コワーキングスペースや図書館での作業に最適、スタンド内蔵で自立するPCバックパック~コクヨ「Third Field Stand Backpack」レビュー
TEXT:山口真弘(ITライター)
バッグを持ってコワーキングスペースや図書館に移動し、そこで作業を行う場合、荷物の出し入れはなにかと面倒なものです。
というのも、ノートPCとACアダプターのようにすぐ使うアイテムは別として、使うか使わないか分からないアイテムは、そのたびにバッグから取り出したり中に戻したりする羽目になるからです。何かが必要になるたびバッグを膝の上に乗せ、奥まで手を突っ込んでゴソゴソと探すのは、かなり面倒だったりします。
そもそもノートPC用のバッグのほとんどは、壁などに立てかけないと横倒しになってしまいます。とくにバックパック型は、フロアに置いたときに自立しにくく、中に入れたモノの探しづらさは、通常のバッグの比ではありません。
こうした使い勝手にフォーカスした、薄型PCバックパックの進化形といえるのが、今回紹介するコクヨの「Third Field Stand Backpack」です。メーカーから借用して実際に使ってみましたので、その特徴を紹介します。
この構造ゆえ、デスクの脇に立てておけば、ノートPCや書類などを、座った状態で上から簡単に取り出せます。これならば、中身を取り出すにあたって、いちいちバッグを持ち上げ、デスク上や膝の上に乗せなくても済むというわけです。
ノートPCを収納するポケット部には耐衝撃構造が施されていますので、保護ケースなしでノートPCをそのまま放り込めます。ちなみに今回紹介している13.3型対応モデルのほかに15.6型対応の大型版もラインナップされていますので、ほぼすべてのノートPCやタブレットを収納できます。
通常こうした小物類は、本体下部に設けられたポケットに入れるのが一般的ですが、本製品は敢えてこれらを上部に配置することで、チェアに座った状態でも手が届くよう工夫されています。開口部は広く、かつ布地も明るいグレーですので、小物類がバッグの奥深くに入り込んで、黒い布地にまぎれて迷子になることもありません。
またその小物収納スペースには、ファスナーで区切られたメッシュポケットがあり、こちらは本体の外側からもアクセスできます。PCと同時に使うACアダプタなどはメインのスペース、単体で使う財布や文具類はメッシュポケットといった具合に、使い分けると便利です。
あまり見かけない構造ですが、こちらにはテレワークに関係ないモノをまとめて収納するといった具合に、用途をあらかじめ分けておけば、合理的な使い方が可能になります。また側面の反対側には、ペットボトルや折りたたみ傘を収納できます。外部にポケットのあるバッグと違い、完全に内部に収納できるのがミソです。
このほかにも、背面に隠しポケットがあったり、キャリーバッグのハンドルに通すためのベルトが準備されていたりと、細かな工夫にあふれています。また本体上部の取っ手をまとめるベルトが取り付けられているのも、見た目が乱雑にならないようにするのはもちろん、盗難防止にも有効です。
もっとも通常のPCバッグでこれをしようとすると、小物類を使う時に毎回バッグを持ち上げて取り出すのがストレスで、やはり荷物はいったんすべて取り出してしまおう……となりがちです。しかしフロアに置いたままアクセス可能な本製品であれば、そうした問題はありません。むしろ整理整頓につながるほどです。
一般的にスリムタイプのバッグは、その薄さばかりが重視され、機能面で物足りなさを感じることも少なくありませんが、本製品は機能豊富で、使い勝手もよく工夫されています。新製品ということもあってか、実売価格はさすがにそこそこしますが、バッグはいったん買うと長く利用する製品でもあり、投資する価値はある製品と言えそうです。
実売価格:18,150円
発売元:コクヨ
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/B08SBS4M7D/
山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn
2021.02.22 Mon