出張や旅行はこれひとつでOK、ケーブルも巻き取れるコンセント3基+USB3基のモバイルタップ
~スリー・アールシステム「SmaCube TAP3」レビュー
TEXT:山口真弘(ITライター)
出張や旅行などでホテルに宿泊し、スマホなどのデバイスを充電しようとしたところ、USBのポート数が足りない、ということがよくあります。
複数ポートを持つUSB充電アダプタを持参していれば、ポート数自体は足りるわけですが、ホテルによってはコンセントの数自体がそもそも少なく、USB充電アダプタを常時挿したままだと、ほかの家電製品が使えなくなることもしばしばです。部屋の備品、例えばポットやドライヤーなどを使う時に、それまでつながっていたコンセントを抜いて使った経験のある人も多いのではないでしょうか。
こうした場合に役立つ、コンセントとUSBポートの両方をバランスよく兼ね備えたモバイル電源タップが、今回紹介するスリー・アールシステムの「SmaCube TAP3」です。
コンセントは、ボディの外周に沿って巻きつける構造になっています。ケーブルは25cm弱の長さがあるので、コンセントの周囲に障害物があっても問題なく挿すことができます。容量は最大1400Wまで対応しているので、ホテルによくある1000Wオーバーの家電製品、例えばドライヤーや電気ポットなども利用できます。
USBポートは、スマホやタブレット、デジカメ、Wi-Fiルータなど、さまざまな機器を充電できます。Quick Chargeなどの急速充電には非対応ですが、ホテルで利用する場合、翌朝までに充電が完了できれば問題ないケースが多いはずで、そこまでこだわらなくてもよいでしょう。どうしても急速充電を使いたければ、コンセント側に、急速充電対応の充電アダプタを挿して使う方法もあります。
本体の質感もしっかりとしており、また価格も1,880円とリーズナブルですので、導入しやすいのも嬉しいポイントです。今回は旅行や出張用途を中心に紹介していますが、むしろ自宅の枕元に導入するのも、便利な使い方でしょう。
というのも、該当機器のUSB Type-Cポートは、急速充電規格のUSB PD(USB Power Delivery)に対応しないからです。それならばわざわざ両端がType-Cの、いわゆる「C-C」ケーブルを使う必要はあまりなく、一方が従来のType-Aの、いわゆる「A-C」ケーブルを使ったほうが合理的です。出先のホテルではあまり多くの種類のケーブルを持ち込むわけにいかないので、なおさらです。
また、3つのUSBポートのひとつをType-AからType-Cに置き換えているならまだしも、USB Type-Cを1ポート増やすためにUSB Type-Aを2ポートも減らしているのもマイナスです。今後USB Type-Cが普及すればまた話も違ってくるでしょうが、現状では今回紹介したUSB Type-A×3ポートの製品のほうが汎用性が高く、ホテルでも家庭でも重宝するはずです。
山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn
2019.04.16 Tue