SPECIAL INTERVIEW
Windows機でWacom液タブの仕事環境をそのまま持ち運びたい

ペンギン・ハイウェイの石田祐康監督が
『raytrektab 10インチモデル』を
オススメする理由

サードウェーブが今年2月に発売した『raytrektab 10インチモデル』は、筆圧検知や傾き検知に対応したワコム製デジタイザーペンが付属するクリエイター向けタブレットPCだ。OSにWindows 10を採用しており、ふだん利用しているアプリなどの仕事環境をそのまま持ち運ぶことができる。ここでは、実際に同製品を現場で活用しているアニメーション監督の石田祐康さんに、その使い勝手や描き心地などを伺った。

サードウェーブが今年2月に発売した『raytrektab 10インチモデル』は、筆圧検知や傾き検知に対応したワコム製デジタイザーペンが付属するクリエイター向けタブレットPCだ。OSにWindows 10を採用しており、ふだん利用しているアプリなどの仕事環境をそのまま持ち運ぶことができる。ここでは、実際に同製品を現場で活用しているアニメーション監督の石田祐康さんに、その使い勝手や描き心地などを伺った。

『raytrek』は、PCショップ「ドスパラ」で知られるサードウェーブが販売するクリエイター向けPCのブランド名。デスクトップからモバイル端末まで多彩なラインナップが展開されているが、そのうち「絵の描き心地」を追求したタブレットPCが『raytrektab』シリーズになる。2017年4月に発売された初代「8インチモデル」の好評を受け、2018年12月にはディスプレイサイズや機能をアップした「10インチモデル」が登場。そのraytrektab 10インチモデル(以下:raytrektab10)を発売当初から愛用しているのが、アニメーション映画『ペンギン・ハイウェイ』などで知られる石田祐康監督だ。ラフスケッチはもちろん、メモ取りやアイデアの整理、企画書の作成など幅広い用途に活用しているという。ここでは石田監督に、クリエイターならではの視点で同製品の魅力を語っていただいた。

raytrektab10 インチモデルの購入の決め手は軽快な描き味!

Q.1

はじめてraytrektab を知ったのはいつ頃でしょうか

石田監督実はクリエイター向けPCブランドの「raytrek」については、学生の頃から馴染みがあったんですよ。在学中に自主制作した作品『フミコの告白』が文化庁メディア芸術祭で賞をもらい、その賞金でパワーのあるデスクトップマシンを購入しようと思って選んだのが「raytrek」シリーズの製品だったんです。

そのブランド名を冠したタブレットPC「raytrektab」を知ったのは、初代モデルが発売された2年くらい前のことですね。当時はなんとなく頭に留めていた程度だったのですが、後に同じスタジオの作画監督をしていたメンバーが購入して「これいいよ」と勧めてくれて。実際に触らせてもらったら思った以上にペンの反応も描き心地もよく、そのメンバーに頼み込んで1日貸し出してもらったくらいです(笑)。

Q.2

raytrektab 10インチモデルを購入する決め手になったポイントは?

石田監督初代のraytrektab 8インチモデルが登場した頃は、まだ仕事での必要性をあまり感じていなかったので、気にはなりつつも様子見といったところでした。「もう少し画面サイズが大きくなったら買ってみたいな」という感じですね。それがちょうど『ペンギン・ハイウェイ』を作ったあとしばらくして10インチモデルが発売されてしまって(笑)。

僕の場合、こういった製品を購入するときは量販店の店頭に行って仕事で想定しうることをあらかた試してから判断するのですが、raytrektab 10インチモデルに関しては試さずに即決で買ってしまいました。8インチモデルを触ったときの信頼感があったので「新しいモデルでよくなることはあっても悪くなることはないだろう」と。その通りでしたが(笑)。もちろん、他社のWindowsタブレットも同時に比較検討しましたが、描き心地に関する部分でraytrektabを超えるものは見つかりませんでした。

最終的に、その描き心地のよさと、ふだん使っているWindows環境が持ち運べる点、指紋認証センサーを内蔵していて手軽にログインできる点などが購入の決め手になったと言えますね。

Q.3

現在の制作環境のなかで、raytrektab10はどのように使用されていますか?

