マイクロインフルエンサーに右往左往するソーシャルメディアマーケティングの実態

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マイクロインフルエンサーに右往左往するソーシャルメディアマーケティングの実態


マイクロインフルエンサーに右往左往するソーシャルメディアマーケティングの実態

熱狂的なファンが集まるイメージ
熱狂的なファンが集まるイメージ

2016年6月6日
TEXT:小川 浩(シリアルアントレプレナー)


みなさんはDecologをご存じだろうか。当コラムで前回、10代から20代前半を中心とする若年層と、30代以上の大人では使っているソーシャルサービス、SNSが異なっており、年齢差による境界線が生まれていることを紹介した。

その代表的な例のひとつといえるのが、Decologなのである。名称でもわかるように、コンテンツやプロフィールなどを、用意された画像パーツやフィルターなどを使ってデコる(デコレーションをする、略してデコる)ことで、他のユーザーと差別することを特徴とする、いわゆるブログサービスだ。

Decologは、まずモバイルに特化している。そして、女子にも特化しているという点も特徴である。それも文字通りの女子、つまり10代の女の子たちをターゲットにしているサービスであり、年齢差だけでなく性差という境界線を明確に引いている。

このDecologは、少なくとも一般的な社会人には縁遠く、知らない人は多いだろうと思われる、強力なマイクロインフルエンサーが存在する(※1)。例えば、ちいめろさん「(・゚ρ゚ちいめろ)」は、子育ての模様と自身の整形ネタを披露しているママブロガーであるが、彼女が紹介したダイエットやメイクなどの商品やサービスは、あっという間に若い女子たちに広がるという。彼女だけではない、他にも多くのブロガーが、我々には計り知れないほどの経済効果を持っており、多くのマーケターから注目を集めているのだ。

※1 マイクロインフルエンサーとは:全国区的な知名度があるわけではないが、特定の領域では熱狂的なファンを有する、狭い範囲でのカリスマ的存在

この状況は、インスタグラムでもYouTubeでも同じことがいえる。特定の領域にフォーカスして少数だが熱狂的なファンを集めることで、非常に濃く緊密なコミュニティを形成するマイクロインフルエンサーの存在は数多く確認されているのである。

これをミュージシャンで例えるならば、東京ドームを満員にすることができないとしても、300~1000人くらいのキャパの会場であれば、ライブ会場を満員にしてしまうバンドと同じある。この集客力があるからこそ、全国各地でライブを開催し、非常に高い収益をあげられる、というのとビジネスモデルなのだ。

今、年齢や性差、趣味嗜好の違いによって、コミュニティが乱立するようになり、その中で小さいが濃厚で密な空間で圧倒的な人気を醸し出すことができる、そんなマイクロインフルエンサーが台頭している。いわゆるマイクロインフルエンサーたちは、巨大だが密度が希薄化したFacebookのような空間では発生しづらいが、若者を中心に分散して成立したさまざまなSNSの中で、大人が知らぬところで短期間で成長しているのである。


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[筆者プロフィール]
おがわ・ひろ●シリアルアントレプレナー。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。
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