【ライフスタイル連載・デザインのある生活】第7回「NEMOHAMO」サステイナビリティを徹底し、植物を活かしたオーガニックコスメ | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

【ライフスタイル連載・デザインのある生活】第7回「NEMOHAMO」サステイナビリティを徹底し、植物を活かしたオーガニックコスメ

2020.9.23 WED

【ライフスタイル連載・デザインのある生活】
第7回「NEMOHAMO」サステイナビリティを徹底し、植物の生命力をまるごと活かした“効く”オーガニックコスメ
デザインも中身も素敵なもの。そんなモノがいつも身近にあれば、日々の生活に潤いを与えてくれそうな予感……。そこで、編集部とライターが気になっているライフスタイル系のブランドを紹介していきます。第7回目は、京都発のコスメブランド「NEMOHAMO」。根っこも葉っぱも茎も花も実も余さずエキス化した植物原料を用いて、石油原料を一切使わずに作られた“本気”のオーガニックコスメです。

●構成・文:吉永美代

▼サステイナブルな視点のもと、原料やパッケージを厳選
2020年12月、京阪ホールディングスのグループ企業「BIOSTYLE(ビオスタイル)」が、循環型ライフスタイルを提案する商業施設として京都にオープンした「GOOD NATURE STATION」。オーガニック商品の物販やレストラン、美容サロン、ホテルを備えた進歩的な施設です。それに合わせてデビューした「NEMOHAMO」は、国内産の植物原料をベースにトレーサビリティを徹底して国内製造するオーガニックコスメブランド。パッケージも、スタイリッシュさと環境への配慮を両立させています。
▼胸を張って良いものと言えるオーガニックコスメを作りたい
「NEMOHAMO」のコスメ開発や製造管理、資材調達などを担当する「BIOSTYLE」マーケティング部の樋口さくらさんにお話を伺いました。

──まず初めに、「GOOD NATURE STATION」が生まれた経緯について教えてください。

樋口さん:京阪ホールディングスは関西の私鉄「京阪電鉄」でおなじみのグループです。今回、四条河原町という京都の一等地に施設を作るにあたり、加藤好文代表取締役会長CEOは将来の事業につながる特色を持つものにしようと考え、サステイナブルなライフスタイルを提案する施設「GOOD NATURE STATION」を作ることになりました。この施設運営や循環型ライフスタイル関連事業を行う会社として作られたのが「BIOSTYLE」です。

私が入社したのは2017年、立ち上げから間もない頃です。前職は化粧品会社で商品企画や品質保証部、お客様相談室など多様な業務を行なっていました。その頃すでにオリジナルコスメを出すことは決まっていたので、開発段階に加わった形です。

──では、「NEMOHAMO」はどんな想いで作られたブランドなのでしょうか?

樋口さん:「GOOD NATURE STATION」館全体の考え方と同じく、個々人が最も美しく健康であるために、1人1人に寄り添うスキンケアを。そして、植物のちからを肌で実感できる、本当にいいものだけで作られたコスメをお届けしたい。そんな想いから開発がスタートしたのが「NEMOHAMO」です。

現在、日本の化粧品には、法律上のオーガニック分類やオーガニック認証は存在しません。だからオーガニックコスメといっても曖昧なものも多いのが現状です。また化粧品では、ほんの少量の植物エキスを水で薄めていても保湿成分として表示していいというルールがあったり、肌トラブルの原因になるけれど防腐のために入っている石油系成分があったり……。自信をもって「本当にいいものです!」と胸を張れるモノづくりがしづらい状況なのです。

──そんな現実があるとは驚きです。そういう状況の中で「NEMOHAMO」はどんなコスメを目指したのでしょうか?

