新たなSNSとして流行の兆し?
いま話題のマストドン、その特徴から使い方まで(後篇)
TEXT:編集部
新しいSNS「Mastodon(マストドン)」が、先週頃から大きな注目を集めている。ポストTwitterと俄かに騒がれ始めて1週間。新しいもの好きで、飽きやすくもあるネットユーザーは、どのようにマストドンを活用しているのだろうか。前編に続き、いまネットの世界を駆け巡っている話題のサービス「Mastodon」について、基本操作や注意点などを編集部でまとめてみた。
▷マストドンではツイッターが抱える課題をクリア
ツイッターに比べ、このあたりの使い勝手も気が利いていると感じさせる。
そのほか、ユーザーの閲覧環境や嗜好の違いに対する配慮する機能も充実していて、テキストで「閲覧注意」(CW=Content Warning)と表示したり、「閲覧注意」の部分は「蓮コラ注意」や「飯テロ注意」などのオリジナルワードに変更することもできる。
さらに画像に関しても、不適切なコンテンツには「閲覧注意」ボタンと表示させることが可能なため、投稿に画像を選択するとNSFW(Not Safe For Work)、つまり「職場で見るには危険」という選択が現れ、見る人に対して「自己責任で見て下さい」という意味の注意を促すことができる。ほかにも、広告や行動追跡(トラッキング)がない点もマストドンの特長としてあげられるだろう。
マストドンの特徴である誰でもインスタンスを立ち上げて、ユーザーを集められるという点は、悪用される危険性も孕んでいる。悪意あるユーザーによって運営されるインスタンスが、ユーザー名やメールアドレス、パスワードなどの個人情報を裏で売り飛ばす可能性はゼロではないし、個人によって運営されるサーバーのセキュリティがどこまで安全なのかは未知数だ。
また、インスタンスによっては他の国の法律的に認められないコンテンツを多く含む場合があり、他のインスタンスとの連合が成立せず、クローズドなつながりのみとなる可能性がある。さらに、マストドンのデフォルトの機能にアカウント削除機能がない点も問題視されている。
ユーザーからは、2016年10月の時点でアカウント削除についての公開質問が開発者のEugen Rochko氏に対して投げかけられているが、同氏は削除するアカウントのユーザー名がすぐに新規登録されるのを防ぐために、アカウント情報の保持などの必要があり、その手間を考えるとアカウント削除機能の実装について否定的で、質問から7ヶ月たった今もアカウント削除機能は無いままとなっている。
▷世界で最も盛り上がる日本での今後の展開
[マストドンの基本用語]
Eugen Rochko氏はアメリカのプログレッシブバンドMastodonのファンであり、そこから中新世から更新世にかけて全世界に生息していたゾウやマンモスと似た大型哺乳類Mastodonに興味を持ち、新しいSNSのサービス名としてマストドンを選んだ。
・トゥート(Toot)
投稿のことは吠えるという意味のトゥートと呼ばれる。マンモスの声ならば吠えるという響きは適当であるし、Twitterのツイートと上手く語感も合わせている。一方、Twitterの140文字という文字制限に対し、マストドンは1投稿で500文字まで入力できるという点で大きく異なる。
・ブースト(Boost)
Twitterのリツイートはブーストと呼ばれていて、Twitter同様拡散力の強い機能となっている。マストドンを利用する上で覚えておきたいワードは上記のトゥートとブーストの2つが基本となっている。ほかの用語、返信(Reply)、お気に入り(Favorite)、フォロー(Follow)、タイムライン(Timeline)などは同じなので、Twitterを使っているユーザーならば、ほぼ違和感なく始めることができるだろう。