デザインを考える前に、発想を変える。「人」の行動パターンから描くクリエイティブディレクターの視点はブラウザやコンテンツサイズを超えた発想法でもある。デザインの対象は画像でもコンテンツでもなく、「人」への影響力という原点に立ち返った手法で、目的を明確化させて、ブレない「世界観」をデザインしてみよう。
求められているものは世界観(1) |
“デザイン”から“世界観”へ
魅力あるデザイン、影響力のあるデザインを世の中に排出したいと思うのであれば、その裏に“新しい価値”を生み出せるだけのシナリオをもたせるとデザインにも深みが出る。
もし、デザイナーがパーツ的なデザインルールの寄せ集めで満足し、デザインに戦略的な根拠やシナリオも描かずに、あとで何が成功して何が失敗したのか問わないのであれば、それは教科書どおりきれいにできただけのサイトである。「よくできました」よりも「すばらしい世界観」を目指すべきなのである。
論理的なプロモーション計画の上での“デザイン”となれば、それは社内だけでなくクライアントにとっても魅力的なチャレンジになる。
Webデザインはアクセスの流入数や直帰率、滞在時間や効果測定などによりそのシナリオの正確性を、まるで風洞実験をするレーシングカーのごとく、チューンナップしていけばよいし、データを数値化できるというWebならではのデザインスキルアップ術を駆使すればその世界観の魅力の精度も上げていけるはずである。これを楽しむこともWebデザインの醍醐味といえる。
クリエイティブディレクターの視点でデザインをするということは“デザイン”を“世界観”に変えられるというというメリットがあるのだ[1][2]。
[1] クリエイティブディレクターの視点で「すばらしい世界観」を構築したい
[2] 既存の課題を解決することで、世界観の向上を図ることも
人の新しい行動パターンをクリエイティブする(1)──「人」とデザインとの接し方を分析する
人の新しい行動パターンをクリエイティブする(2)──仕様書ともいうべきシナリオつくり
デザイナーにも求められるインタビュー能力(1)──レイアウトデザインの制作は目的ではない
デザイナーにも求められるインタビュー能力(2)──デザインの目的を明確にする仕掛けと変化
ペルソナを主人公にストーリーを描く(1)──ミニストーリーをたくさんつくること
ペルソナを主人公にストーリーを描く(2)──歩かせ方も工夫する
求められているものは世界観(1)──“デザイン”から“世界観”へ
求められているものは世界観(2)──インタラクティブ=シナリオ×デザイン×技術