Thunderbolt 3接続にも対応! 動画編集に最適なBenQの広色域4K UHDモニターを検証 | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

Thunderbolt 3接続にも対応! 動画編集に最適なBenQの広色域4K UHDモニターを検証

2019.10.19 SAT

【プロが求める性能をリーズナブルな価格で】
Thunderbolt 3接続にも対応! 動画編集に最適なBenQの広色域4K UHDモニター「PD3220U」を検証
今やスマートフォンのカメラでも4K動画を撮影できる時代。映像コンテンツの制作にも、これまで以上に高いクオリティが求められるようになってきました。そこで重要になるのが動画編集モニターの品質です。しかし、プロのニーズを満たす動画編集モニターは高額なものが多く、個人が購入するにはハードルが高いのが正直なところではないでしょうか。
そんな中、液晶モニター市場で大きなシェアを誇るBenQ(ベンキュー)が、クリエイター向けの31.5インチ液晶モニター「PD3220U」を発表しました。4K UHD解像度HDR10をサポートしているほか、sRGBカバー率100%DCI-P3/Display P3カバー率95%の広色域表示に対応しているなど、プロ用途にも耐えるスペックを持っているのが特長になっています。またThunderbolt 3端子を備えておりケーブル1本で映像・音声の伝送とパソコンへの電源供給を実現しているのもポイント。これだけ高性能でありながら実売15万円弱とリーズナブルなのも魅力のひとつになっています。
会社の設備投資としてはもちろん、フリーランスやハイアマチュアの映像クリエイターにとっても手ごろな価格で高品質な制作環境を提供してくれる待望の動画編集モニターと言えそうです。今回、その実機を試すことができたので、気になる使用感などを紹介していきましょう。
▶︎とにかくケーブルの取り回しが楽!
PD3220Uをセットアップしてまず思ったのが、想像していたよりもコンパクトだということ。スタンドや台座を装着した状態で幅714.8×高さ477.6×奥行き185.81mmというサイズで、一般的なパソコンデスクにも無理なく設置することができます。これは、モニター周囲のベゼルを極限まで細くしたベゼルレスデザインを採用しており、本体サイズが抑えられているのが大きな理由でしょう。
もっとも、そのせいもあってか電源スイッチやOSD(On-Screen Display=モニターの設定画面)用のコントロールキーは本体背面に配置されており、設置環境によっては若干アクセスしづらい場合も。そこでPD3220Uには「ホットキーパックG2」という専用コントローラーが標準で付属し、OSDの操作が手元で行えるようになっています。このホットキーパックG2は本体背面のMini USB端子に接続して使用しますが、キーを押すだけでカラーモードを変更できたり、ダイヤルをクルクル回すことでメニューのスクロールやコントロールバーの調節が行えてとても便利です。
本体背面に搭載されている電源スイッチとOSD用のコントロールキー

本体背面に搭載されている電源スイッチとOSD用のコントロールキー

手元でOSDの操作が行える「ホットキーパックG2」。動画編集モニターとしてのPD3220Uの使い勝手を高めるツールだ

手元でOSDの操作が行える「ホットキーパックG2」。動画編集モニターとしてのPD3220Uの使い勝手を高めるツールだ

映像入力端子は、全部で5系統搭載されています。そのうち、MacBook ProなどのUSB PD(Power Delivery)対応ノートパソコンをつないで使うときに便利なのがThunderbolt 3(USB Type-C)端子。ケーブル1本でノートパソコンに給電しながら、その映像や音声をモニター本体に伝送して表示することができます。ノートパソコン側に別途ACアダプターをつなげる必要はありません。
本体背面には、Thunderbolt 3×2、DisplayPort 1.4×1、HDMI 2.0×2、Mini USB(Hotkey Puck G2用)、USB3.1(アップストリーム×1 、ダウンストリーム×2)が搭載されている

本体背面には、Thunderbolt 3×2、DisplayPort 1.4×1、HDMI 2.0×2、Mini USB(Hotkey Puck G2用)、USB3.1(アップストリーム×1 、ダウンストリーム×2)が搭載されている

