オフィス潜入リポート「こんなオフィスで働きたい!」
第1回 スタートトゥデイ(前編)
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世の中ではファッションを中心としたショッピングサイト「ZOZOTOWN」でよく知られているだろうスタートトゥデイのオフィス。カジュアルウェアに身を包み、おしゃれな(ユニークな?)ヘアスタイルの若者が行き交うそこは「職場」というよりも、さながら大学のサークル室のように楽しげ。どこからともなく笑い声が聞こえてくる明るいオフィスに、おじゃましてきました。
●株式会社スタートトゥデイ
1998年5月設立。日本最大級のファッション通販サイト「ZOZOTOWN」(http://zozo.jp/)や、ヒト・コト・モノに特化した情報発信サイト「ZOZOPEOPLE」、全国のショップ検索が可能な「ZOZONAVI」、メッセージ配信サービス「ZOZOARIGATO」、携帯待ち受け画面などを配信する「ZOZOGALLERY」など、各種サービスを包括的に提供するファッション総合サイト「ZOZORESORT」を運営。2010年7月末時点での会員数232万人、2010年6月末時点でのZOZOTOWNの取り扱いブランド数は1214、掲載総アイテム数は常時6万点以上。
http://www.starttoday.jp/
エントランスをくぐると目に飛び込んでくる会社ロゴ。明るくてポジティブな社内の様子をものがたる
エントランスに並ぶ巨大なアートワークは、コンラッド・リーチが描いたニルバーナのカート・コバーンと、レディオヘッドのトム・ヨーク。社内のいたるところにディスプレイされているアート作品は、代表の前澤友作さんの趣味
「NOWAR」というメッセージがスタートトゥデイらしい。2007年12月に東証マザーズに上場した際に東京証券取引所のセレモニーで代表の前澤さんを含む取締役5名が鐘を鳴らす前にそれぞれTシャツにスプレーしたもの
エントランス正面に設けられた、ガラスの壁に囲まれたミーティングルーム。外からも見えるため、良い意味で創造力を刺激されるはず?
入社面接に使われたこともある道具のひとつであるダーツ。これが面接にどう使われたかはヒミツ
アーティスト村上隆と、ルイ・ヴィトンのデザイナーであるマーク・ジェイコブスとのコラボレーションによって生み出されたモノグラム。これもミーティングルームを彩るアイテムのひとつ
ミーティングルームを仕切る壁にはすべてガラス窓が。立ち上がったときに隣の部屋の顔ぶれがのぞける。風通しのいい社内を生み出すための仕掛けのひとつ。インテリアデザインは片山正通氏
会社の所在地幕張近辺に住むスタッフの多くは自転車通勤。幕張近辺に住むスタッフには「幕張手当」が支給されるとか
ミーティングルームにズラリとならんだポラロイド写真のアート作品。これもアート好きな前澤代表のコレクションのひとつ
ちゃぶ台を囲んでスタッフのみなさまがミーティング中。風通しのいい社内ならではの風景
かつて社長室として使用されていた見晴らしが良く、心地のいい空間
ずらりと並んだゴルフボールは、スタッフから社長へのバースデイプレゼント。ひとつひとつに手書きのメッセージが書かれている
ニューヨークのハードコアバンド、ゴリラビスケッツのサイン。「スタートトゥデイ」という社名は、彼らの楽曲名からもらったそうだ
今回お話を聞かせてくださった取締役創造開発本部長・山田潤さん
自分たちの好きなものを売る
──もともと音楽CDを取り扱う会社からスタートしたそうですね。
●自分たちの好きなバンドのCDを輸入して、カタログ通販を始めたのがこの会社のはじまりです。2000年にカタログからオンラインでの販売に移行したのですが、その際に音楽にも通ずるアイテムのひとつとして、当時流行っていた裏原宿のファッションブランドの商品を販売するようになりました。
──現在のようなファッション主体のECへと成長していった経緯を教えていただけますか。
●当時メインはあくまで音楽だったのですが、「自分たちがほしいもの」を基準に洋服も好きだったのでファッションも扱うようになり、取り扱うブランドが増えていったのです。2004年にオンライン上に設けていたセレクトショップが17店舗に増えた段階で、それらショップの枠を越えて買い物ができる街「ZOZOTOWN」を設けました。同じくそのタイミングでユナイテッドアローズさんが、テナント形式で出店してくださったのも転機のひとつとなっています。
──現在では、ZOZORESORTが大きな枠組みとして存在し、その中にZOZOTOWNをはじめとした各種サービスが存在しますね。
●情報発信サイト「ZOZOPEOPLE」、全国のショップ検索が可能なナビゲーションサイト「ZOZONAVI」、メッセージ配信サービス「ZOZOARIGATO」、携帯待ち受け画面などのダウンロードサービス「ZOZOGALLERY」などを展開しています。いずれもお客様にお買い物以外でも楽しんでいただければと思い、広がっていった形です。
──ZOZORESORT内のサービスは増え続けていますが、今後はどう発展していくのでしょうか。
●メインとなるのはやはりECです。いろいろと計画はあるのですが、儲けようというよりは、先ほどの話にも通じますが、お客様に楽しんでいただいて、アパレル業界をいい方向に引っぱっていきたいという気持ちのほうが強いんですよね。
(取材・文:立古和智 写真:原祥子)
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