樋口さん:オーガニックで、自然由来で、安心できるものであることに加え、効果の実感できる化粧品をお客さまにお届けしたいと考えました。そのために根本に据えたのが植物の「全草」を使うことです。

一般的に、植物を化粧品原料として使う際は、ヨモギ「葉」エキスやオリーブ「果実」油など代表的な部位だけが使われることが多いです。でも私たちは、植物が厳しい自然界でも生き抜けるのは、根から茎、葉、花までの全体でバランスが取れていて、全草まるごとに力強い生命力を宿しているからではないかと考えました。マクロビオティックの「一物全体」に近い考え方です。栄養学から見ても、植物の皮・葉や小魚の骨などは栄養が豊富ですよね。

植物が生きるために持っている、バランスの取れた力をそのままお肌に活かすため「全草」を配合する。だからこそ、「NEMOHAMO」というブランド名を名付けました。

──石油原料不使用など、配合成分に徹底したこだわりを感じます。

樋口さん:中途半端なモノづくりはしないと決めています。数%の石油由来原料はOKとされているオーガニック認証もあるのですが、「NEMOHAMO」は石油由来原料は一切不使用です。そのために、自社農園や契約農家様などで生育した原料をメインとし、提携の製造元様で抽出して、原料をブレンドして製品化するまで一貫して行っています。
▼国産無農薬の「オタネニンジン」で、肌の自活力を引き出す
──「オタネニンジン」という植物が使われているのもユニークですね。

樋口さん:私たちのコスメのキー成分「オタネニンジン」は、高麗人参や朝鮮人参とほぼ同じもので、江戸時代から「不老長寿の万能薬」とされています。私たちは希少な日本産の原種を栽培する生産者様と契約し、無農薬で最もコスメに適した3年物のオタネニンジンを、根はもちろん、ひげ根や葉、茎、花まで、すべてエキス化して配合しています。

オタネニンジンにはさまざまな効果効能がありますが、中でも私たちが注目しているのは「恒常性(ホメオスタシス)」です。人間1人1人に備わったバランスを保つちからのことで、自然治癒力や抵抗力、免疫力などとも表現されます。良い肌状態とは、皮脂や水分、ホルモンのバランスが最適な状態をいいますが、オタネニンジンは、そのバランスを最適な状態に導く力を持っているのです。そのため常に調子のいい肌状態をキープしやすくなります。そして、肌の自活力が引き上げられ、乾燥や紫外線に負けにくい強い肌になっていきます。

──「NEMOHAMO」のスキンケアの方法について教えてください。

樋口さん:5つのステップで構成されています。

まず1つめのステップは、クレンジングオイルです。一番搾りの高グレードオイルを使用したクレンジングオイルで、不要なメイクや汚れをすべてオフしてくれるので、この後の洗顔がより効果的になります。小鼻の黒ずみや皮脂汚れも優しく取り除いてくれるので、オイリー肌の方はノーメイク時にもおすすめしています。

2つめのステップは、肌を鍛える洗顔ソープです。健康な人間の肌は弱酸性に帯電しています。弱アルカリ性のこのソープで洗顔すると、肌はいったん、弱アルカリ性に偏ります。その後肌が弱酸性に戻ろうとする「中和能」という作用が働きます。このことで、肌は毎日鍛えられ、強くなっていくのです。

3つめのステップはブースターオイル。洗顔後のまっさらな肌に付けることで、オイルの持つ高い抗酸化力や、オタネニンジンエキスの栄養素がしっかり浸透します。油の粒子は水より細かいので、先にオイルを肌に乗せることで、ローションを効果的に受け止めるための「土台づくり」にもなります。

4つめのステップはローション。高濃度の植物エキスの栄養を肌に与えます。肌のすみずみ、奥深くまで浸透していたブースターオイルが、栄養たっぷりのローションを抱き留めます。非常に分子の細かいオイルとローションが肌の上で自然に乳化され、エキス成分が蒸発せずに肌の奥深くに留まります。

最後のステップは、オタネニンジネキスの濃厚なフルバリア美容液。ブースターオイルとローションで肌に与えた栄養素を肌上にとどめ、逃げないように守ります。フルバリア美容液は乳液状ですが、実は乳化剤を一切使用していません。分子の細かさや植物のちからによる自然な乳化が、NEMOHAMO処方の画期的な点です。
──特におすすめのものはありますか?

