LINEの行く手を阻むのはPathか?

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LINEの行く手を阻むのはPathか?


LINEの行く手を阻むのはPathか?

2012年07月23日
TEXT:小川 浩(株式会社モディファイ CEO 兼クリエイティブディレクター)


LINEが元気だ。無料通話アプリからモバイルSNSに進化し、そしてゲームなどを含むアプリ開発のためのオープンプラットフォームへと変貌しつつある。すでに世界200カ国以上で利用され、登録者は4500万人(うち国内は2000万人)という。LINEはNAVERで知られる韓国企業NHN Corpの日本法人であるNHN Japanによって開発、運営されている。和魂洋才ならぬ和韓洋才、とでも言えば当たっているかもしれない(笑)。

ソーシャルネットワークサービスは、Facebookが世界制圧した時点から大きく変容してきている。実名ネットワークとして誰もがアカウントをもち、共通の基盤としてはFacebookが圧倒的な勝利を収め、それを良しとしないGoogle+が基本的に同じコンセプト・同じサービス内容で追っている状況だが、誰もが使うサービスになるということは特殊なニーズには応えにくい、というジレンマに陥る。

その結果、米国では友人として登録できるのは150名までという“人数制限”および“モバイルベース”を売りにしたPathが登場した。そして“写真だけ”“モバイルだけ(Webに進出するらしいが)”縛りのInstagramが、10億ドルクラブの仲間入りをした。“写真だけ”縛りではPinterestが台頭したし、“マルチメディアコンテンツの共有”にフォーカスしたTumblrがTwitterを超える成長を見せている。彼らに共通するのは、なにかにフォーカスしていることと、原則としてモバイルサービスであることだ。

日本ではmixi対Facebookという図式に関心が集まっていたのは1年前までで、もはやmixiは和製Facebookというよりは和製MySpace(つまり、いつ誰に買い叩かれる? という興味の対象)になりつつある。mixiは実名制なのか、それとも匿名性なのか? という中途半端な立ち位置に加え、鳴り物入りで準備したはずのmixiページでは大失敗し、それ以降新しいサービスモデルの開発をしているという声さえ聞かなくなってしまっている。TKO(テクニカルノックアウト)を言い渡されかねない状況だ。厳しいことを書くようだが、早くなにか革新的なものをリリースしないことには、ほんとうに忘れ去られてしまうことになる(逆にいえばまだ間に合うかもしれないのだから、早く早く!)。

LINEは、上記のFacebook生態系の上や隙間に咲き始めた、新しいソーシャルネットワークサービス群の中でいえばPathに近いかもしれない。Pathは2.5億ドルの評価額をもって、今年の4月に3000万ドル程度の資金調達を行っており、日本人にはまだ見えないところで急成長を続けている。LINEは世界に打って出るうえで、おそらくはこのPathとの直接対決となるのではないか、と僕は考えている。

ただ、Pathの創業者でありCEOであるDave Morinは、元Facebookの社員であり、前述のようにFacebookが補えていないモバイル分野のサービスであるうえ、拡張しすぎたことでFacebookが失いつつある「本当にクローズドな関係=親や兄弟や親友たち」でのコミュニケーションに強いということから、出口戦略は結局Facebookに売ることであるかもしれない。となると、LINEの敵はやはりFacebook、ということになるかもしれないのである。

もちろんFacebookにLINEを売るという選択肢が、NHN Japanにはある。となれば、Path vs LINEは、Facebookにどちらが先に買ってもらえるか? というゲームになるのかもしれない。

LINE
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Path
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[筆者プロフィール]
おがわ・ひろし●株式会社モディファイ CEO兼クリエイティブディレクター。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。
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