今回は映画『ゾンビランド:ダブルタップ』のポスターの使用フォントをご紹介。本記事はデザイン構成において重要な「フォント」の選定プロセスや加工方法を、貴重なプロの実例から紐解いてデザイン制作に役立てる連載です。
映画のイメージに合わせネオンサイン風に加工
爆発的なウィルス感染によってゾンビで埋め尽くされた地球を舞台に、生存者の青年が仲間とともに明るく生き抜く様を描いて大ヒットしたホラーコメディ映画『ゾンビランド』の、続編の日本版ポスター(11月22日より全国ロードショー公開)。本国版ポスターのイメージを踏襲して制作された。ゾンビをモチーフとしながらも悲壮感がなくコミカルな笑いを誘う作品世界が、立体的なネオンサイン風のタイトルロゴなどで表現されている。
Font.01「ヒラギノ角ゴ W8」
力強い骨格を持つ極太のゴシック体を加工
メインタイトルの文字は、本国版ロゴのイメージに合わせ、モダンさとオーソドックスさを兼ね備えたゴシック体「ヒラギノ角ゴ W8」(SCREENグラフィックソリューションズ)を加工して制作された。サブタイトルの「ダブルタップ」は作中に登場する“生き残るためのルール”のひとつで「二度撃ち」を意味しているが、ロゴではそれがふたつの銃痕で印象的に演出されている。
Font.02「ゴシックMB101 H」
可読性の高いゴシック体で読み手の注目を引きつける
タイトル上に添えられたコピー「『ヴェノム』監督×『デッドプール』脚本」部分の文字は、可読性に優れた太めのゴシック体「ゴシックMB101 H」(モリサワ)がベースに。前作を知っている人にも知らない人にもフックとなるよう、ロゴに合わせた湾曲加工や、作品の世界観を表現するためのかすれたようなダメージ加工が施されている。
Font.03「ゴシックMB101 H」
力強い骨格の文字でしっかりとした訴求力を
キャッチコピー部分は、タイトル上のコピーと同様に「ゴシックMB101 H」(モリサワ)が選択された。力強い骨格を持ち、可読性の高いゴシック体を使用することで、読み手の目を引きつけ、しっかりと訴求するのが狙い。
2019.11.21 Thu2021.09.03 Fri