない 3年目の壁、5年目の転機

“仕事の壁”は誰にでもやってきます。そんなとき、ほかのみんなは、どうしているのでしょうか? このコーナーでは、今まさに壁を乗り越えようとしている人、乗り越えて一歩先に進んだ人など、クリエイティブ業界でがんばる仲間たちが登場。これまでの失敗談・成功談や現在の課題、そして将来像を語ります。今の仕事に前向きに取り組み、階段を一段登るためのヒントが得られるはずです!


第12回 有限会社 ハビタス 松下 勝さんの場合


子どもの頃から物作りが好きだったという、有限会社ハビタスのディレクター・松下勝さん。21歳の時にパソコン初心者という状態で入学した専門学校Webデザイン科で、Web制作の醍醐味を初めて味わう。それ以降、Webの「作る楽しみ」へとどっぷり突き進むことに。卒業後はいくつかの制作会社でディレクターや制作を経験、現在の会社・ハビタスは3社目となる。現在ではさまざまなWeb制作はもちろん、ただ作るだけでなく「どのように運用していくのか」をクライアントに寄り添いながら提案をおこなっている。そんな彼に、これまでの軌跡、そして現在、未来の仕事について、詳しくお話を伺ってみました。


第4話 プログラミングもコンサルティングも

──これまでの制作会社2社とハビタスでの働き方と、どのような違いがあるのでしょうか?
松下●ハビタスに来てからは、ディレクターとして動きながらプログラミングもするという、両方同時にやる体制が確立されつつあります。もともと制作だけじゃなくてディレクションもちゃんとやりたいという思いがあったので、かなり良いバランスでやれてるんじゃないかと思ってます。

──さらには、森美術館さんのお仕事ではコンサルティングも担当されたとか?
松下●そうですね。会員システムのオンライン運用についてシステム導入のコンサルティングから担当させていただきました。これまでシステムのディレクションをやってはいたんですけれども、コンサルティングというのは初めての経験でした。実際に担当して感じたのは「お客様が望んでいることが実現できればいい」ということ以上に、すごく考えなきゃいけない部分がたくさんあるということ。Webのプロフェッショナルとしてお客様が僕らに望むものが大きいですし、ただディレクションをやったり、作るだけじゃダメなんだなというのを非常に感じましたね。

──なるほど。ある意味では、事業を運営するお客様と同じ目線で考えなければいけないという面もあるかもしれませんね。
松下●そうですね。約1年ほど、森美術館さんのお仕事を担当したのですが、集客やユーザビリティ、サービスをいかにうまく回していけるかという「運用の効率化」など……さまざまな側面から課題に取り組みました。まず最初に行ったのはヒアリングから。それらを元に、最終的にはASPを利用したWeb会員システムの導入を提案させていただきました。ASPの活用は単に低コストでシステムを導入できるだけでなく、会員システムの在り方をシンプルな仕組みに置き換えることが必要だったという面もあります。導入によって業務フローの見直しも行ったのですが、美術館の窓口の方がお客様にきちんと説明できるようにレクチャーもさせていただきました。窓口でもWeb上でも、システムが一元化されていないといけませんから、弊社でなるべく皆様にわかりやすい枠組みをご提案させていただきました。

──コンサルティングというのは、そこまで担当するわけなんですね。
松下●はい。今まで自分がやってきたWeb制作とは別次元のお仕事だなと感じました。それまでも、お客様の事業を自分なりに理解するように努力してやってきたつもりだったんですが、やはり関わり方で全然違うなと……。振り返ってみると、制作で何かを「作らなきゃいけない」となったときに、意外と守りに入ることがあったなと思います。新しい技術を取り入れて挑戦するよりは、安心な方法を選択するというのが、納期の問題等があったりして、通常のパターンでした。でも、コンサルティングではどういう風にやるのがいちばん良いのかということを、まず先に考えましたね。考え方をすごくニュートラルにできたと思います。

──さて、最後に現在転職しようかどうか迷っている方にアドバイスをお願いしたいのですが……。
松下●Web業界は忙しいですから、忙しくて自分を見失ってしまようなことも多いと思います。そんなときには原点に帰る——「自分が何をやりたかったのか」、「何が好きでWeb業界に入ったのか」ということを、もう一度考えてみるのがいいでしょうね。それを考えれば、自分がこれからどう動けばいいのかということがわかるんじゃないでしょうか。何か新しいことをすぐに始めるんじゃなくて、一度原点に戻って、これからを考えるというのはいいんじゃないかと思います。

──「原点に戻る」って、いろんなことに当てはまる言葉ですね。本日はありがとうございました。

(取材・文:草野恵子  撮影:谷本夏)


有限会社ハビタス
http://www.habitus.co.jp/
インターネット黎明期からWeb制作に携わる森幸久氏が、2002年に立ち上げたのが有限会社ハビタスである。Webサイトの構築・運用・コーディネートはもちろん、コンサルティング、コンテンツ制作も行っており、Web以外にもパンフレットやポスターなどのグラフィックデザインも手がけている。


森美術館会員管理システム(システム導入コンサルティングを担当)

http://www.mori.art.museum/jp/mamc/index.html


ジャパンタイムズ

http://club.japantimes.co.jp/

今回で松下勝さんの記事は終わりです。次回をお楽しみに!


※本コーナーは、株式会社マスメディアンとMdN Interactive(株式会社エムディエヌコーポレーション)との提携によって、広告・クリエイティブの関連企業で働く方に焦点をあてたコーナーです。転職支援サービスに関してのご相談等は、マスメディアンへお問い合わせください。この際、MdN InteractiveのWebサイトから離れることとなりますのでご注意ください。


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