本体右側面には、USB Type-C×1(ダウンストリーム)、USB3.1(ダウンストリーム)、ヘッドフォン端子が搭載されている

本体右側面には、USB Type-C×1(ダウンストリーム)、USB3.1(ダウンストリーム)、ヘッドフォン端子が搭載されている

実際にMacBook Pro 13インチモデルをThunderbolt 3端子につなげてMacBook Proモニターとして使用してみましたが、ケーブルの取り回しが楽なうえ机周りがスッキリしてとても快適に作業できました。ちなみにふたつあるThunderbolt 3端子のうち一方は最大85Wまでの給電ができるので、MacBook Pro 13インチモデルはもちろん、よりパワーが必要な15インチモデルでも使用しながらの充電が可能。持ち運ぶ機会の多いノートパソコンにはありがたい仕様です。Thunderboltモニターは他にもさまざまな製品が存在しますが、85Wもの給電に対応した製品はまだ多くありません。その点でもPD3220Uは大きなアドバンテージがあると言えます。
PD3220UのThunderbolt 3端子にMacBook Pro 13インチモデルをつなげ、MacBook Proモニターとして利用しているところ。モニター側からケーブルを通して電源が供給されるのがとても便利

PD3220UのThunderbolt 3端子にMacBook Pro 13インチモデルをつなげ、MacBook Proモニターとして利用しているところ。モニター側からケーブルを通して電源が供給されるのがとても便利

2台のパソコンを併用している場合、通常はそれぞれにキーボードとマウスをつなげる必要がありますが、PD3220Uには「キーボードビデオマウス(KVM)スイッチ」という機能が搭載されており、1組の有線キーボードとマウスを切り替えながら2台のパソコンで使用することが可能です。2組のキーボードとマウスを行ったり来たりしなくてすむので、作業効率が格段にアップしますし、省スペース化にも役立ちます。
今回はワイヤレスキーボードとワイヤレスマウスを使用したが、2台のパソコンで1組の有線キーボードとマウスを共有することも可能

今回はワイヤレスキーボードとワイヤレスマウスを使用したが、2台のパソコンで1組の有線キーボードとマウスを共有することも可能

KVMスイッチ機能の設定画面。OSDの「CPU切替機」で「Thunderbolt 3」と「USB Upstream」のいずれかを選択することで、キーボードとマウスを使用するパソコンを切り替えられる(今回は未設定のため「USB Upstream」がグレー表示されている)

KVMスイッチ機能の設定画面。OSDの「CPU切替機」で「Thunderbolt 3」と「USB Upstream」のいずれかを選択することで、キーボードとマウスを使用するパソコンを切り替えられる(今回は未設定のため「USB Upstream」がグレー表示されている)

▶︎動画編集モニターにふさわしい高品位液晶パネルを搭載
BenQの液晶モニターは、多様化する用途に応えるため非常に幅広いラインナップが取り揃えられています。PD3220Uは、その中でもクリエイティブ市場に向けたモデルで、映像・グラフィックのディテールや色彩の再現に重点を置いた製品になっています。
画面サイズは31.5インチと広大で、最大解像度は4K UHD(3840×2160ピクセル)と非常に高精細です。そのため、複数のウインドウを並べたり、アプリのツールやパネル類を重ならないように表示してもスペースに余裕があります。資料を見ながら書類を作成したり、ビデオクリップを横に並べて見比べながら動画編集したりする場合などに、この画面の大きさや解像度の高さが生きてきます。実際にAdobe Premiere Pro CCで動画編集を試してみましたが、プレビュー画面の映像もディテールが確認しやすく非常に快適でした。
Adobe Premiere Pro CCの作業画面。表示できる情報量が多いため、ビデオクリップのディテールなども確認しやすい

Adobe Premiere Pro CCの作業画面。表示できる情報量が多いため、ビデオクリップのディテールなども確認しやすい

PD3220UをMacBook Proモニターとして使用中に、MacBook Proの内蔵モニターでAdobe Premiere Proのパネルの一部を表示させているところ。このようにデュアルモニター環境で使用すると作業効率を向上させられる

PD3220UをMacBook Proモニターとして使用中に、MacBook Proの内蔵モニターでAdobe Premiere Proのパネルの一部を表示させているところ。このようにデュアルモニター環境で使用すると作業効率を向上させられる

