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気になるフォント、 知りたいフォント。

2021.06.10 Thu2021.09.15 Wed

飲料パッケージ 『伊右衛門 京都ブレンド』

取材・文:山口 優

『伊右衛門 京都ブレンド』パッケージ/2021/サントリー食品インターナショナル
●Creative Director:西川圭
●Art Director:玄覺景子
●Designer:高瀬有美子
*制作者すべて[サントリーコミュニケーションズ デザイン部]所属

今回は飲料『伊右衛門 京都ブレンド』のパッケージで使用されているフォントをご紹介。本記事はデザイン構成において重要な「フォント」の選定プロセスや加工方法を、貴重なプロの実例で紐解いてデザイン制作に役立てる連載です。

伝統と革新性を併せ持つ文字で京都の上質な日常を表現

京都福寿園茶匠のブレンド技術で編み出した雑味のないすっきりとした上質な味わいと、明るく透きとおった琥珀色の水色(すいしょく)が特徴的な新・焙煎ブレンド茶『伊右衛門 京都ブレンド』のパッケージ。京都で日常的に親しまれている京番茶のほか、焙じ茶、和紅茶、大麦、炒り米の5種類の素材がブレンドされている。

パッケージは「京都の日常」をテーマとし、上質で丁寧な生活をイメージして和紙のテクスチャや料理道具を想起させる銅色を用いたデザインに。また、伝統と革新性を併せ持つネーミングロゴを作り起こしたり、欧文や数字、パラメーターなどをデザイン要素として取り入れたりすることでカジュアルさや親しみやすさを演出する工夫も施されている。

Font.01「オリジナル」
明朝体の要素を取り入れたゴシック体で京都らしく

オリジナル

商品のネーミングロゴは、京都で日常的に親しまれており、また商品の素材の一部としても使用されている「京番茶」を意識して作り起こされたオリジナルの文字。商品をカジュアルに親しんでもらえるよう、ゴシック体をベースに作字された。

漢字の斜めに入る起筆部や終筆部のハネの部分に明朝体の要素をアクセントとして入れるなど、伝統と革新性を併せ持つ京都にふさわしいロゴとなるよう、細部まで工夫が凝らされている。

Font.02「Century Gothic Bold」
幾何学的な欧文書体でカジュアルな印象に

「商品名欧文」部分
Century Gothic Bold

商品名の欧文は、幾何学的なエレメントで構成されたサンセリフ体「Century Gothic」(Monotype)に。商品を手にした人がカジュアルに飲めるよう、明快ですっきりとしたデザインの欧文書体が取り入れられた。

Font.03「貂明朝」「秀英横太明朝 M」
優しい形の明朝体で上質さを表現

「キャッチ」部分
貂明朝
秀英横太明朝 M

キャッチは、「香ばしく、軽やか」部分が角の丸い優しい形をした「貂明朝」(アドビ)、「京都茶匠の琥珀色ブレンド」部分は横画が太く視認性の高い「秀英横太明朝 M」(モリサワ)に。流れるような運筆や上品な佇まいを持つ明朝体を選ぶことで、商品の上質さとお茶の味わいが表現されている。

Font.04「Ciutadella SemiBold」
シンプルで親しみやすいサンセリフ体を選択

「欧文のキャッチ」部分
「欧文の容量」部分
Ciutadella SemiBold

欧文のキャッチや容量部分は、シンプルで幾何学的なサンセリフ体「Ciutadella SemiBold」(Emtype)に。製品の味わいのイメージやドリンカビリティが、明朗な書体でカジュアルに表現されている。

Font.05「AXIS Medium」
視認性の高いスタンダードな書体で誠実に分かりやすく

「パラメーター」部分
AXIS Medium

「香ばしさ」や「カフェイン」などのパラメーター部分の文字は、すっきりとした印象の現代的なゴシック体「AXIS Medium」(タイププロジェクト)に。商品の特徴を誠実に分かりやすく伝えるため、可読性の高い書体が選択されている。

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