9月中にゲットしたい? 消費税10%に対応した「軽減税率対応電卓」がいまアツい!
TEXT:山口真弘(ITライター)
10月1日の消費税増税にともなって、見直しが必要になるアイテムが「電卓」です。一部の電卓に付属している税率計算機能は、8%のまま使うことはできませんので、10%へと変更する必要が生じます。
今回の税率変更がこれまでと異なるのは、単純に税率が上がるだけではなく、軽減税率の導入によって8%のまま据え置かれる商品もあることです。つまり2種類の税率を計算する必要が生じ、それに対応した電卓を用意しなくてはならなくなります。
今回はカシオ「JF-200RC」とシャープ「EL-SA72X」という、両社の最新の軽減税率対応電卓2製品を紹介しつつ、重要と思われる3つの選び方のポイントをまとめてみました。
年明けの確定申告はその典型例です。今回の税率変更は年半ばに行われるため、次の確定申告では、2019年の1~9月に発生した消費税は8%、10月以降は10%という、2種類の税率で計算しなくてはいけません。これらの検算を、専用キーのない1台の電卓で済ませるのは、さすがに非効率です。
もちろん、電卓を2台用意し、それぞれに8%・10%という税率を設定して使い分ける方法もありますが、どちらが8%でどちらが10%だったか、うっかり間違える可能性も高い上、合計額の計算はかえって面倒になります。合計を出すために3台目の電卓がいるかも? と、必要な電卓の数がどんどん増えていきかねません。
それを考えると、2つの税率が計算できる軽減税率対応の電卓が1台あったほうが、作業を効率化でき、また計算を間違える心配も少なくなります。まずはこの「2つの税率キー」を搭載していることが、新たに電卓を選ぶに当たっての、ひとつめのポイントと言えます。
今回紹介している両社の製品は共に、税込価格の表示後にもういちどキー押すと税単体の金額が、「税抜」キーを押すと本体価格がそれぞれ表示されますので、入力回数を減らして作業を効率化できます。またカシオ製品は、異なる税率を含む金額合計でもこの「税込価格」「税抜価格」「税額」を切り替えられる専用キーも備えます。
なお2023年に導入される適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度)では、「税込価格」「税抜価格」「税額」を、別々に請求書に記載する必要があります。区分がよくわからないまま総額だけを記載してその後ゴニョゴニョするのはNGになるわけです。これらのキーは、そんなインボイス制度の導入後にも重宝します。
もっとも現行の電卓のほとんどは、税率変更機能を搭載しており、今回紹介する2製品も例外ではないのですが、シャープの製品は、8%と10%の税率に加えてもうひとつ、任意の税率を割り当てられるキーを備えています。つまり「8%」「10%」「任意」という3つのキーを併用できるわけです。
これならば、もし将来的に税率が3パターンに増えるという悪夢のような状況になっても対応できるほか、例えばサービス料などを登録し、一発で計算することも可能です。ただし「8%」「10%」のキーは税率が固定で、これらの税率がいずれなくなると、キーの使い道がなくなります。
一方のカシオの製品は、キーのラベルが「税込1」「税込2」と、もともと具体的な税率が表示されておらず、デフォルトの税率(8%と10%)を上書きできるため、将来もキーが無駄になることはなさそうです。ただしキーに具体的な税率が表示されておらず、税率の確認にはキーを押さなくてはいけません。
このあたり、シャープ製品の見た目のわかりやすさを選ぶのか、それともカシオ製品の汎用性の高さを選ぶのか、ユーザの好みは分かれそうです。
山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn
2019.09.10 Tue