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第3回 SEOに関するよくある10の質問にお答えします(前編)

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知ってるつもりで意外と知らないSEO最新のキホン

第3回 SEOに関するよくある10の質問にお答えします(前編)

2014年10月15日
TEXT:植木理一(ヴォラーレ株式会社)


こんにちは、ヴォラーレ株式会社の植木です。SEOを強みとしたWebマーケティングのコンサルティングを担当し、ふだんからさまざまなWebサイトの反復的な改善に取り組んでいます。よろしくお願いします。


今回は、SEOのよくある質問についてお答えします

前回の記事では、SEOのキホンとなる考え方をお伝えしました。とはいえ、まだみなさんの頭の中には「SEOのこんなところは、実際どうなっているんだろう?」と疑問に思うことがたくさんあるかと思います。そこで今回は、SEOに関してよく質問される事項について、一問一答形式でご紹介します。より理解を深めていただければ幸いです。質問として挙げたのは、以下の5つです。

Q1. 検索エンジンはGoogleだけなのか?
Q2. SEOに配慮したWebサイト制作は、具体的にどんなメリットがあるのか?
Q3. SEOを考えるうえで検索キーワードはどうやって決めればよいか?
Q4. SEOの運用は具体的にどのようなことをやればよいか?
Q5. 過去に有料リンクを購入していた場合はどう対処すればよいか?

それでは、さっそくいってみましょう!


Q1. 検索エンジンはGoogleだけなのか?
A1. はい、そう考えてよいです

多くのWebサイトでは、無料検索エンジンからの流入はYahoo! JAPANとGoogleが大部分を占めており、2サービスを合計すると全体の96~98%前後。Yahoo! JAPANは2010年よりGoogleの検索エンジンを使っているので、実質的にGoogleと同様です。また、そのほかの検索エンジンが残りの2~4%程度を占めていますが、NTTドコモのdメニューやBIGLOBEなどGoogleの検索エンジンを使っているケースが多いので、「検索エンジンはGoogleのみ」といって差し支えないでしょう。

なお、Googleの検索エンジンを利用していないサービスはBingやIndeedなどが挙げられますが、Googleと比較するとインパクトはそれほど大きくありません。


Q2. SEOに配慮したWebサイト制作は、具体的にどんなメリットがあるのか?
A2. より多くのキーワードで検索エンジンから評価されるようになり、無料検索からのトラフィックが増えます

SEOに配慮してWebサイトを制作していくことは、端的にいえば前回の記事で紹介したSEOの3つの基本――すなわち「キーワード」「コンテンツ」「リンク」に配慮してWebサイトを制作していくことです。

前述の3点のうち、「キーワード」をまったく考慮せずにWebサイトを制作している場合の具体例を挙げてみましょう。たとえば、コラム記事などを毎日更新するようなあるメディアサイトがあったとします。担当ライターがあるとき「もうすぐハロウィンだから、ハロウィンパーティで仮装する人に向けて、コスプレイヤーがおすすめのコスプレを紹介する記事を書こう」と考え、実際に執筆しました。記事のタイトルはこちらです。

“【もうすぐハロウィン!】レイヤーが選ぶ、人気者になるための仮装9選!”

一見するとなにも問題ないタイトルのようですが、「検索キーワードが含まれているか」という角度から考えると、問題点がみえてきます。

問題点とはずばり、関連する検索ボリュームの大きいキーワード(たとえば「コスプレ」)が含まれていないことです。そのため、「ハロウィン コスプレ」や「コスプレ おすすめ」といった実際に検索されそうなキーワードでは検索結果画面の上位に表示されにくい状態となっているのです。せっかくハロウィンとコスプレをテーマに執筆したのに、これでは検索流入が期待できません。

では、SEOに配慮して改善するとどのようになるのでしょうか。やはり、検索ボリュームの大きい「コスプレ」「コスチューム」「おすすめ」「人気」を含ませるとよいでしょう。たとえば、このようなタイトルです。

“【おすすめコスプレ9選!】ハロウィンで人気のコスチュームをレイヤーが厳選!”

