気になるフォント、知りたいフォント。 書籍『ギフト、ぼくの場合/今井恭子』(2020.08.27) | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

気になるフォント、知りたいフォント。 書籍『ギフト、ぼくの場合/今井恭子』(2020.08.27)

2020.9.23 WED

プロのフォント使いを実例から解く
気になるフォント、
知りたいフォント。
デザインの構成において、最も重要な要素の一つ「フォント」。本コーナーでは、無数の選択肢から導き出されるプロのフォント使いを、素敵な実例ベースで紹介していきます。記事一覧はこちら
今回取り上げるのは、書籍『ギフト、ぼくの場合/今井恭子』です。
2020年8月27日 取材・文 山口 優
『ギフト、ぼくの場合/今井恭子』
書籍/2020/小学館
●Designer:城所潤(URL
●Illustrator:カシワイ(URL
流れるような筆致の文字でシリアスかつ明るい印象に

両親の離婚を機にギターに触れるのをやめてしまった少年が、バンドの子の代役で再びギターを弾くことになり、その練習を通して将来の夢を見つける姿を描いた物語。『こんぴら狗』で第67回小学館児童出版文化賞を受賞した今井恭子の新作で、「死」や「貧困」などの重いテーマをも扱いつつ、「希望」を感じさせる内容になっている。

表紙カバーでは、そのシリアスでありながら夢や希望を感じさせる内容が、流れるような筆致の繊細なタイトル文字や、主人公の心の葛藤をイメージした内省的なイラスト、パステル調の配色などで表現されている。

使用フォント1(メインタイトル)
「秀英明朝 L」
「築地体三号細仮名」

流麗な明朝体に平体をかけ
シリアスかつ優しい印象に
秀英明朝 L 築地体三号細仮名

秀英明朝 L
築地体三号細仮名

メインタイトルのうちカタカナと漢字は歴史ある秀英舎の活字書体の特徴を受け継いだ端正な明朝体「秀英明朝 L」(モリサワ)、ひらがなは東京築地活版製造所の三号活字をもとに覆刻されたかな書体「築地体三号細仮名」(SCREENグラフィックソリューションズ)がベースに。
作品のシリアスな雰囲気や主人公の少年の心象風景を表現するため、平体をかけたり太さや濁点を調整したり、エッジにラフな加工を施すなどの工夫がされている。また、異なる2書体で文字組みしたときに違和感が出ないような調整も行われた。

使用フォント2(著者名部分)
「筑紫B丸ゴシック L」

パステルトーンに合わせ
優しく柔らかい書体に

筑紫B丸ゴシック L

筑紫B丸ゴシック L

著者名部分は、温かみのある丸みを帯びたフォルムの丸ゴシック体「筑紫B丸ゴシック L」(フォントワークス)に。背景のパステル調のモチーフに合わせて優しく柔らかい書体が選択された。

使用フォント3(出版社名)
「筑紫B丸ゴシック B」

温かみのある味わい深い
丸ゴシック体をチョイス
筑紫B丸ゴシック B

筑紫B丸ゴシック B

出版社名「小学館」部分は、著者名と同様に温かみのある味わい深い丸ゴシック体「筑紫B丸ゴシック」(フォントワークス)がチョイスされた。全体のバランスや可読性なども意識し、ウェイトは「B」が選択されている。

気になるフォント、 知りたいフォント。
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