第3回 マーケティングコンテンツのつくり方

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第3回 マーケティングコンテンツのつくり方


第3回 マーケティングコンテンツのつくり方

コンテンツマーケティングを成功させるのに大切なのは、やはりコンテンツそのものの質です。今回は本書のChapter3「マーケティングコンテンツのつくり方」より、コンテンツテーマからいかにコンテンツへと展開するのか、その作成ノウハウについていくつか紹介しましょう。
2016年7月8日/執筆:渡辺一男(株式会社日本SPセンター)



■4つのコンテンツの型を使い分けよう

◯用途に合わせて型を使い分ける

ペルソナ、カスタマージャーニーマップ、コンテンツマップなどコンテンツマーケティング戦略の手順に従って必要なコンテンツが把握できたからといって、自動的にコンテンツが生まれるわけではありません。また、いくら戦略が優れていても、コンテンツの質が低ければ成果を上げることができません。質の高いコンテンツをつくるには制作の技術が必要です。

以下の4つの型は、コンテンツを考える切り口として使えます。料理と同じく、同じ素材を使っても調理方法次第でおいしさは大きく変わるもの。手法を知って、適切な手段を選択できるようになりましょう。

◯ファクト型

テーマに基づいた事実をストレートに表現する手法です。数字で語る、比較で語る、比喩で語るなどのバリエーションがあります。商品やサービスに関連する調査データや統計データを利用することでコンテンツに客観性を持たせることができます【01】。

【01】ファクト型 セキスイハイムが運営するスマートハウスの情報サイト「スマラボ」。スマートハウスに関連する情報を数値化してわかりやすく説明している
【01】ファクト型
セキスイハイムが運営するスマートハウスの情報サイト「スマラボ」。スマートハウスに関連する情報を数値化してわかりやすく説明している

◯オーソリティー型

著名人や専門家などに商品やサービスを評価してもらう手法です。第三者からファクトを語ってもらうことにより、ある程度の客観性を持たせることができます。第三者が難しい場合は、自社の社員を専門家として取り上げてもよいでしょう。継続することにより、信頼感を醸成することができます【02】。

【02】オーソリティー型 ライオンが運営する、くらしに役立つ生活情報を提供するサイトLidea(リディア)。専門知識を持つ暮らしのマイスターを立てることで信頼性を高めている
【02】オーソリティー型
ライオンが運営する、くらしに役立つ生活情報を提供するサイトLidea(リディア)。専門知識を持つ暮らしのマイスターを立てることで信頼性を高めている

◯お客様の声型

実際に商品やサービスを購入したお客様は最大のセールスマンです。見込客が自分と似た状況のお客様の声を知ることができれば、“自分事”として商品やサービスの価値を実感する可能性が高くなります。さまざまなタイプのお客様の声を紹介すれば、さらに効果が高まります。

お客様の声の利用方法で重要なのは取材です。お客様に自由に語ってもらった内容を掲載しているだけのウェブサイトが多くありますが、商品を褒めているだけで逆に信頼性が損なわれる恐れがあります。取材をすることで、よい点も悪い点もバランスよく聞き出し、ある程度の客観性を持たせることができます【03】。

【03】お客様の声型 Panasonicの除湿機ウェブサイト。「下着などの洗濯物はプライバシーが気になり、気軽に外に干せない。」という生の声をうまく利用している
【03】お客様の声型
Panasonicの除湿機ウェブサイト。「下着などの洗濯物はプライバシーが気になり、気軽に外に干せない。」という生の声をうまく利用している

◯ユーティリティー(Youtility)型

Youtilityとは、アメリカのコンテンツマーケティング界で有名なジェイ・ベイヤーが提唱した概念です。You(お客様)とUtility(便利)というふたつの単語を組み合わせた造語ですが、その言葉の意味どおり、お客様にとって役に立つ情報を便利な形で提供する方法 です。

この背景には、コンテンツの価値を高める作業に加え便利さを付加すれば、よりコミュニケーション効果が高まるのではないかという考え方があります。コンテンツに情報価値と利用価値というふたつの価値を加えたことが斬新です【04】。