このタイトルであれば、「ハロウィン コスプレ おすすめ」や「コスチューム おすすめ」といったキーワードでも検索流入が獲得しやすくなります。

今回の「ハロウィン」といったような競合性の高いテーマの場合、このような工夫を凝らしてもすぐ上位に表示されるとは限りません。しかし、このような考え方でタイトルづけを行っていけば、長期的な視点で考えると検索流入数は大きく異なってくるでしょう。

キーワードを考慮しないということは、「ユーザーはどのようなキーワードで検索するのだろう」という検討を行わないことと一緒。本来であれば訪問していたはずのユーザーをみすみす逃してしまい、結果的にWebサイト全体のトラフィックの伸びを鈍化させてしまうのです。


Q3. SEOを考えるうえで検索キーワードはどうやって決めればよいか?
A3. まずデータを確認して全体感をつかんだうえで、人が頭を使って考えつつ、取捨選択して決めます

機械的にキーワードを見つけることは、実際のところ限界があります。そのため、キーワードプランナーを用いるなどして手動でデータを集めたうえで、競合サイトのキーワード設定を参考にしつつ、最終的には自分の頭で考えて対象となるキーワードを決めます。

たとえばQ2の例では、ユーザーがより多く検索することがデータ上でわかっているキーワードを含めることが、キーワード選定の決め手になりました。しかし同時に、メディアサイトの記事として魅力的な文章であることも求められます。

つまり、検索エンジンのことだけを考えたタイトルでは「ユーザーにとって魅力的な記事を配信する」というWebサイト全体の方針は実現できないのです。よって魅力的なタイトルづけと検索ニーズとを天秤にかける必要があり、Q2の例では「仮装」という一定の検索ニーズのありそうなキーワードを削っています。
※ここで問題にしているのはあくまで考え方であり、「仮装」を削ったことはその一例です

このような考え方は、ほかのWebサイトも同様です。求人転職サイトの例を挙げると、職種としての「SE」をキーワードとしてどのように表現するのかにも検討が必要です。具体的には

・「システムエンジニア」「SE」どちらで記載するのか
・単に「エンジニア」というだけの検索ニーズにはどのように対応するのか
・「プログラマ」といった記載は必要なのか
・片仮名表記の「エスイー」は除いてよいのか

といった具合に、同じ職種であっても検索キーワードとしてはさまざまな表現が考えられます。

次に、クラウドソーシングのWebサイトを例に挙げてみましょう。クラウドソーシングのWebサイトの場合は

・重視すべきキーワードを「外注」にするのか、それとも「依頼」にするのか
・はたまた「アウトソーシング」にするのか、「発注」なのか
・掛け合わせの場合は「デザイン 外注」なのか「デザイナー 外注」なのか

など、基本的にはそれぞれ個別に検討していくことが望まれます。これらの対応としては、キーワードプランナーなどのツールを使って類似・関連のキーワードを幅広く集めつつ、

・どのページのどのキーワードを入れるのか
・両立するキーワードはなにか
・両立しないとしてほかのWebページにいれることはできないか

といったことを考慮していきます。さらに

・競合サイトはどのように処理しているのか
・その結果どのような順位状況にあるのか

といった点に着目して参考となるWebサイトの状況を把握しつつ、見習うことのできる点がないかどうか検討していきます。

A3の「まずデータを確認して全体感をつかんだうえで、人が頭を使って考えつつ、取捨選択して決めます」というのは、大筋としてこのようなプロセスを踏むことが必要ということなのです。


Q4. SEOの運用は具体的にどのようなことをやればよいか?
A4. Webサイトにより大きく異なります

一例としてはコンテンツの追加とそのカテゴライズを継続的に行い、検索流入を伸ばすと同時に自然リンクの獲得を目標とします。

具体的には、さまざまな情報を集めてユーザーの求めるコンテンツを洗い出し、SEOの要件を満たした形で詳細案をつくります。そのうえで、それらのコンテンツが自然リンクを獲得するためにどうするべきなのかを考え、ひとつひとつ落とし込んでいくのです。

また同時に、それらのコンテンツをユーザーにとって有益な範囲でまとめた一覧ページをつくります。これまでになかったキーワードでの検索流入が見込めるようになるからです。

別の例も挙げてみましょう。たとえば規模が非常に大きく、これまで多くの自然リンクを獲得してきたWebサイトであっても、過去数年間にスパム的な順位操作を行い、有料リンクが被リンク中に多数存在している場合があります。有料リンクは、Googleがガイドラインで禁じているリンクです。弊社サイトに詳しい説明がありますので参考までに。

