気になるフォント、知りたいフォント。 書籍『博士を殺した数式/ノヴァ・ジェイコブス(著)、高里ひろ(訳)』(2020.06.25) | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

気になるフォント、知りたいフォント。 書籍『博士を殺した数式/ノヴァ・ジェイコブス(著)、高里ひろ(訳)』(2020.06.25)

2020.7.11 SAT

プロのフォント使いを実例から解く
気になるフォント、
知りたいフォント。
デザインの構成において、最も重要な要素の一つ「フォント」。本コーナーでは、無数の選択肢から導き出されるプロのフォント使いを、素敵な実例ベースで紹介していきます。記事一覧はこちら
今回取り上げるのは、書籍『博士を殺した数式/ノヴァ・ジェイコブス(著)、高里ひろ(訳)』です。
2020年6月25日 取材・文 山口 優
『博士を殺した数式/ノヴァ・ジェイコブス(著)、高里ひろ(訳)』
書籍/2020/早川書房(URL
●Designer:草苅睦子[アルビレオ](URL
●Illustrator:長崎訓子(URL
程よい軽さのある文字でクスッと笑える印象に

不可解な死を遂げた天才数学者が、書店を営む孫娘ヘイゼルに遺した“方程式”をめぐる謎をテーマにしたミステリー小説。理系が苦手な主人公が突然数学の世界に放り込まれ、方程式や殺人事件に翻弄されつつ祖父の死に迫る姿が、小気味好く描かれている。

表紙カバーでは、その軽妙で独特な作品世界や読後感の爽快さが、個性的なタッチの装画と軽やかなタイトル文字などで表現されている。

使用フォント1(メインタイトル)
「うつくし明朝体」

滑らかな明朝体を
グランジ風に加工
メインタイトルの文字は、先端部分が丸みを帯びたやわらかな印象の明朝体「うつくし明朝体」(フロップデザイン)がベースに。謎解きの面白さや小説の軽妙さ、読後感のよさを出すため、重厚な書体ではなく、程よい軽さのある書体が選択された。なお、装画の温かみのある線になじむよう、タイトル文字はグランジ風に加工されている。

使用フォント2(著者名)
「筑紫Aヴィンテージ明朝S-R」

タイトル文字に合わせ
繊細で流麗な明朝体に

筑紫Aヴィンテージ明朝S-R

筑紫Aヴィンテージ明朝S-R

著者名の文字は、慶應義塾出版「手習の文」福澤諭吉編の「ふ」のデザインにインスピレーションを受けて開発されたオールドスタイルの明朝体「筑紫Aヴィンテージ明朝S-R」(フォントワークス)に。滑らかな筆の運びを感じさせる書体のデザインが装画やタイトル文字になじむため選択された。

使用フォント3(欧文)
「Citizen Light」

独特のニュアンスを持つ
サンセリフ体に

Citizen Light

Citizen Light

作品名の欧文は、低解像度のビットマップフォントを高解像度化する印刷機能にヒントを得て開発された「Citizen Light」(Emigre)に。ビットマップフォントのジャギーを目立たなくする際に生まれるアナログ的なニュアンスや文字自体の軽やかさが、装画の線やタイトル文字のグランジ加工にマッチしていたため選択された。

気になるフォント、 知りたいフォント。
BACK NUMBER

twitter facebook このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS

こんな記事も読まれています

この連載のすべての記事

アクセスランキング

6.29-7.5

MdN BOOKS|デザインの本

Pick upコンテンツ

現在