石田監督raytrektab10を購入した当時は、メインのツールとしてWacom Cintiq Pro 16を使っていました。現在は、よりマルチタスクしやすい環境が必要になったこともあって、Cintiq Pro 16よりも画面の大きなCintiq Pro 24を会社と自宅の両方に導入しています。ガッツリと仕事に取り組むときはCintiq Pro 24を、持ち運び用にraytrektab10をという具合に使い分けていますね。

raytrektab10は、本体とペンを合わせても660g程度と軽いので持ち運ぶ際も負担にならないんですよ。そのため、常時カバンの中に突っ込んで、どこに行くにも一緒に持ち歩いています。ラフでアイデアを描いたり、コンパクトなワイヤレスキーボードと繋ぎWordで企画書などを作成したり……。

仕事柄、メモを取ることが多いのですが、そんなときも重宝しています。イラストを描き添えてアイデアをまとめたりするのにとても便利で。MicrosoftのOneNoteを使っていますが、こういったアプリなら自動的に端末間で同期してくれますから、出先のraytrektab10で取ったメモを会社のデスクトップPCで確認するといったことがシームレスに行えるんです。

このほか、仕事で制作した成果物を出先で確認したいときなどにも役立っていますね。Windowsアプリが動くので、たとえば2Dアニメーション制作ツール「TVPaint Animation」で制作したファイルもそのままアプリ上で開いて確認できますし、別のファイル形式に書き出したりもできる。それがすごく便利でありがたいと感じています。

コンパクトなワイヤレスキーボードとデジタイザーペンを使いながら成果物の確認と修正を行っているところ
raytrektab10でメモ取りを行う石田監督。細かい文字で高速に書き込んでも、描画が遅れたり線が途切れたりしないのがraytrektab10の魅力のひとつだとのこと
2Dアニメーション制作ツール「TVPaint Animation」は、使用時にUSBメモリータイプのドングルが必要になるが、raytrektab10ならUSB-Cポートがあるため柔軟に対応できる

Q.4

raytrektab10インチモデルの描き心地について、率直な感想を教えてください

石田監督僕の場合、液晶タブレットを使う際はレスポンスがいちばん気になるところなのですが、raytrektab10に関しては遅延(レイテンシー)が極めて少ないんです。iPadと同等のレベルですね。筆圧検知や傾き検知も精度が高く、描き心地はとてもいいですね。スキャンレート(ペンの動きを1秒間に読み取る回数)も現行機種の中でもトップらしく、一般的なタブレットPCと比べると筆致が滑らかに感じます。

そのため、手早くスケッチしたり、メモを取ったりするようなときでも、線の描画が手の動きにしっかりついてきてくれるんです。それこそ筆圧検知の繊細さではiPadよりも上だと感じます。まさに「紙に描いているような描き心地」ですが、紙との違いを感じさせないというのは、実はすごい技術だと思います。

あえて気になるところをあげれば、若干の視差とポインターの精度でしょうか。比較ばかりで申し訳ないですが、Cintiq Pro 24のような業務向けの高精度な製品やポインターを必要としない精度のiPadと比べた場合であって、慣れてしまえば大体の人が気にならないレベルです。raytrektab10が初タブレットという人なら、そもそも気がつかないかもしれませんね。

raytrektab10の描き味を試す石田監督。低遅延で高精度な筆圧検知・傾き検知に対応しており、ラフなどを軽快に描けるのが魅力だと語る
少女のイラストを描く石田監督。滑らかな筆致もraytrektab10の特徴

Q.5

液晶ディスプレイの解像度やサイズなど、ほかのスペックについてはいかがでしょうか?

