クリエイティブが交通広告の未来を変える?新たな価値と才能を発掘する「Metro Ad Creative Award 2019」(1) | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

クリエイティブが交通広告の未来を変える?新たな価値と才能を発掘する「Metro Ad Creative Award 2019」(1)

2019.12.13 FRI

クリエイティブが交通広告の未来を変える?
新たな価値と才能を発掘する「Metro Ad Creative Award 2019」
運営事務局の富田瑛子さん(左)と鈴木美緒さん(右)

運営事務局の富田瑛子さん(左)と鈴木美緒さん(右)

近年、公共性や視認性が高い交通広告の価値が見直されています。特にデザイナーには、媒体の特性を活かしたアイデアやプランニングがより求められるようになってきました。そこで、東京メトロ媒体を課題とした広告コンテスト「Metro Ad Creative Award」の運営事務局である鈴木美緒さんと富田瑛子さんに交通広告の魅力やコンテストの開催意義について、お話を伺いました。
<取材・文/編集部 撮影/リンガフランカ 取材協力/(株)メトロアドエージェンシー>

【目次】
▷Metro Ad Creative Awardとは
▷受賞作品から見る交通広告のプロモーション
▷SNSやテクノロジーとリンクする交通広告
▷交通広告の世界でデザイナーが挑戦できること
Metro Ad Creative Awardとは
●多様な応募者が集う、交通広告の将来性を担うアワード
Q.はじめに「Metro Ad Creative Award」とは、どのようなアワードなのか教えてください

鈴木 「Metro Ad Creative Award」は、協賛企業から出題される課題に対して、東京メトロの媒体を活かしたデザインやプランニングを募集する公募型の広告コンテストです。広告業界を目指している学生や広告業界の最前線で働いているクリエイティブ職(プランナー・デザイナー・コピーライターなど)からのご応募が多いですね。

狙いは大きく分けて2つあります。1つ目は、デザインやプランニングを考える過程で交通広告の価値を再発見してもらい、その価値をアウトプットしてもらうこと。2つ目は、OOH(*Out of home の略称。家の外にある屋外広告を指し、交通広告や街頭ビジョン、イベントなど)を改めて知っていただくことで、「交通広告ってプランニングしやすい」「面白い」と、認識してもらうきっかけにしたいと考えています。

Q. 交通広告が「プランニングしやすい」「クリエイティビティ」な点とは?

鈴木 やはり「リアルなメディアならでは」が実現できる点です。平面だけではなく、立体的な空間デザインなど様々な表現によって、思わず目を引く、体験したくなるような広告展開ができる点です。

Q.これまでのアワードでは、どういった方々からの応募が多かったのでしょうか?

富田 過去2回については、学生や20-30代を中心としつつ、10-60代まで幅広い年代の方々からご応募を頂きました。また、個人での応募だけではなく、大学の友人やセミナーで出会った仲間、会社の同僚といったグループでの応募も多数ありました。
●東京メトロならではの広告の魅力を掘り下げるアワード
Q.応募作品の種類や傾向についてはどのような印象を受けましたか?

鈴木 実は傾向とかは全然なくて…皆さん、本当にアイデアが豊かでこれまでにない発想で表現してくれています。キャッチコピーに特化したクリエイティブ、ティッシュやビーズ、時計など実際の商品を表現した立体的なポスター、グラフィックに凝ったデザインなど表現の幅が広い印象でした。

Q.実際の広告で、これまで特におもしろかった展開を教えてください

鈴木 2015年に新宿メトロスーパープレミアムセット*で実施したヤマト運輸様の宅急便コンパクトのプロモーション企画「巨大クロネコ 全国行脚」ですね。巨大なネコちゃんを設置して、鼻を押すとグッズが出てくる仕掛けでした。イベントは参加ハードルが高いと、歩行者は恥ずかしくて参加しづらいものです。このイベントは“鼻を押すだけ”で、参加ハードルが低く多くの方々が足を止めて立ち寄っていました。
*新宿メトロスーパープレミアムセット… 新宿駅の東西を結ぶ通路にある全長約80mに及ぶ巨大広告面
富田 巨大なリラックマを設置したNetflix様の広告も面白かったです。写真を撮るために多くの人々が集まり、SNSでも話題となりました。

鈴木 立体物を使った広告って、つい触りたくなります。リアルメディアならではで良いですよね。
Netflixオリジナルアニメ「リラックマとカオルさん」の配信記念で新宿メトロプロムナードに登場した3.3mの巨大リラックマ

Netflixオリジナルアニメ「リラックマとカオルさん」の配信記念で新宿メトロプロムナードに登場した3.3mの巨大リラックマ

受賞作品から見る交通広告のプロモーション
●自由で予測不能!? アイデア満載の応募作品
Q.過去の受賞作品について、印象的な作品はありましたか?
鈴木 まずは、2018 年度のプランニング部門でグランプリを受賞した「15m走自販機」です。これは日本コカ・コーラ様の課題(後述)で、運動時にアクエリアスを飲みたくなるという題材に対して、広告表現にアクティビティを加えたプロモーションです。

