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甘いときめき、小さな宝箱

2021.05.31 Mon

日本のクラフト酒とミルクチョコレートを組み合わせ。ロッテの新ブランド「YOIYO」

取材・文:中村美枝(JAM SESSION) 撮影:米山典子 画像提供:ロッテ

先行予約販売で、2021年2月に大手菓子メーカー「ロッテ」からデビューした、“日本に酔うチョコレート”「YOIYO」に注目。絵ハガキに見立ててデザインされた商品パッケージも美しいブランドです。日本のクラフト酒チョコレートに込めた思いを聞きました。

YOIYOの成り立ち、コンセプトについて

公式オンラインショップで展開中の「YOIYO」の開発に携わった、「ロッテ」マーケティング本部EC戦略部 商品企画課の森泰文さんにお話を伺いました。

──「YOIYO」誕生のきっかけ、ブランド名の由来を教えてください。

森 ライフスタイルの変化で、高まりつつあるお客様の「“おうち時間”を大切にしたい」というニーズに応えられるような「心に残る体験価値」を提供できる商品を作りたい。そんな思いが開発のきっかけになりました。

そこで着目したのが、チョコレート市場の中でも伸張傾向にあり、人気が高まっている洋酒入りチョコレートでした。これまで洋酒チョコを召し上がってこられた50~60代の方々、さらには若い世代にも、現在のライフスタイルにあった商品を提案できるのではと考えたんです。

商品名は、「ふらりと旅に出るような気持ちで、夕暮れの黄昏時や夕食後に楽しんでいただきたい」との思いを込めて、“良い宵(よい)”という言葉から「YOIYO」と名付けました。誰かに「良いよ」とおすすめしたくなる商品という意味も忍ばせています。

──どのように開発を進められましたか?コンセプトの「日本に酔うチョコレート」にはどんな思いを込められたのでしょう。

森 まずは、洋酒入りチョコレートになじみのある、50~60代の方々にささるインサイトを考えたところ、2つのことが見えてきました。「夫婦の会話を豊かにする話題」と「知識力を高めたいという欲求」です。夕食後の時間を心地よく酔わせ、造り手への思いを語り合ったり、日本のよさを再確認したり。そんな情景を頭に浮かべながら、品質の向上をめざし、パッケージデザインやサイトなどの製作を進めていきました。

コンセプトには、清らかな水と伝統の技から生まれる、その土地に根付いたお酒を楽しみつつ、日本のよさを再発見していただきたいという思いを込めました。そのため、土地の自然環境と対話しながらお酒造りをしている酒造会社と一緒に、チョコレートとお酒のマリアージュを大切にした商品作りに取り組んでいます。

メインターゲットは50~60代の方ではありますが、若い世代にも広げていきたいですね。ウイスキーがお好きな方はもちろん、ウイスキーは苦手だけれど、チョコレートは好きという方へのウイスキーの新たな楽しみ方の提案になると嬉しいです。

YOIYOの商品・アートワークについて

──「YOIYO」の第1弾「KOMAGATAKE」は、「本坊酒造・マルス信州蒸溜所」のシングルモルトウイスキー「駒ヶ岳」を使用されています。どのような基準で選ばれたのですか?

森 「本坊酒造」さんは、信州、鹿児島、屋久島と、国内3か所にエージングセラーをお持ちで、土地ごとの気候や風土にこだわって製造、熟成を行っています。そこに感銘を受けました。

「YOIYO」は「日本の風土や伝統の技を生かしたお酒を詰め込んだチョコレート」で、“お酒の造り手を介して日本の良さを再発見する”ことがテーマでもありますので、本坊酒造さんの理念にも合致すると思ったんです。

──商品はどのような点にこだわりましたか?

森 ロッテらしいチョコレートとして、なめらかなミルクチョコレートでお酒を包みたいと考えました。長野県中央アルプスの最高峰・木曽駒ヶ岳のふもとで造られる「駒ヶ岳」は、信州の環境を彷彿とさせる“クリーン&リッチ”な味わいが特徴で、冷涼な環境で育ったウイスキーはとてもクリーンな飲み口。天然のミネラル分をバランスよく含んだ仕込み水を使用しているので、丸みを帯びたやわらかな口当たりなんです。最終的に、そこがロッテのミルクチョコレートとマッチしたと思います。

フォトグラファーによって撮り下ろしされた木曽駒ヶ岳の写真
フォトグラファーによって撮り下ろしされた木曽駒ヶ岳の写真

──「KOMAGATAKE」のパッケージの美しさも商品の魅力ですね。デザイン面でのコンセプト、こだわりを教えてください。

森 パッケージにはウイスキーが造られたその土地の空気感を感じていただきたくて、木曽駒ヶ岳の写真を使用し、絵ハガキに見立ててデザインしました。ロッテの社内だけではなく、外部のデザイン会社、フォトグラファーなどと一緒に作り上げています。

デジタル化が進む現代、人の体温が感じられるコミュニケーションはとても貴重だと感じています。信州からハガキが届いたかのような気持ちで「YOIYO」を受け取っていただき、素敵な良い夜を過ごしていただければ幸いです。

──第2弾も予定されていますか?

森 はい、現在、第2弾の企画が進行中です。今後も全国各地で生産されるお酒を選りすぐって、年間で数回「YOIYO」を展開したいと考えています。パッケージのデザインも踏襲していく予定ですので、また日本のどこかから絵ハガキをお届けできると思います。

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