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バイラルクリエイター養成講座


入門編 第3回 バイラルの原動力と言動力

知っている人から知らない人へと繰り返し伝えられていくクチコミ。大きなマーケティング要素であったが、バイラルでは少々異なり、バイラルの大きな特徴ともいえるのだ。その特徴である「マスコミ」「クチコミ」「カキコミ」の3つの要素と特徴を今回は解説していく。そして、これら3つの要素の差異なども注目して欲しい。
解説:バイラルエンジン


[プロフィール]

バイラルエンジン●東京都出身。バイラルディレクター。オフライン・ソーシャルネットワーキング、完全紹介制の覆面クリエイターユニット「バイラルエンジン」代表。カンヌ国際広告賞、Eyeblaster Creative Awards、宣伝会議賞、東京インタラクティブ・アド・アワードなど受賞。世の中のムーブメントは、すべて人が仕掛けている。


クチコミの原動力

映画を観たとき、ライブを観たとき、スポーツの試合を観たとき、その直後の感情を思い出してみて欲しい。また、初めて自動車を買ったときのこと、高級な寿司を口にしたときのこと。どんな場面でもいい。強烈に印象深く、心に刻まれたときのことを思い出してみて欲しい。

そして、その感情を誘発するきっかけになったのは、なんだったかを意識してみてほしい。映画であればラストシーン。スポーツであればゴールの場面かもしれない。思わず人に言わずにはいられない瞬間が、きっと誰にだってあるはず。そのとき、職場の仲間や学生時代の友人など、誰かに思わずしゃべっていることを思い出してみてほしいのであるが、その概念図が図11だ。


図11(第1回からの継続図版)

図11(第1回からの継続図版)
またその反対に、商品が故障して頭に来たときのこと、店員の態度が悪くて不愉快な思いをしたときのこと、先生に怒られたときのこと。そんな怒りやストレスを、誰かにしゃべって発散することだってあるだろう。

こうした感情が原動力になって、人に伝えようという行為に拍車をかけるのだ。ほとんどの場合、友人、知人などなんらか親密な関係でつながっている人へと伝播していく。伝達場所は、職場や学校、近所など。伝達手段は、直接会って話すか、電話で伝えるなど。いずれも口頭で、伝えられる。これがクチコミである。

カキコミの原動力

友人、知人など互いになんらか関係のある人同士でつながって、クチコミは広がっていったが、CGMの登場によって、顔さえ知らない他人にまで、ブログやSNSなどのカキコミ(情報の書き込み)を通じて噂が伝播するようになった。CGMで巻き起こる噂に、マスコミが飛びつき出すとさらに噂の広がりに拍車がかかり、世間に噂が起爆的に広がるバックドラフト現象が起こる。

たとえば、芸能ニュースでは、取材班や編集部に有名人の所属事務所からFAXでコメントが届いて発表するという形がこれまでよく見られたが、最近聞かれるようになったのは、有名人が自分のホームページで引退をほのめかす発言をしたり、心境を語ったり、本音をもらすようになった。事務所からのFAXによるコメントに加えて、ホームページでの本人の告白がそのまま、マスコミのニュースになったりするようにもなった。

ところが、ホームページで発表されるようになると、個人がマスコミよりも先に特ダネを入手できるようになったともいえる。そして、瞬く間にファンからファンへとブログに広がり、SNSへと広がっていく。ファンの間で噂が流れる。これが、インフルエンサーの発火である。そして、マスコミのニュースで流れることをきっかけに、世間に広まっていく。アーリーマジョリティによるバックドラフト現象が始まるわけだ。図12が、バックドラフト現象をグラフ化したものだ。


図12

図12

マスコミとクチコミとカキコミ


バイラルは大きく3つの要素がある。それが、マスコミとクチコミとカキコミである。マスコミは文字通り、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などで流れるニュースや情報、記事などのこと。特ダネとして注目されて、写真や映像や評論家のコメントが加味されてメディアからメディアへと感染していく。図13は、各メディアでの伝達の差異だ。

図13
図13
クチコミは、友人や知人による噂の伝播のこと。「知ってる?」という問いかけをして、「知らない、教えて!」といったやり取りで始まる。そして、知っている人から知らない人へと繰り返し伝えられていく。クチコミにも似ているが、主にブログやSNSなどCGMによる伝播が、カキコミである。


次回につづく
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