気になるフォント、知りたいフォント。 書籍「韓国文学ショートショート きむ ふなセレクション」12『うさぎと潜水艦』/朴範信(著)、齋藤日奈(訳)(2020.11.5) | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

気になるフォント、知りたいフォント。 書籍「韓国文学ショートショート きむ ふなセレクション」12『うさぎと潜水艦』/朴範信(著)、齋藤日奈(訳)(2020.11.5)

2020.12.3 THU

プロのフォント使いを実例から解く
気になるフォント、
知りたいフォント。
デザインの構成において、最も重要な要素の一つ「フォント」。本コーナーでは、無数の選択肢から導き出されるプロのフォント使いを、素敵な実例ベースで紹介していきます。記事一覧はこちら
今回取り上げるのは、書籍「韓国文学ショートショート きむ ふなセレクション12」『うさぎと潜水艦』/朴範信(著)、齋藤日奈(訳)です。
2020年11月5日 取材・文 山口 優
「韓国文学ショートショート きむ ふなセレクション」12『うさぎと潜水艦』/朴範信(著)、齋藤日奈(訳)
書籍/2020/クオン(URL
●Designer:鈴木千佳子
特徴的な形の書体を使ってニュアンスを出す

翻訳家・きむふながお勧めする韓国文学の短編小説を、日本語と韓国語の2言語で紹介するシリーズの最新刊。軍事政権下のソウルを舞台に、軽犯罪者たちを乗せた護送バスの中で起こるできごとが風刺的に描かれている。

表紙はシリーズすべて共通で、B6よりもコンパクトな判型にカバーをつけず、韓国の小説に気軽に触れられるデザインに。また、ロゴを箔押しして書籍としての存在感を出したり、形に特徴のある書体をタイトルやコピーに使用して文字を印象的に見せる工夫もされている。

使用フォント1(メインタイトル、著者名、コピー)
「SimSun(宋体)」
「ZENオールド明朝N R」
特徴のある明朝系書体で
ニュアンスをつける
SimSun(宋体)

SimSun(宋体)

ZENオールド明朝N R

ZENオールド明朝N R

メインタイトルおよび著者名、コピー部分の文字はすべて、かなが「SimSun(宋体)」(ZHONGYI Electronic)、漢字がオールドスタイルの明朝体「ZENオールド明朝N R」(エイワン)に。文学シリーズということもあり、上品で繊細な明朝系書体が採用されている。

表紙にコピーを入れて文字をビジュアル的に印象深く見せるというコンセプトのため、かなには正統派の明朝体ではなく字形などに歪さのある「SimSun」が選択された(OSなどの環境の違いによって「宋体」と表示されることもある)。

なお、「SimSun」はWindowsやMicrosoft Officeなどに標準搭載されている簡体字フォントだが、新しいバージョンでは書体デザインが整えられている。そのため本作ではあえて味のある古いバージョンが使用された。

使用フォント2(シリーズ名)
「游ゴシック体 B」

伝統的な角ゴシック体を
箔押しして存在感を

游ゴシック体 B

游ゴシック体 B

ロゴ部分の文字は、伝統的なスタイルと読みやすさを併せ持つ角ゴシック体「游ゴシック体 B」(字游工房)に。選び抜かれた一篇の小説を丁寧に読むような、本としての存在感をきちんと出すため、オーソドックスな書体で作成されたロゴが箔押しされている。

気になるフォント、 知りたいフォント。
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