樋口さん:「サスティナブルコスメアワード」で最優秀賞に選んで頂いたこともあり、ブースターオイルがいちばん売れ行きがよいのですが、「NEMOHAMO」メソッドの核となるのが洗顔ソープです。弱酸性の洗顔料に慣れたお肌だと、最初は乾燥を感じたりするかもしれませんが、使うほどに肌が強くなり、使い続けるごとに、この石鹸の良さを実感していただけると思います。
▼詰め替えレフィルやパッケージ素材、梱包資材までサステイナブルに
クレンジングオイル

クレンジングオイル

ブースターオイル

ブースターオイル

バランススキンローション

バランススキンローション

ブライトニングローション

ブライトニングローション

エイジングケアローション

エイジングケアローション

フルバリア美容液

フルバリア美容液

──パッケージや容器のデザインは、デザイン事務所の「THE END」さんが手掛けていますね。デザイン面でのコンセプトを教えてください。

樋口さん:樋口さん:はい。THE ENDさんに担当していただきました。まず、ブランド全体の考え方として、一瞬の派手さやおしゃれな“オーガニックスタイル”を目指すのではなく、知的で真面目、この商品や京阪らしい素直な世界観を目指そうと、提案されました。

存在感のあるオレンジの容器は、植物のエキス、エネルギー、大地や太陽など自然の生命力をイメージしていて、ブランドのキーカラーとしてショッピングバッグなどツールにも展開しています。
外箱は、撮影した植物の写真をアイコンに、素材そのものが入っているような標本のようなイメージで、いわば現代的なデザインの漢方薬。処方箋のような、薬効感を感じる佇まいです。

ローションは詰め替えられるものにしたのですが、取り外し部分が少し目立つ容器になり、デザイン的にどうかなとも思っていました。でもアートディレクターの赤迫さんは「違和感があるからいいんだ」とおっしゃって。「“詰め替え”という行為自体が、このブランドのコンセプトをわかりやすくあらわしている。これまでに前例がないから感じる違和感は、言いかえれば自分たちならではの個性。意味のある違和感を大切にすることで、今後それがかっこいいと思われるように育っていくんです」と。実際に、お客様からもローションの詰め替えが予想以上に好評を頂いています。開発中はここまで詰め替えニーズがあるとは思っていなかったので、うれしい驚きでした。

──詰め替えレフィルに加え、パッケージの素材などにもサステイナビリティを徹底されていますね。

樋口さん:全品について、考えられる限りのサステイナビリティや環境配慮を実行しています。スキンケア商品は、クレンジングオイル以外すべて環境配慮容器を採用し、トイレタリー系容器にはサトウキビ廃液を使用したバイオマスPEを使っています。化粧箱にはサトウキビを絞った後に残る繊維(バガス)を採用し、輸送箱もリサイクル率98%以上の段ボールを使い、内箱を廃して省資源化を実現しています。

段ボールをはじめ国産の資材は素晴らしいものが多いのですが、消費者が知る機会は少ないので、メルマガなどでそういう部分も情報発信できればと考えています。
▼ユーザーの声に寄り添い、さらなるサステイナビリティを追求
──お客さまの反応についても教えてください。ブランドとしてターゲットは設定しておられるのでしょうか?

樋口さん:ターゲットは、全年齢、全肌質の方です。 実際の購入者層は、30~40代の方が多いですが、サステイナブルなコスメなので、環境意識の高い若年層のお客様も多いです。

お客様の反応としては、お肌が弱い方からの反響が大きく、「成分的に使える化粧品が限られていたけれどこれは使い心地もよくて嬉しい」とか、50代のお客さまで「これまで使ってきた化粧品の中でいちばんいい」とおっしゃってくださる方もおられます。

──新製品の発売など、今後の展開について教えてください。

樋口さん:年内には、スキンケア系アイテムがいくつか追加される予定です。また、資材も日々進歩していますので、パッケージの素材や、詰替パウチや詰替レフィルなど、より一層サステイナブルなパッケージへの変更を行っていく予定です。

お客様からのご要望や、売り場での気づきなどを、できるだけ商品に反映してお届けできるよう、新商品の開発やリニューアルを行っていきます。
twitter facebook このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS

この連載のすべての記事

アクセスランキング

9.14-9.20

MdN BOOKS|デザインの本

Pick upコンテンツ

現在