参考ページ:低品質・不自然な外部リンクがもたらすリスクについて
http://www.seohacks.net/basic/knowledge/unnaturallink_risk/

この場合、有料リンクが検索順位の下落を招いていることが十分に考えられるので、定期的に被リンク状況を確認して、不自然なリンクに対してはGoogleウェブマスターツールにあるリンクの否認ツールを使って対処していきます。詳細は次のQ5. で詳しく説明します。


Q5. 過去に有料リンクを購入していた場合はどう対処すればよいか?
A5. リンクの削除を行うことが望まれます。削除できない場合はリンクの否認ツールを使いましょう

検索順位の操作を目的として、自作自演のリンクを有料で買い集めていた場合、そのWebサイトは検索エンジンから適切に評価されなくなってしまいます。これは、手動対策(いわゆるペナルティ)を適用されて検索順位が大きく下落するケースも多いですが、手動対策されていないにも関わらず順位が上がらないこともあります。

もう少し踏み込んで説明しましょう。手動対策が適用された場合、基本的には該当WebサイトのGoogleウェブマスターツールに手動対策が適用された旨が通知され、Webサイト運営者が状況を把握できるようになります。「急に順位が落ちておかしいぞ」と思っていたら、数日後に手動対策が適用された旨が通知され「そういうことか」と状況を把握するという話もよく耳にします。

しかし、Googleウェブマスターツールで通知されていないにも関わらず、検索エンジンからの評価が低くなっている場合があります。たとえば、「手動対策を受けるほど重篤ではないものの、不自然なリンク自体は少なくない割合で存在している場合」などです。

このような場合、すぐには原因を特定できません。そこで、ひとつの可能性として「被リンクが悪いのではないか」と疑い、状況を確認する必要があります。

被リンク状況の確認方法は、いくつかあります。代表的なのは、Googleウェブマスターツールの左カラムにある「検索トラフィック→サイトへのリンク」からダウンロードする方法です。


Googleウェブマスターツールからダウンロードできる

リンクのアンカーテキスト(リンクの文章)が特定のキーワードをあからさまに意識していて、順位を操作する意図のうかがえるリンクが見つかるかもしれません。それらのリンクは検索エンジンからの評価を下げる原因となっているので、削除がもっとも望ましい対応になります。ただし、自社が管理していないWebサイトからのリンクの場合そうはいきません。その場合はリンク元のWebサイト管理者に向けて削除を依頼する必要がありますが、すでに廃業していたり、そもそも対応してくれないといったケースもあります。

そこで活用したいのが、前述のリンクの否認ツール。これは、検索エンジンに「このリンクはうちのWebサイトの評価対象としないでください」と依頼できるツールです。つまり、リンクが削除されていない状態でも、検索順位下落の原因を取り除くことができるのです。実際、多数の不自然なリンクに対して継続的にリンクの否認を行うことで、順位が回復する事例は見られます。

ただし、このツールに登録したからといって、そのすべてのリンクが評価対象外となり削除の必要がなくなるわけではありません。基本的には「お願いする」という性質に留まるものだからです。抜本的な解決策はやはり「不自然なリンクを削除すること」です。

なお、リンク否認ツールの詳細については、弊社サイトにも記事を置いていますのでご参照ください。

参考ページ:リンク否認ツールの使い方・注意点・使用事例などまとめ
http://www.seohacks.net/blog/penalty/disavow_matome/

以上、SEOに関する5つのよくある質問でした。最後に補足しますと、これらはあくまで一般的な回答です。個別具体の検討によって、一般的な答えとは異なる結論が正しい場合もありますので、その点のみご留意いただければと思います。

次回は後編として、さらに5つの質問を取り上げます。引き続きよろしくお願いします。




ヴォラーレ株式会社

【著者プロフィール】
ヴォラーレ株式会社
ヴォラーレでは、旧来型の「リンクを使ったSEO」ではなく、技術/マーケティングの両側面からWebサイトを改善していくための本質的なSEOコンサルティングを中心としたWebコンサルティング事業を行っています。

Webコンサルティング、そのなかでもSEOを遂行すべく、WebディレクションやWebデザインに携わる方々に、最新のSEOに関する基本的な考え方・取り組み方をセミナーやメディア寄稿を通して伝える啓蒙活動も行っております。

●ヴォラーレ株式会社:http://www.seohacks.net/

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