今回は書籍『珍奇植物 ビザールプランツと生きる/藤原連太郎、shabomaniac!』の使用フォントをご紹介。本記事はデザイン構成において重要な「フォント」の選定プロセスや加工方法を、貴重なプロの実例から紐解いてデザイン制作に役立てる連載です。
優美な明朝体を大胆に配置しインパクトを
姿形に特徴があり生態も個性的な「珍奇植物」にスポットを当て、その特性や自生地、育て方などを詳細に解説した書籍。これまであまり取り上げられることのなかった南北アメリカやオセアニアのレアな植物も多数掲載されている。表紙カバーでは、男っぽい黒ベースの背景の上に自然の神秘を感じさせる写真や大胆に加工したタイトル文字などを配置して、風変わりな植物たちを読者に力強く印象付ける工夫がされている。
Font.01「マティス M」
優美な明朝体を加工しビザールっぽさを
メインタイトルの文字は、柔らかく優美な曲線が印象的な明朝体「マティス M」(フォントワークス)がベース。あえてオーソドックスな明朝体に平体をかけるなどして上からつぶしたように加工し、ビザールっぽい印象に。
Font.02「リュウミン M-KL」
均整のとれた明朝体でタイトル周りをスッキリと
「ビザールプランツと生きる」部分の文字は均整のとれたクセのない明朝体「リュウミン M-KL」(モリサワ)。メインタイトルがより際立つように、サブタイトルにはオーソドックスな書体が無加工で使用されている。
Font.03「リュウミン R-KL」
タイトルより細めの書体でメリハリをつける
メインタイトルの「珍奇」と「植物」の間に挟まれるように配置されたキャッチコピー部分の文字は、オーソドックスな明朝体「リュウミン R-KL」(モリサワ)。メインタイトルやサブタイトルよりも級数を下げて、細いウェイトを選ぶことでメリハリをつけるのが狙い。
2019.09.05 Thu2021.09.03 Fri