気になるフォント、知りたいフォント。 書籍『透明人間は204号室の夢を見る/奥田亜希子』(2020.05.21) | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

気になるフォント、知りたいフォント。 書籍『透明人間は204号室の夢を見る/奥田亜希子』(2020.05.21)

2020.8.10 MON

プロのフォント使いを実例から解く
気になるフォント、
知りたいフォント。
デザインの構成において、最も重要な要素の一つ「フォント」。本コーナーでは、無数の選択肢から導き出されるプロのフォント使いを、素敵な実例ベースで紹介していきます。記事一覧はこちら
今回取り上げるのは、書籍『透明人間は204号室の夢を見る/奥田亜希子』です。
2020年5月21日 取材・文 山口 優
『透明人間は204号室の夢を見る/奥田亜希子』
書籍/2020/集英社(URL
●Designer:成見紀子
●Illustrator:内山ユニコ(URL)
ストローを思わせる文字で透明感や浮遊感を演出

高校三年生で小説の新人賞を受賞するも、スランプで作品が書けずに世間から忘れられつつある地味で冴えない女性作家の孤独と妄想を描いた、イタくて切ない青春小説。2013年に『左目に映る星』ですばる文学賞を受賞した奥田亜希子の受賞第一作に当たる作品で、文庫化にともないデザインも刷新された。

表紙カバーでは、主人公の「透明人間となって自分の著書に興味を持ってくれた男性の部屋に行く」という妄想や独特の作品世界が、透け感や浮遊感のあるビジュアルとメインタイトルで表現されている。

使用フォント1(メインタイトル)
「Leather Regular」「小塚ゴシック M」

角ばった文字を加工し
ストローのような印象に
Leather Regular、小塚ゴシック M

Leather Regular、小塚ゴシック M

加工の過程

加工の過程

メインタイトルの文字のうち、数字は角ばったデザインが印象的なブラックレター「Leather Regular」(Canada Type)がベースに。和文は数字に合わせて直線的なフォルムのゴシック体「小塚ゴシック M」(アドビ)が選択されている。いずれも、メインイラストの半透明の女性とともに宙に浮遊するイメージを出すため、図のように輪郭線を間引いてストロー状にする加工などが施されている。

使用フォント2(著者名)
「ヒラギノ角ゴ W8」

タイトルに合わせ
隙間が感じられる文字に

ヒラギノ角ゴ W8

ヒラギノ角ゴ W8

著者名の文字は、フトコロの少し締まったオーソドックスなゴシック体「ヒラギノ角ゴ W8」(SCREENグラフィックソリューションズ)に。「奥」の字が上下に隙間があり、メインタイトルのストローっぽいイメージに通じる部分があったため選択された。

使用フォント3(出版社名)
「筑紫B丸ゴシック M」

かわいらしいけれど
主張しすぎない書体に

筑紫B丸ゴシック M

筑紫B丸ゴシック M

レーベル名部分は、丸みを帯びたフォルムやフトコロの狭いデザインが特徴的な「筑紫B丸ゴシック M」(フォントワークス)。かわいらしいけれど主張しすぎない書風のため選択された。

気になるフォント、 知りたいフォント。
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