テレビ会議やビデオチャットを行うにあたって、マイクやスピーカーは、なるべくよいものを用意したいところ。もちろん高望みをし始めるとキリがありませんが、ここ1~2年で発売されたノートPCは、その多くがテレビ会議での利用を想定してマイクやスピーカーが強化されているのに対し、それ以前のノートPCは、声が聞き取りにくかったり、あるいはこちらの声が相手にうまく届かないことがあります。
こうした場合の手頃な方法のひとつとして、スピーカーホンの存在が挙げられます。多くの製品は円盤型のボディの上部にスピーカーを搭載し、相手の声をそこから再生しつつ、周囲に内蔵されたマイクによって、こちらの声をクリアに拾ってくれるというものです。
こうした製品は多数発売されていますが、今回紹介するJabra Connect 4sは、個人利用に適したスピーカーホンの最新モデルです。
Jabraはこの分野では定評があるメーカーで、コロナ禍以前から、オフィスで使うためのスピーカーホンを手掛けていることで知られます。会議室のテーブルの中央にこうしたスピーカーホンを設置し、どの方向からでも声を聞き取りやすくするというのが、基本的な利用スタイルになります。
今回紹介する「Connect 4s」は、そんなJabra のスピーカーホンの最新モデルです。同社には「Speak 510」というロングセラーモデルがありますが、本製品はその外観をそのままに、個人での利用に特化したモデルです。形状やボタンの配置など見た目はまったく同一ですが、個人利用向けにマイクの数が減らされており、そのぶん価格が安いことが特徴です。
本体下部には、巻取式のUSBケーブルが備え付けられています。PCなどデバイスとの接続はこのUSBでも行えますが、基本となるのはBluetoothでの接続です。これならばノートPCに限らず、タブレットをはじめBluetoothが使えるデバイスであれば、OSなどに依存せず利用できるというわけです。
使い方は簡単で、デバイスとBluetooth接続をすれば、その時点でマイクおよびスピーカーとして認識されますので、あとは本製品に向かって話し掛けるだけです。スピーカーの音量調整はもちろん、マイクのオンオフも本体側でコントロールできますので、デバイス側でわざわざオプションを開いてこれらを調整しなくとも、直感的に利用できます。
ノートPCを使ってテレビ会議やビデオチャットを行う場合、本製品はキーボードの手前、胸元に抱え込むような配置で置くことになるでしょう。個人でテレビ会議やビデオチャットを行う場合、スピーカーからの音があまりにも広がりすぎるのは抵抗がある人も多いはずですが、本製品ならば手元の最小限の空間に収まりますので、なるべく小規模で会話をするのに向いています。ちなみに集音範囲は1.5mとされています。
試してみた限りでは、ノイズキャンセリングにまつわる機能は搭載していないこと、またBluetooth接続にまつわる音声メッセージがすべて英語で、慣れていないと接続に苦労する可能性はありますが、音は非常にクリアで、ロングセラー製品の直系のモデルであることを感じさせます。
また持ち歩き用のポーチも付属しますので、会議のために社内で別の部屋に持ち歩いたり、あるいは外出先に持ち出すのも容易です。競合となるスピーカーホンは1万円を切ることも多く、それに比べると約1万5千円前後という価格はやや割高に見えますが、音質の良さに加え、他社の一部製品のように、周囲が振り向くほど起動時の音量が大きいなどの問題もなく、完成度の高い製品です。
敢えて欠点を挙げるとすれば、本体上面の外周がすべてタッチセンサーになっているため、本体を持ちあげる時にうっかりそれらに触れてしまいやすく、意図せず電源が入ったり、音量キーなどが反応する場合があることです。こうした点は利用にあたって注意すべきポイントといえるでしょう。
- DATA
製品名:Jabra Connect 4s
実売価格:14,850円
発売元:Jabra
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/B09Z56VXP4/
2022.06.21 Tue