1面のサイズが全長15mというメディア自体の横長サイズを生かしている点も、このメディアだからこそ表現できる展開ですよね。アクエリアスを楽しく飲むといった要望を踏まえており、面白そうでつい参加したくなる企画でした。
2018 プランニング部門グランプリ作品 「15m走自販機」 。ボタンを押すと、アクエリアスがレール上を転がり、受取口でキャッチするというアクティビティな展開

2018 プランニング部門グランプリ作品「15m走自販機」。ボタンを押すと、アクエリアスがレール上を転がり、受取口でキャッチするというアクティビティな展開

2018年度プランニング部門「アクエリアス」
・課題企業:日本コカ・コーラ株式会社
・募集課題:運動する時にアクエリアスを飲みたくなる企画
・応募作品に期待すること:楽しく、気持ちよく運動するときには、アクエリアスを飲みたい!と思わせてくれるような、パッションのあるアイデアをお待ちしています
鈴木 G-SHOCKの課題(後述)では、メトロアド賞を獲った「KEYBORAD」が印象的でした。一見、普通のパソコンのキーボードですが、中づりポスターの横長サイズとキーボードの比率が近いことを活かした表現でした。

東京メトロはビジネスパーソンの利用が多い路線です。ビジネスシーンで利用するキーボードが中づりポスターになっているという、日頃見慣れたものをクリエイティブに落とし込むことで、目を引くデザインになっています。キーボードの中心にある「G」以外を薄く表現して、G-SHOCKのタフさを表現している点も面白いと思いました。
2018 デザイン・クリエイティブ部門、メトロアド賞「KEYBORAD」。G-SHOCKタフネスさを中づりポスターならではの視点でユニークにデザインした作品

2018 デザイン・クリエイティブ部門、メトロアド賞「KEYBORAD」。G-SHOCKタフネスさを中づりポスターならではの視点でユニークにデザインした作品

2018 デザイン・クリエイティブ部門「G-SHOCK」
・課題企業:カシオ計算機株式会社
・募集課題:若者に響くG-SHOCKビジュアルの開発
・応募作品に期待すること:G-SHOCKのコンセプトである「タフネス」を商品的タフネス、精神的なタフネスなどに解釈を広げた新境地の驚きと感動のG-SHOCKビジュアル開発を期待しています
鈴木 あとは2017年度のプランニング部門で審査員特別賞を受賞した「アタリボーエール」も印象的でしたね。ホームランバーの当たり棒を多数使用して、広告全体に1つの応援メッセージを浮かびあげるといったアイデアでした。この棒は1本1本が引っこ抜けるようになっていて、棒にもエールとなる言葉が書かれています。子供のころ、「当たり」という言葉が書かれた棒をみてすごくうれしかった、そういうことまで想起させる広告。さらにQRコードを読み込み「当たり」が出ると実際に商品がもらえる仕組みです。一方的な訴求だけではなく、交通広告から実際の行動喚起も実現したストーリー性が素晴らしいと思いました。
2017 プランニング部門、審査員特別賞(佐藤カズー氏)を受賞した「 アタリボーエール 」。立体的な表現、体験型の広告として注目を集めた

2017 プランニング部門、審査員特別賞(佐藤カズー氏)を受賞した「アタリボーエール」。立体的な表現、体験型の広告として注目を集めた

2017 プランニング部門「ホームランバー」
・課題企業:協同乳業株式会社
・募集課題:過去の商品から未来へ紡ぐ商品へ
・応募作品に期待すること:ホームランバーは愛され続け2020年に60thを迎えます。 還暦を機に第二の人生、生まれ変わりたいと思っています。 そんなホームランバーを変えることができる新しいアイデアをお待ちしています
Q.ちなみに「デザイン」と「プランニング」で部門が分かれていますが、どのような違いがあるのでしょうか?

鈴木 中づりポスターもしくは駅サイネージを活用したデザインアイデアか、新宿メトロスーパープレミアムセットを活用したプランニングアイデアか、といった違いです。特にプランニング部門は前述した通り、イベントやプロモーションの要素があります。仮にデザインができなくてもアイデア1つで応募できるようにしています。

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Metro Ad Creative Award 2019 開催・応募概要

【募集期間】 2019 年9⽉27⽇(金)~ 12⽉25⽇(水)
【募集作品】東京メトロ媒体を活用した各企業の特別課題に応えるアイデア
【応募⽅法】下記の特設サイトより応募ください
      「3 Metro Ad Creative Award 2019
【応募資格】 年齢・性別・国籍不問/社会⼈、学⽣不問/グループ可
【部門】
〈プランニング部門〉
・活用メディア:新宿メトロスーパープレミアムセット
・フォーマット:企画書を提出(A4横10枚以内/PDF形式)
〈デザイン部門〉
・活用メディア:中づりポスター/Metro Concourse Vision(MCV)
・フォーマット:中づり:ポスターデザインを提出(天地364㎜×左右1,030㎜/PDF形式)/MCV:動画(WMV9)もしくは静止(JPEG)を提出(縦型)
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