【04】ユーティリティー(Youtility)型 Columbia Sportswear Companyが提供しているロープの結び方紹介アプリWhat Knot To Do。自社の見込客であるアウトドアを楽しむ人々に長く使ってもらうために、ロープの結び方というニッチな情報を、アプリという便利な形で提供して関係性を構築している
【04】ユーティリティー(Youtility)型
Columbia Sportswear Companyが提供しているロープの結び方紹介アプリWhat Knot To Do。自社の見込客であるアウトドアを楽しむ人々に長く使ってもらうために、ロープの結び方というニッチな情報を、アプリという便利な形で提供して関係性を構築している




■商品特性に合わせてアプローチトーンを考えよう

◯コンテンツに適切な表情を持たせよう

商品に合った適切なトーンでアプローチできるように、コンテンツの表現方法を決める必要があります。著名なSmart Insights社のコンテンツマトリックスを利用すると、商品特性に合わせて4つのアプローチ表現を使い分けることができます【05】。

【05】Smart Insights社のコンテンツマトリックス (図はSmart Insights社のコンテンツマトリックスをもとに改変しています)
【05】Smart Insights社のコンテンツマトリックス
(図はSmart Insights社のコンテンツマトリックスをもとに改変しています)

◯認知段階のアプローチ

まず、見込客との最初の接触となる認知段階ですが、情緒的にアプローチする方法と、論理的にアプローチする方法のふたつがあります。自動車を例に挙げると、フェラーリなどの高級車は「格好よい」「憧れ」といった情緒的アプローチが適していますが、プリウスなどの新しい考え方の車には「環境にやさしい」「燃費がよい」といった論理的アプローチのほうが適切といった形です。

◯検討段階のアプローチ

検討段階におけるアプローチ方法ですが、これには代理体験型説得型の2種類があります。代理体験型とは、旅行など、いくらビジュアルや言葉で説明したとしてもなかなか価値が伝達しにくい商品について、第三者に語ってもらうという手法です。

最終的には本当の価値は商品やサービスを体験したあとでないとわからないのですが、経験者、体験者の語る話は、ある程度の代理体験となり、企業が直接語るよりも説得力が高まります。

これに対して説得型は、直接的あるいは間接的にロジカルに商品やサービスの優位点を説明していく手法です。技術やスペックの違いがベネフィットに大きな違いを与える商品、「何馬力」といったような数値そのものが誰にでもわかる価値を提供できるような商品に適した表現手法です。

◯4つのアプローチ方法の組み合わせ方

認知獲得段階での情緒的アプローチと論理的アプローチ、検討段階での代理体験型アプローチと説得型アプローチ、この4つのアプローチ方法を組み合わせることにより、商品やサービスの特性に合わせて、認知から購買にいたるストーリーを組み立てることができます。例を見てみましょう。

感覚に訴える商品で、体験しなければ事前に価値がわからない商品

テーマパークやホテルなどは、このカテゴリーに属します。認知段階での情報伝達は楽しさの演出、検討段階では体験者のコメントで代理体験といったコンテンツのつながりで購買まで導くストーリーが適しています。

感覚に訴える商品で、ベネフィットを論理的に語れる商品

スポーツカーやバイクなどはこのアプローチが適しているでしょう。認知段階では情緒的な情報伝達により憧れを醸成し、検討段階ではメカニズムやスペック的な情報を論理的に伝達することにより、性能の裏付けをして納得してもらうという展開になります。

論理的に訴える商品で、ベネフィットを論理的に語れる商品

このカテゴリーにはソーラーパネルなどがあります。省エネなどに興味がある見込客に対して、ソーラーパネルの知識や選び方などを啓蒙することで認知を獲得し、検討段階では発電量やメンテナンスコストなどについて数値で論理的に語って納得してもらうという展開が有効です。

論理的に訴える商品で、体験しなければ事前に価値がわからない商品

語学学校などはこのカテゴリーに属します。見込客は、どの学校がよいか検討しようするものの、論理的な情報だけでは最終決断できないものです。このようなケースでは、体験者の声を聞くことによって、検討から購買に結びつける展開が有効となります。


以上で第3回は終了です。次回はコンテンツマーケティングの4つの種類について紹介しますので、お楽しみに。

なお、書籍のChapter3では、さらにユーザーインタビューのポイントやコンテンツをストーリー化するコツなどを解説していますので、ご興味のある方はぜひご一読ください。

第2回「コンテンツマーケティングの始め方 
第1回「コンテンツマーケティングの基本概念
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