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ウェブクリエーターオーディション2006

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審査員が語る、チャンスをつかむアートディレクターの資質とは?

- Special Talk -
アーティストサイトの特性とkannivalismオフィシャルサイトのアートディレクターに期待するモノ

NRIネットワークコミュニケーションズ(株) ITSデザイン事業部 部長 松岡清一 x 『web creators』編集長 山口康夫

どれだけアーティストに近い存在になって、感性を共有できるか。(山口)

 まず、音楽系のアーティストサイトというものは、ウェブ制作者の側から見て、どのような特徴があるのでしょうか?

松岡 うちのデザイナーに話を聞くと、音楽系のアーティストサイトをデザインさせてほしいという者が非常に多いんですよ。やはりデザイナーは、デザイン性の高いサイトを作るのが好きなんですね。音楽系のサイトは、デザイナーがそういった面を追求するのに適していると思います。あと、最近の音楽業界はCDの売れ行きがあまりよくありませんから、見た目だけでなく、CDの売り上げに貢献できるようなサイトにすることがミッションとして求められます。
山口 音楽系のアーティストサイトの制作は、アーティストがもっている感性もポイントになってくると思いますが、kannivalismのサイトでは、松岡さんはどういった方向性を考えられているんですか?
松岡 レコード会社とアーティスト本人たちの方向性というのは、必ずしも合致するわけではないと思うんです。私たちはそれを一歩引いた目で見て、落としどころを見つけて作っていかなければならないんです。ただ、一番重要なのは、やっぱりアーティストの意見を尊重することだと思います。
山口 デザイナーにとっては、どれだけアーティストに近い存在になって、感性を共有できるかが大事ですよね。そのためにはどんな資質が必要になるんでしょうか?
松岡 kannivalismの音楽性は、今もどんどん変化しています。彼らの意見だけを聞いてデザインを作ってしまうと、「まだ若いな」という感じになってしまうかもしれない。彼らの意見をどれだけ拾って、なおかつクリエイティブに形にできるか、ということが求められます。先日、kannivalismのファースト・シングルのジャケットデザイン案がいくつかデザイナーから提案されたんですが、本人たちが一番気に入ったのは、僕たちからしてみれば「これはどうなんだろう」というような、かなり衝撃的なデザインでした。でも、その案をよくよく検討してみると、歌詞に出てくるさまざまなイメージをうまく拾って取り込んだものだったんです。本人たちが気に入っているものを、我々が変えてしまうのはよくないな、とそのとき思いました。

山口 大人の意見も大事ですが、一番肝心なのは、アーティストとデザイナーがやりたいことをやることですよね。

松岡 いかにそのよさを削らず、壊さず、そのまま世に出せるか。特に新人アーティストの場合、見る人が「えっ?」と心が揺れ動くようなものであることが必要です。
山口 彼らの年代だからできることでもありますしね。
松岡 今回のオーディションには、kannivalismと同年代の方も大勢エントリーしてくれているんですよ。本人たちも喜んでいました。
山口 若手のデザイナーの方々にとってはいいチャンスですね。音楽系アーティストのサイトを作ることは憧れでしょう。
松岡 エントリーしてくれている方々の志望動機を拝見していると、みなさんものすごく真剣なんですよ。気合いが入っているというか。
山口 極端な話、このオーディションで人生が変わっちゃうかもしれないですから。めったにたどり着けないチャンスでもありますし。
松岡 うちのデザイナーたちも「自分も応募していいですか?」と聞いてくるんです(笑)。

このサイトでしかできない、爆発するような表現を見せてほしい。(松岡)

 音楽系アーティストのサイトにはどういった要素が必要だと思われますか?

山口 音楽というものは、人の心を動かしてナンボだと思います。そのためには、サイトにも「驚き」の要素が必要ですね。もちろん、アーティストの音楽性とサイトのビジュアルデザインのマッチングも重要です。また、サイトのリピーターになってもらうには、アーティスト本人たちの魅力をどう見せるか、どう好きになってもらうかを考える必要があると思います。ウェブデザイナーは、アーティストとファンとの間をつなぐ、両方の気持ちがちゃんとわかる人でなければならないですね。
松岡 まだ詳細をオープンにはできないんですが、ケータイサイトと連携した形で、ファンとの距離を縮められるようなおもしろい試みも考えているんですよ。
山口 そういった仕掛けを考えることも、ウェブデザイナーに求められる要素の一つですよね。

 最後に、今回のオーディションに応募される方々へのメッセージをお聞かせください。

山口 応募される方たちには、僕はとにかく、「これはすごい!」という一発芸を見せてほしい。
松岡 このサイトでしかできない、爆発するような表現を見せてほしいですね。たまってるエネルギーを発散してほしい。私の知っているデザイナーでも、「あの仕事がきっかけになって変わったよね」という「あの仕事」が、必ずあるんです。
山口 何かに参加してものを作ることが、自分を変える契機になることは多いですからね。オーディションという目標を持つことは、すごく大事だと思います。やるからには、一等賞を狙ってほしいですね。
松岡 今回のオーディションを、みなさんにとって、そういうきっかけにしてほしいです。

プロフィール

松岡 清一(まつおか せいいち)
NRIネットワークコミュニケーションズ(株)ITSデザイン事業部部長

野村證券海外非居住者システム、自治体情報化コンサルティングを担当したのち、インターネット事業へシフト。以来、インターネットの黎明期から様々なビジネスへの活用、応用を試み、常に最新技術を取り入れたWebサイトをプロデュースし続けている。

山口 康夫(やまぐち やすお)
(株)エムディエヌコーポレーション
『web creators』 編集長/取締役編集人

WEB制作の総合情報誌『web creators』を2001年に創刊。「ウェブクリエイターズ・オーディション2006」の審査員を務め、同誌編集長の立場から今回のオーディションをバックアップする。

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