第10回 Phase4 クライアントが納得する企画書に仕上げる4つのポイント - 思考するWebディレクション | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

第10回 Phase4 クライアントが納得する企画書に仕上げる4つのポイント - 思考するWebディレクション

2024.4.23 TUE

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Phase 4 クライアントが納得する
企画書に仕上げる4つのポイント

1 企画が生む副次的な
メリットで判断を促す

ここでは、クライアントを納得させて採用につなげる企画書に仕上げるための4つのポイントを紹介する。まず、企画にさらなる説得力を出すために使えるテクニックのひとつに、企画から派生する副次的なメリットを訴求することが挙げられる。どういうことか具体例を挙げてみよう。Phase 2で取り上げたコンテンツ「デスクトップツアーズ」の場合、この企画自体が"ほかにない新しいものを生み出す姿勢"という会社の経営方針を伝える手段のひとつとなる。さらに、いつでもユーザー目線のコンテンツづくりをするというコンセプトを伝えることも可能だ。
Phase 3で紹介した「YCC博物館」という企画は、横河工事のターゲットである高年齢者層にとっても使いやすい構造が実現でき、同時に会社の歴史を刻んでいこうとする姿勢も伝えられる。そして、イントラで集めた情報のアウトプット先として機能させ、情報更新を頻繁に行い、社内コミュニケーションの活性化を図るというポイントもクリアできる。このように、企画から派生する効果は"いいこと尽くし"であるということをどんどん伝えていこう。そうすることで、クライアントは企画採用に価値やメリットを感じ、判断を促すことができる。

2 企画書は機能を売らず
効果や影響を売る

企画書には、そのWebサイトやコンテンツが持つ技術的な機能や操作性の仕様をアピールのために盛り込もうとしたくなる。しかし、そうした機能やユーザーインターフェイス上の操作性といったものは手段でしかなく、その企画が目指す目的にはつながらないことが多い。企画書を書くうえで主眼に据えるべきは、その企画がだれにどのような良い効果をもたらすのかをきちんと伝えることである。前出の副次的な効果や影響といったメリットを材料に、企画のターゲットと目的を強く意識するとよいだろう。良い企画書に仕上げるうえで重要なことなので覚えておこう【1】。

3 企画をストーリー化する

企画のストーリー化とは、意味どおり企画書の流れを物語にしていくことだ。物語は"物を語る"と書くとおり、だれかに語りかけるものである。語りかける相手が存在する以上、聞き手の興味を引き、ワクワクさせるような演出や仕掛けが必要になってくる。これはプレゼンテーションのテクニックとしても有効だ。企画をストーリー化することで企画書に流れを持たせてわかりやすくする。また、第三者の目線でクライアントが抱える課題とユーザーの状況を上手につないでみよう。制作側に目線が偏らない企画書にできるだろう【2】。

4 細分化することで
身近になり伝わりやすくなる

ターゲットの細分化とコンバージョンポイントの細分化も重要だ。前述したが、Webサイトの企画はどうしても大きなくくりで説明されてしまうことが多い。しかし、より実現性の高い企画に落とし込むためには細分化が必要になる。"Webサイトのアクセスアップをさせることで反応が増える"という企画説明よりも"Webサイトにアクセスする新規ユーザーを増やすことでメールでの問い合わせが増える"という企画説明のほうが、新規顧客を増やすためのコンバージョンポイントも明確で、そこに予算や時間をかけやすい【3】。

企画立案はWebディレクターの
重要な仕事

ここまで、アイデアから企画を構築し、それをさらに伝わりやすくする方法についていくつか解説した。これがWebサイト制作案件のワークフローにおける前半の要であるヒアリングから受注までの、Webディレクターに課せられた大きなミッションである。もともとWebプロデューサーの役目だったが、最近は小規模なWebサイト案件も多く、ディレクターに求められる標準的なスキルになっているのも事実だ。制作に偏ることなく、企画面からプロデュースできるように意識して、Webディレクションに取り組んでいってもらいたい。

【1】機能説明だけでは伝わりにくい特徴も、効果や影響を付加することでメリットを訴求しやすくなる

【1】機能説明だけでは伝わりにくい特徴も、効果や影響を付加することでメリットを訴求しやすくなる

【2】企画概要をストーリー化することで、聞き手の興味を惹きワクワクさせる

【2】企画概要をストーリー化することで、聞き手の興味を惹きワクワクさせる

【3】Webサイトの企画は大きなくくりで説明されてしまうことが多いが、実現性の高い企画に落とし込むためには、細分化が必要になる

【3】Webサイトの企画は大きなくくりで説明されてしまうことが多いが、実現性の高い企画に落とし込むためには、細分化が必要になる

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