石田監督raytrektabは10.1インチでWUXGA(1,920×1,200ピクセル)を実現していますが、その液晶サイズと解像度のバランスは絶妙だと思います。画素密度が224ppiあってひとつひとつのピクセルが目立たず精細で見やすいですし、画面が広いのでラフやメモも書き込みやすい。アスペクト比が16:10というのもポイントですね。フルHDのように16:9だと、縦向きに持ったときに横幅が少し窮屈で使いづらく感じてしまうんですよ。

メモリが標準で8GBあり、ストレージにSSDが採用されているのも好印象です。初代の8インチモデルはメモリが4GBでストレージがeMMCでしたから。体感的な軽快さや安定感が向上しているのも、10インチモデルを購入する決め手になった部分ですね。

欲を言えばバッテリー駆動時間がもう少し伸びればと思いますが、本体サイズとのトレードオフになるので難しいところだとは思います。もっとも現状でも約7時間持ちますから、一般的なノートPCやタブレットと比べると平均値かもしれません。設定を工夫したり、モバイルバッテリーなどを併用したりすることでそこの不安は解消していけると思いますよ。

また、これも正直にマニアックなところで言えば、CPUの性能がさらにぐんと上がったなら言うことなしですね(笑)。すいません仕事柄つい…。

解像度が1,920×1,200ピクセルと高く、縦向きに持ったときでも一覧性が高いのも評価できるポイントとのこと

Q.6

raytrektab10を使ううえで工夫していることや、オススメの使い方はありますか?

石田監督製品パッケージには本体やデジタイザーペンのほかに、手書き風液晶保護フィルムも同梱されています。この保護フィルムと標準のペンの組み合わせは、細かい描き込みを行う繊細なイラストを描く際に向いている印象です。僕の場合はラフスケッチのようにざっくり大味に描くことが多いのですが、それには標準のペンと保護フィルムはちょっと摩擦が強いんですね。そこで、サードパーティ製の保護フィルムやペンを別途購入して使っています。最近は、raytrektabシリーズのオプション品として用意されている三菱鉛筆9800 デジタイザーペンを購入して愛用中。求める描き味に合わせてペンや保護フィルムを変える楽しみがあるのは嬉しいですね。

鉛筆って、新品のうちは手に馴染まないのですが、使い込むうちに短くなってしっくりくるようになります。三菱鉛筆9800 デジタイザーペンって、ちょうどそのくらいの長さになっていて、初めて使うのに以前から使っているような不思議なフィット感があるんです。6月に販売が開始された「DG-D10IWP2」は、このペンがプレゼントされるキャンペーンが実施中とのことなので、購入したらぜひ使ってみてほしいですね。これまた比較ですが、他社のペンより圧倒的に軽く、木の質感が最高です(笑) 。

標準のデジタイザーペンと三菱鉛筆9800 デジタイザーペンを比較する石田監督。描き味に違いがあり、用途によって使い分けが可能

Q.7

アニメーション監督として、raytrektab10はどんな人にオススメですか?

石田監督これ1台でWindows PCとしてもタブレットとしても使用できるので、アニメーターやイラストレーターなどを目指している学生が選ぶ最初の1台にはぴったりだと思います。学業のためにノートPCが欲しいけれどデジタルで絵も描いてみたいと考えている学生さんなどには、とくにオススメです。WordやExcelなどの実務的なアプリを使うには十分な性能を持っていますし、お絵描きタブレットとしての使い勝手や描き心地はこの価格でかなり高いレベルにありますから。

あくまで僕個人の感覚ですが、昨今はタブレットどころかスマホだけしか持たない人が増えているという話を聞きますが、いざちゃんとモノ作りをしよう!と考えるなら、今でもPCをオススメしますね。もちろん、さらに本気でモノ作りをしたければ、大きい画面の液タブとハイスペックのPC、となりますが、僕が学生の頃にraytrektab10を与えられていたなら骨の髄まで使い込んで、アニメを一本作りきっていたと思います(笑)。

すでにPCや液タブを持っていて、据え置きと持ち運び用の端末を使い分けたいと考えている人にも、raytrektab10は役立ってくれると思います。ふだんWindows PCとWacomの液タブで構築している環境を、ほぼそのまま持ち出せてしまうわけですから、業務の効率化にはうってつけですよね。スタジオコロリドでも僕が使い分けているのを見て4人ほどraytrektab10を導入しました。その意味で、raytrektab10は初心者からプロまで、すべてのクリエイターの強い味方になってくれるタブレットPCだと思います。この路線で、今後のさらなる発展に期待しています!

