これでタスクの処理を忘れない、腕に装着していつでもメモを取れるアームバンド~コスモテック「wemo」レビュー
TEXT:山口真弘(ITライター)
忘れてはいけないことを書き留めるときに、メモ帳を使わず、手のひらや手の甲に油性ボールペンで書く人がいます。仕事中に決して忘れないようにという工夫のひとつで、社会人はもちろん、学生の頃から習慣にしている人もいるようです。
この方法は確かに効果はありますが、手を洗ったり、強い摩擦を加えるなどしてうっかり消してしまう危険もあるほか、日をまたいでメモを残すのも困難です。そもそも手のひらや手の甲では記入スペースも限られていますし、びっしり書き込むと、それを目にした人を驚かせかねません。
とはいえ、いつでも目に入る位置にメモを残すことで、タスクを忘れず処理できる利点は捨てがたい。そんな人に使ってほしいのが、今回紹介する「wemo」です。腕に巻くバンドタイプやノートPCに貼るパッドタイプ、またスマホの背面に書き込めるケースタイプなど複数の種類がありますが、今回はバンドタイプを紹介します。
今回紹介するバンドタイプはゴムとプラスチックの中間のような手触りで、伸ばすと断面がわずかにカールしてピンと伸びた状態が維持され、縦方向に曲げると腕にくるんと巻きつくようにして装着できます。あとは油性ボールペンを使って好きなときにメモを取り、不要になれば消せばいいというわけです。
また、油性ボールペンではなく油性マーカーなどで書き込んだ場合でも、消しゴムを使って強くこすれば消すことができるほか、なかなか消えない場合も24時間以内にアルコールで拭き取れば消すことができます。インクが乗らない水性ボールペンや、鉛筆、シャープペンシルでは使えないという特徴も含めて、肌に直接書くのとかなり近い傾向を持った製品です。
本製品の利点は、着脱が可能な特徴を活かし、業務終了時に外し、また翌日の業務開始時に装着することで、メモを翌日に持ち越せることです。メモを直接肌に書いた場合と比べての、大きなメリットといえます。お昼休みなど会社の外に出る時も外していけるので、メモの跡を見られて恥ずかしい思いをすることもないでしょう。
メーカーサイトを見ると、衛生上の理由で手をこまめに洗う医療従事者や食品を扱う業務の人、またADHD患者の人の利用を想定しているようで、実際に使ってみるとたしかにナルホドと納得させられる出来です。デジタルのツールの利用が職場で認められていないビジネスパーソンにとっても、紙のメモや付箋と違って紛失の危険がない本製品は、注目の一品と言えるのではないでしょうか。
なお本製品の表面にはドットパターンが印刷されており、それに沿って文字を書けるほか、日付なども記入しておけるのですが、カラーバリエーションごとにドットだったり罫線だったりと、印刷されるパターンが異なります。少々紛らわしい仕様で、知らずに買って困惑しているユーザも少なくないようですので、製品を選ぶ際には予め確認することをおすすめします。
山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn
2019.10.29 Tue