今のユーザーは、バージョンアップによる機能追加に興味がない人が多くなっている気がします。
「だって、自分の使いたい機能が使えればいいという人がほとんどでしょう。もちろん、バージョンアップによって機能やパフォーマンスがよくなることは大歓迎なんです。理想論を言うと、みんな新しいバージョンを導入すれば、データ互換性の問題も少なくなるし、作業効率も上がるしで、幸せになれる。
でも、それにはまず第一に、コストが大きなハードルになっていますよね。今回のCS5.5から月ごとに決まった金額を支払うサブスクリプションという新しい選択肢ができたのも、そういった世間の考え方を反映したものなのでしょう。ただ、個人的にはCS5.5のサブスクリプションは高いし、まだまだ実験的な印象。今後に期待したいところですね」
コストのほかに、動作環境がネックになってバージョンアップできないユーザーも少なくないですよね。
「先日、MacBook ProのストレージをHDDからSSDに変えたんですが、レスポンスが驚くほど向上したんですよ。Mac OS自体もバージョンアップによってパフォーマンスが上がっています(編集部注:この取材の時点ではSnow Leopardを使用。Lionは未発売)。いまの自分の環境だと、Mac OSを立ち上げるのに15秒くらい。そこから、アドビの最新バージョンのアプリケーション7本を同時に起動すると、10秒ぐらいですべて立ち上がる。あとIllustratorファイルの保存時間の短縮も大きなポイント。個人的には、マシンやOS、アプリケーションといった制作環境には、時にはコストをかけるべきだと思うんです。このストレスの軽減はすごいですから」
Photoshop/ Illustrator CS5が登場して1年が経ちますが、
鷹野さんは導入に値するバージョンと考えますか?
「まず両ソフトとも、CS3で新機能が大きく増え、安定性も上がって、製品としてこなれてきました。ただ、CS4はちょっと地味なバージョンアップでしたね。だから、個人的には特にCS5はCS3以前で満足している人には、使ってほしいバージョン。きっと、前のバージョンに戻れなくなるはず。ただ、新しいバージョンを生かすには今までのワークフローを見直すことも必要だと思います。ベテランほど搭載されている機能を使い切っていませんから。その意味でも、実際に導入するか否かは別として、一度体験版などで自分の手で触ってみるとよいのではないでしょうか。新機能や強化された機能、安定性、速度など全体的に考慮してみれば、自然に導入するべきかが見えてくるはずです」
構成製品 | Adobe Acrobat X Pro 日本語版、Adobe Photoshop CS5 Extended 日本語版、Adobe InDesign CS5.5 日本語版、Adobe Illustrator CS5 日本語版、Adobe Dreamweaver CS5.5 日本語版、Adobe Fireworks CS5 日本語版、Adobe Flash Catalyst CS5.5 日本語版、Adobe Flash Professional CS5.5 日本語版 |
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価格 | 製品版 24万9900円(本体価格23万8000円) |
応募方法 | 応募ページから必要事項をご記入のうえ、ご応募ください |
締め切り | 2011年9月7日 ※当選者の方には、後日ご登録いただいたメールアドレスにご連絡いたします ※当選結果についてのお問い合わせはお答えできません |