製品情報

<raytrektab DG-D10IWP2>

raytrektab DG-D10IWP2

サードウェーブが2017年春に市場投入したクリエイター向けWindows 10搭載タブレットPCの最新モデル。Wacom feel IT technologiesを採用し、4,096段階の筆圧検知機能を持つデジタイザーペンを同梱しており、低遅延で高精度な描画を行える。10.1インチ、WUXGA(1,920×1,200ピクセル)の液晶ディスプレイや、8GBのRAM、128GBのSSD、約200万画素のフロントカメラと500万画素のリアカメラなどを搭載し、OSにWindows 10 Pro 64ビットを採用。製品には、セルシスのイラスト・マンガ制作ツール「CLIP STUDIO PAINT DEBUT」のシリアルコードも同梱される。

グラフィックをより美しく進化させるタブレット DG-D10IWP2発売記念 三菱鉛筆コラボデザインのデジタイザーペンプレゼントキャンペーン中
OS Windows 10 Pro 64ビット
CPU インテル Pentium Silver N5000
(1.10GHz-2.70GHz/4コア/4スレッド)
液晶 10インチ/1,920×1,200ピクセル
グラフィックス インテル UHDグラフィックス605(CPU内蔵)
デジタイザ Wacom feel IT technologies デジタイザ4,096階調
メモ 8GB LPDDR4
SSD 128GB SSD
カードスロット microSDXC 128GBまで対応
インターフェイス USB Type-C×1(給電兼用)、マイク入力・ヘッドフォン出力 共用端子×1
無線LAN IEEE802.11ac/a/b/g/n
Bluetooth Bluetooth 5.0
Webカメラ フロント:約200万画素/リア:約500万画素
サイズ 245(幅)×176(奥行き)×9(高さ)mm
質量 本体 約657g、ペン 約5g

DG-D10IWP2発売記念として 「三菱鉛筆9800 デジタイザーペン」プレゼント

購入者には、製図用・筆記具として絶大な支持を得ている鉛筆「9800」のデザインを踏襲したコラボモデル「三菱鉛筆9800 デジタイザーペン」がプレゼントされる。Wacom feel IT technologiesを搭載し、最大4,096レベルの筆圧感知に対応。鉛筆の持ちやすさに加え、自然な使い心地と高精度な描き味を実現している。

アニメーター・監督 石田祐康

1988年、愛知県知多郡美浜町生まれ。愛知県立旭丘高等学校美術科在学中にアニメーションの制作をはじめ、2年生の時に処女作「愛のあいさつーGreeting of love」を発表。京都精華大学マンガ学部アニメーション科に進学し、2009年に発表した自主制作作品「フミコの告白」で第14回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞など数々の賞を受賞した。2012年にスタジオコロリドの1人目の社員として入社。2013年に劇場デビュー作となる「陽なたのアオシグレ」を発表。2018年には森見登美彦原作の『ペンギン・ハイウェイ』にて劇場長編作品監督デビューを飾る。

株式会社スタジオコロリド

オリジナルアニメーションの企画、制作を行う日本のアニメーションスタジオ。未開のデジタル手法を開拓する事で新たなチャンスと現場を作ることを目指し、一貫してデジタル作画の推進に取り組んでいる。長編アニメーション映画『ペンギン・ハイウェイ』(2018)のほか、『陽なたのアオシグレ』(2013)、『寫眞館』(2013)、『台風のノルダ』(2015)などの劇場作品に加えてCM等のショート作品制作を行う。