明暗差をダイナミックに表現できるHDR10にも対応しているため、Ultra HDブルーレイや動画配信サービスの超高画質コンテンツを臨場感たっぷりに楽しむことが可能です。実際にApple TV 4Kで4K UHD+HDR画質の映画を視聴してみましたが、その場の空気感まで伝わってくるほどリアルな映像に息を呑みました。とくに暗部の階調が豊かで、HDR非対応の一般的なモニターでは黒く潰れがちなディテールが判別しやすく感じました。
おもしろいのは、HDR非対応のコンテンツ(SDRコンテンツ)でもモニター側で輝度やコントラストを調節してHDRっぽく見せる機能(HDRエミュレート機能)が搭載されている点。もともとの情報量が増えるわけではないのですが、映像にメリハリがついて立体感や奥行きなどが増したように感じられます。実写だけでなくアニメなどでも効果を体感でき、エミュレートによる違和感も少なかったので、動画鑑賞時は積極的に活用したいと思いました。動画編集モニターとしてだけでなく、動画鑑賞用モニターとしても実力は十分です。
ちなみに、HDRエミュレートを利用する場合はモニターの設定画面でカラーモードを「HDR」にしておく必要があります。カラーモードにはこのほか、コンピュータの標準的な色空間である「sRGB」やデザイン業界で広く用いられている「Adobe RGB」、HDテレビ向けの「Rec.709」、デジタルシネマ向けの「DCI-P3」やそれに準拠したデジタル機器向けの「Display P3」などが用意されており、デバイスに合わせた色再現が可能です。たとえばiPhone向けのコンテンツをつくる場合はカラーモードをDisplay P3に設定しておけば、PD3220Uの画面上でiPhone上での見え方を確認できます。デバイスによる色の見え方まで意識して動画編集する場合に、とても心強い機能だと感じました。
冒頭でも触れた通り、PD3220UはsRGBやRec.709の色域は100%カバーしており、DCI-P3やDisplay P3も95%カバーしています。またCalMAN認証やPANTONEカラー認証も取得しているため、他のモニターやプロジェクター、PANTONE認証プリンター製品などとのカラーマッチも実現することができます。厳密な色精度が求められるコンテンツの制作に安心して使えるのは、動画編集モニターとして高く評価できるポイントではないでしょうか。
HDRコンテンツを再生すると、どのカラーモードにしていても自動的にHDRモードが有効になる。HDR非対応コンテンツの場合は、OSDのカラーモードで「HDR」を選ぶとHDRエミュレートモードが有効になる

HDRコンテンツを再生すると、どのカラーモードにしていても自動的にHDRモードが有効になる。HDR非対応コンテンツの場合は、OSDのカラーモードで「HDR」を選ぶとHDRエミュレートモードが有効になる

動画編集モニターらしく、「DCI-P3」や「Display P3」、「REC.709」などのプリセットもあらかじめ用意されている

動画編集モニターらしく、「DCI-P3」や「Display P3」、「REC.709」などのプリセットもあらかじめ用意されている

▶︎ユーザー目線の便利機能
このほかにも、PD3220Uにはさまざまな便利な機能が搭載されています。たとえば、スタンドは-5〜20°のチルト調節に加え、-30〜30°のスイーベル、150mm高さ調整が行えます。またピボット機能を搭載しており、画面を縦向きに回転して使用することも可能です。設置場所の環境や用途に合わせて柔軟に対応できるのはとてもありがたい特徴だと思いました。
スタンドの高さを調節したところ。150mmの高さ調節が可能

スタンドの高さを調節したところ。150mmの高さ調節が可能

ピボット機能が搭載されており、画面を90°回転して縦向きで利用することもできる

ピボット機能が搭載されており、画面を90°回転して縦向きで利用することもできる

画面の左右で異なるカラーモード適用し、見比べながら作業できる「デュアルビューモード」も搭載しています。これを利用すれば、コンピュータ向けのsRGBモードとデジタルシネマ向けのDCI-P3モードでの見え方をひとつの画面で確認しながら動画編集することも可能です。さらに、メイン画面に小さな画面を表示するPIP(ピクチャー・イン・ピクチャー)や、ひとつの画面を分割して複数の入力ソースを表示するPBP(ピクチャー・バイ・ピクチャー)にも対応しています。PBPは最大4画面の表示ができるので、複数のパソコンで作業を同時進行したり、セットトップボックスやBlu-rayプレイヤーで動画を再生しながら作業したりする場合に役立ちます。PD3220Uなら4画面表示した場合でもひとつひとつの画面はフルHD解像度になるので、画面内容が確認しやすく、とても実用的だと感じました。
「デュアルビューモード」を利用しているところ。左側をsRGB、右側をDCI-P3モードに設定している。色域の違いを確認しながら作業することができるのがとても便利

