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バイラルクリエイター養成講座


上級編 第1回 CM×Web

WebアレルギーのCMプランナーがいるらしい。そんな彼らにとって、憂うつな症状が起こり始めている。「続きはWebで」症候群だ。CMからWebへ誘導する手法がもはやあたりまえの時代となった今、その先のWeb展開がイメージ出来ずに苦しんでいるというのだ。とくに、クライアントからのオリエンで「CMからWebへ誘導するように」との要望が増え出していることも背景にあるようだ。

 

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解説:バイラルエンジン

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[プロフィール]

バイラルエンジン●東京都出身。バイラルディレクター。オフライン・ソーシャルネットワーキング、完全紹介制の覆面クリエイターユニット「バイラルエンジン」代表。カンヌ国際広告賞、Eyeblaster Creative Awards、宣伝会議賞、東京インタラクティブ・アド・アワードなど受賞。世の中のムーブメントは、すべて人が仕掛けている。

「続きはWebで」症候群・その1

 

CMの最後で、Webへ誘導するスタイルのCMが多くなってきている。あからさまにWebへ誘導しなくても、URLを掲載しているCMは多い。ところが、あまりに一瞬すぎて読み取れないものさえあるのが現実だ。この背景には、「CMからWebへ誘導してほしい」と、クライアントからの要望が増えていることと、その意図を理解できずにやむなく対応するCMクリエイターの存在が見え隠れしている。

ユーザーの行動導線を常に意識してアイデア発想を行うように鍛えられてきたWebクリエイターにとっては、まったく不思議かもしれないが、15秒の中だけで広告表現をつくってきたCMクリエイターにとっては、「続きはWebで」というクライアントの意図が消化できずに悩む者もいるようだ。

CMクリエイターは、15秒CMの中にどう入れるのがベストかイメージできても、ユーザーの気分の高まりをどのように醸成していくかWebに飛んだ瞬間からまったくイメージができなかったりするらしい。このため、Webパートは、いきなりWebクリエイターに丸投げといった場合も多々ある。

「続きはWebで」症候群・その2

 

「続きはWebで」というスタイルは、今まで15秒のCM枠内で簡潔に広告表現するように鍛えられてきたCMクリエイターにとっては、戸惑いを隠せない。彼らにとって、WebはブラックボックスでCMから誘導した先で生じることがまったく想像できない者がいる。

CMからWebへ誘導する意図や戦略がうまく消化できないまま、Web誘導のメッセージをおまけのようにくっつけたCMが流されたり、CMからWebへ行ってみるとがっかりするようなWebだったり、ユーザーの気持ちを無視した仕上がりのケースが頻発している。

これを解決するには、CMクリエイターとWebクリエイターとが二人三脚するか、CMもWebもイメージできるスーパークリエイターが登場するかどちらかである。もっと言うと、メディアにとらわれないクリエイターが求められる時代に入ったともいえる。

CMクリエイターにとっては、Webと聞いただけで頭が痛いかもしれないが、Webクリエイターにとってはインテグレーテッドキャンペーンのクリエイティブにデビューするチャンスともいえる。「続きはWebで」症候群をものともせずに、CM×Webによるおもしろい作品も続々と登場してきている。続けて事例を見ていこう。

「続きはWebで」元年

CMからWebへ誘導する手法は、今になって急に始まったことではないが、ライフカードのCM「カードの切り方が人生だ」が、ACC CM FESTIVAL2006グランプリを受賞したことでCM×Web手法は急激にヒートアップしている。
ライフカードCM「カードの切り方が人生だ」のCM。「つづきはWebへ」という気になる終わり方をしている。
ライフカードCM「カードの切り方が人生だ」のCM。「つづきはWebへ」という気になる終わり方をしている
「続きはWebで」のパターンは、大きく3つのパターンがある。1つめは、CMの続きを気にさせる終わり方をして、Webでドラマの結末が見られるパターン。このような事例としては、ライフカードのCM「カードの切り方が人生だ」、サッポロ冬物語「二人の冬物語」、富士通FMV「ウサタクの話」などがある。

2つめは、CMからブログへと展開して盛り上げるパターン。OCN「光のフォト対決」、ひかりONE「木梨×カエラ 絵本プロジェクト」など。3つめは、Webにさらなる楽しみを用意したパターン。たとえば、花王エッセンシャル「カワイイをつくる.com」、Roots「PLAY!飲スピレーション」などがある。

ひかりONE「木梨×カエラ 絵本プロジェクト」では、ホームページのアドレスを表示しているパターン

ひかりONE「木梨×カエラ 絵本プロジェクト」では、ホームページのアドレスを表示しているパターン

花王エッセンシャル「カワイイをつくる.com」のCM。サイトタイトルを表示するパターンを活用

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