第61回02「British Heart Foundation-Annual Review 2008」 | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
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タイトル画像

(サイトセレクト・文=福岡 陽)

www.bhf.org.uk/annualreview2008/
【British Heart Foundation-Annual Review 2008】

モーションタイポグラフィーが
コンテンツと人々をつなぐ


イギリスの心臓病治療のための基金のWebサイト。トップページでまず目に入るのが、タイポグラフィーで形づくられた赤いハートマークだ。このWebサイトでは基金の財務状況やこれまでの活動、この基金によって心臓病から救われた人たちの体験談を読むことができる。そして、ハートマークを構成する一文一文は記事のタイトルになっている。タイトルのひとつをクリックすると、するすると文字が動き出しコンテンツに切り替わる。このタイポグラフィーの有機的な動きが秀逸で、最初のハートを心臓とすれば、それぞれのタイトルはさながら血液といったところか。

タイトルは1ページごとにていねいにデザインされていて、スクリプトによる自動生成ではない、しっかりと手がかかっているところに気遣いと安心感を覚える。さらにタイトルは毛細血管のようにつながっており、次々に関連したコンテンツを読み進むことができる。既読の記事タイトルは灰色で表示され、堂々巡りする心配はない。

このコンテンツ遷移の仕組みが、基金がつくり育てた人々の輪をうまく連想させている。組織の活動内容を文面だけでなく、サイトデザインからも伝わるようになっているのはWebならではの手法だろう。人々の活動のつながりこそがこの基金の存在意義だということを、ハートマークが秀逸に表現している。

British-Heart1
British-Heart2British-Heart3
本記事は『web creators』2009 vol.85からの転載です。本特集全記事は誌面で読むことができます。
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