「デュアルビューモード」を利用しているところ。左側をsRGB、右側をDCI-P3モードに設定している。色域の違いを確認しながら作業することができるのがとても便利

PBPで4画面を表示しているところ。複数のパソコンの画面を表示してマルチモニター的に使用したり、セットトップボックスやBlu-rayプレイヤーの映像を見ながらパソコンで作業したりしたい場合に役立つ

PBPで4画面を表示しているところ。複数のパソコンの画面を表示してマルチモニター的に使用したり、セットトップボックスやBlu-rayプレイヤーの映像を見ながらパソコンで作業したりしたい場合に役立つ

▶︎27インチモデルも動画編集モニターに最適
BenQのクリエイティブ市場向けモニター「PD」シリーズは、今回紹介したPD3220U以外にも「PD2700U」や「PD2720U」などがラインナップされています。画面サイズ以外の表示性能はほぼ同等で、いずれの製品も4K UHD解像度やHDR10に対応しており色の精度も高いので、映像クリエイターにとっては理想的な動画編集モニターになってくれるはず。31.5インチではちょっと大きいという場合はこちらを検討してみるのもよさそうです。
製品の導入を決めた場合、サポート体制が気になる人も多いと思いますが、BenQの場合は日本法人のベンキュージャパンが電話やメール、Webサイトなど複数の手段で問い合わせや修理に対応しているので安心です。とくにPD3220Uのような、正確な色再現を可能にする独自技術「AQCOLOR」に対応したプロ向け製品の場合は、標準で3年間のセンドバックサポートサービス(故障した製品をサポートセンターに送ると修理品や代替品を送り返してくれるサービス)を受けることができます。さらに、修理期間中に同等性能の代替機を貸し出す有償サービス(税抜5,000円/1回)も用意されており、モニターが手元にない期間を極力減らすことが可能です。仕事でモニターを使っている人には心強いサポート体制だと言えるのではないでしょうか。ぜひ、製品を選ぶ際の参考にしてみてください。


●製品概要:
MacBook、MacBook Proを利用するデザイナーがより自由に創作を行えるように開発された31.5インチのフレームレス液晶モニター。「PD3220U」は、BenQモニターのPDシリーズでは初のAQCOLORシリーズモデルとなり、4K UHDの高解像度、高水準の色精度を実現し、HDR10対応で動画編集やアニメ制作などクリエイティブ系のプロフェッショナルやデザイナー向けのモデル。Rec.709/sRGB100%カバー、Display P3/DCI-P3 95%カバーを実現した上、機能面ではThunderbolt™ 3対応のUSB Type-Cを2系統搭載し、85Wまで給電可能。ダークエリアの描写をより鮮明に表示し、高いグラデーション表現を可能にする暗室モードや、10段階の明るさを調整することができるアニメーションモードなど、クリエイターの作業を快適にする多彩な機能も搭載する。
●製品の主な仕様:
サイズ:31.5型ワイド/パネル:ノングレア/バックライト:IPS/解像度:3840 x 216:0 (4K UHD)LED/表示サイズ:697.31 x 392.23 mm/表示色:約10億7000万色/画素ピッチ/画素密度:0.182 mm/140ppi/アスペクト比: 16:9/コントラスト比:1000:1 (DCR 2000万:1)/輝度(cd/㎡):300 cd/㎡/視野角(左右/上下):178°/178°(CR>=10)/応答速度:5ms GTG/水平/垂直周波数:30-135KHz / 24-76Hz/ティルト角度:上下:-5°/20°/VESA規格:100 x 100 mm/入出力端子:HDMI 2.0x2/Display Port 1.4/Thunderbolt 3x2(85W給電、15W給電)/USB:USB3.1×4(Downstream x 3、Upstream x1)、USB Type-Cx1(Downstream)/本体サイズ(WxHxD):714.8 x 477.6~627.6 x185.81mm (台座あり)、714.8 x 412.2 x 86.63mm(台座なし)/本体重量/梱包重量:10.4kg / 13.3kg

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