第9回 地味に危険!友人・知人からの依頼について考える

●文:モコ(仮名) ●イラスト:冨田マリー
実際にわたし自身も友だちからのお願いで、何回か仕事を受けた経験があります。やっぱり仲のいい人、知っている人の場合、簡単に断れなかったりするんですよね。けれども断らなかったのが大きな間違いで、ほとんどの案件で泣きたくなるほど苦労しました。
とあるショップで働いている友だちから、ショップで配る冊子の文章を書いてほしいという依頼。「せっかく友だちが依頼してくれたんだから!」と引き受けてみると、スケジュールがころころ変わる、謎の赤字が入る、修正してもまた修正、変なこだわりで先に進まない……など、なかなか解放されずぐったり。とはいえ、“仲がいい”という関係性から強くも言えないんです。
わたし&知り合いのライターさんの体験談から、友人・知人からの困った傾向をまとめてみました。
「昨日戻しの日だったよね?まだかな?」「あ……、上司が休暇中だから、今日も明日も戻せないや。ごめんね」「了解!(え、先に言ってくれや)」。納品日、校正出し戻しなど、スケジュールを立てても、あまり気にされず進行してしまう場合も。
【2】んんん?何言ってるんだ?こだわりがスゴイぞ
ある意味プロの仕事だと、「ここで妥協しなくてはいけない」というポイントがあると思います。けれども、他の業種の人たちの場合、その理解がない場合も。本当に些細なこと、変なこだわりで直しが発生。修正を何度も繰り返して、終着点が見えなくなってしまうケースが多々。
【3】えー!本気で言ってる?ギャラに見あってないぞ
たとえば、1つの記事(取材あり、原稿1500文字程度)を仮に1万5000円だったとしましょう。たしかに1万5000円と聞くと、わりと高い金額に聞こえるかもしれません。けれども、1万5000円の内訳は、取材、原稿作成、原稿チェックなど、さまざまな作業もすべて込みの価格です。1日で終わるものではありません。他業種になってしまうと、ライターのギャラの価格相場がわからないため、「え、そんなするの?信じられない」となって、値切ってくることもあります。

個人的には「今忙しくて」というようにふんわりお断りするのがベターだと思っていますが、関係性を重視して、断れないという人ももちろんいると思います。そんなときは、仕事を受ける前にきっちりと話し合っておくべき!!ライターという職業を理解してもらった方がいいように感じます。
スケジュールを作る場合、事前に誰のチェックが必要か、本当にこの進行で問題ないのか。ギャランティーは適正価格か、どこまでの作業を引き受けるのか……。あとでトラブルが起こらないよう、リスクヘッジできることはしっかりしておきましょう。

都内住みのしがない編集兼ライター。フリーランスになって早5年が経とうとしている。広告関係の案件を担当したり、編集部から依頼されて原稿を書いたり、いろいろする人。

東京在住。人物やキャラクターをゆるく描くイラストレーター。雑誌、広告、アート、CDジャケットなど、さまざまな媒体でイラストを展開している。https://tomitamary.com/