話題のダイソー製、MFi認証取得済のLightningケーブルを購入してみた~大創産業「AV12110」レビュー
TEXT:山口真弘(ITライター)
ダイソーから、MFi認証を取得したLightningケーブルが発売になりました。価格は500円と、さすがに100円ではありませんが、それでも他のサードパーティ製のMFi認証済Lightningケーブルに比べると格安で、iPhone/iPadのユーザにとっては見逃せない一品です。
百均こと100円均一ショップが独自ブランドでMFi認証取得済みのケーブルを発売したのは、おそらくこれが国内初と思われます。筆者も早速1本入手しましたが、Appleの純正品とはどう違うのでしょうか。そもそも、MFi認証とは何なのでしょうか。
「Made for iPhone/iPad/iPod」の認証ロゴがパッケージに表示されています
さすがに100円ではないもののMFi取得済みケーブルとしては格安です
この認証チップが存在しなかったり、あるいは不正な内容だった場合、機器の故障や発火などの事故を未然に防止するために、iOS側で利用できなくすることが可能です。仮にiOSの特定バージョンでのみ動作する海賊版の認証チップを作ることに成功しても、iOSのバージョンアップでそこを流れる信号が書き換わり、対応できない互換品を締め出せる仕組みになっています。
正規のライセンスを取得していないサードパーティー製の互換ケーブルのパッケージには「iOSのバージョン〇〇で動作確認済み」といった断り書きが決まってみられますが、これはつまり、それ以降のバージョンでは互換性がないことを意味します。多くの場合、その代わりに価格の安さを売りにしていますが、いつ使えなくなってもおかしくないわけです。
その点、MFi認証をきちんと取得したケーブルであれば、iOSのバージョンや機種の組み合わせを気にせず、将来にわたって安心して利用できます。つまりApple製ではないものの、Apple製と同等の振る舞いをすることが保証されたケーブルであり、さらに今回のダイソーのケーブルの場合、500円という破格のプライスであることから、なおオトクというわけです。
コネクタ部分のアップ。純正品とは異なるシルバーで、DAISOのロゴが入っています
ケーブル長は純正品と同じ1mですので、置き換えて使う用途にも適します
特に径がやや太めのケーブルは、取り回しにくいと感じる人もいるでしょうし、逆に耐久性があってこちらのほうが好ましいと感じる人もいるでしょう。このあたりは評価が分かれるポイントと言えます。
Apple純正Lightningケーブル(左)との比較。コネクタを覆うカバーはやや大きめ
同じくAコネクタ側の比較。こちらもコネクタを覆うカバーがやや大きめです
ケーブル径の比較。本製品(右)のほうが純正品(左)よりやや太く硬めです。ただしこれは本製品に限ったことではなく、MFi取得済みの互換ケーブルの多くに共通する特徴です
本製品は、さすがに100円ではありませんが、充電以外にデータ通信にも対応するほか、何よりもMFiならではの信頼性があることが最大の相違点です。iOSがバージョンアップするたびに「使えなくなるのでは」などと心配する必要なく、長期にわたって利用できるというわけです。
端子の比較。充電専用ということで先端のピンの一部が省かれています
形状こそLightningながら裏面はピンがなく、リバーシブルではありません
これらはあくまで「ライトニング端子 iPhone・iPad用充電ケーブル」であり、Lightningケーブルではないのがミソです。またデータ通信機能はなく充電専用です
いずれにせよ、百均でこのクオリティのケーブルを入手できるようになったのは、ユーザにとっても喜ばしいことです。買い替えはもちろん買い増しの用途にも、十分におすすめできる製品と言っていいでしょう。

山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn