気になるフォント、
知りたいフォント。
今回取り上げるのは、書籍「韓国文学ショートショート きむ ふなセレクション12」『うさぎと潜水艦』/朴範信(著)、齋藤日奈(訳)です。
2020年11月5日 取材・文 山口 優

翻訳家・きむふながお勧めする韓国文学の短編小説を、日本語と韓国語の2言語で紹介するシリーズの最新刊。軍事政権下のソウルを舞台に、軽犯罪者たちを乗せた護送バスの中で起こるできごとが風刺的に描かれている。
表紙はシリーズすべて共通で、B6よりもコンパクトな判型にカバーをつけず、韓国の小説に気軽に触れられるデザインに。また、ロゴを箔押しして書籍としての存在感を出したり、形に特徴のある書体をタイトルやコピーに使用して文字を印象的に見せる工夫もされている。
「SimSun(宋体)」
「ZENオールド明朝N R」
特徴のある明朝系書体で
ニュアンスをつける


SimSun(宋体)

ZENオールド明朝N R
表紙にコピーを入れて文字をビジュアル的に印象深く見せるというコンセプトのため、かなには正統派の明朝体ではなく字形などに歪さのある「SimSun」が選択された(OSなどの環境の違いによって「宋体」と表示されることもある)。
なお、「SimSun」はWindowsやMicrosoft Officeなどに標準搭載されている簡体字フォントだが、新しいバージョンでは書体デザインが整えられている。そのため本作ではあえて味のある古いバージョンが使用された。
「游ゴシック体 B」
伝統的な角ゴシック体を
箔押しして存在感を


游ゴシック体 B
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