ペンタブレットIntuos4を使ったWebクリエイティブワークの裏側

デザインに彩りを与えるアートワークの制作、複雑なオブジェクトのすばやい切り抜き、イメージした通りの軌跡で動くアニメーションの制作、ほかにも膨大な量の写真をすばやくレタッチする用途にも。Webにつきまとうこれら作業を、Intuos4を用いることで効率的に行っているのが同社のクリエイティブスタッフたち。「インスピレーションを即座に形にする」ことと「単純作業の高速化」。ふたつの方向から具体的な利用方法に注目する。

エレファント・コミュニケーションズのIntuos4活用レポート

CASE1 アナログ感覚で雲や芝生を描く
針金を巻いてつくった輪のようなPhotoshopのブラシを自作して、弧を描くようにしていくと、暖かみのある雲が描けます。筆圧に応じて描き込まれる密度は変化しますが、Intuos4のペンならシビアな微調整も楽々です。同じくペン先をプリセットの「葉」にしてこすれば、芝生だって簡単に描けます。描いているときは、ほとんど絵を描いているのと同じ感覚。しかもこれだと速いんですよね(森本)
CASE2 複雑なオブジェクトをすばやく切り抜く
デザインワークにはつきものの、写真素材の切り抜きにもIntuos4は便利です。もちろんマウスを使ってパスを引いてもいいのですが、複雑なアウトラインを引く場合は、ペンで直感的に手を動かしていったほうが、仕上がりが断然美しいうえに速いんです。複雑な形になればなるほど、この直感的な操作性の意味は増します。マウスだと1時間くらいかかってしまう複雑なオブジェクトが、ペンを使えば数分で切り抜けますからね(森本)
CASE3 写真を美しく背景になじませる
写真に処理を加えて背景ときれいになじませる際に役立つのが、細密な表現を可能にする2048レベル筆圧機能です。Photoshopのブラシの大きさと不透明度を適宜調整し、筆圧の強弱でなじませ具合をコントロールしていくのですが、ペンによる操作は直感的でストレスがありません。コーポレート系のWebサイトでも、要所要所でこんなアナログな表現を取り入れると、簡単に彩りが与えられるんです(森本)
CASE4 シンプルなドローイングを即座に
コミックに使用されるようなフキダシ、キラキラとした星印。こういったアナログ色強いドローイング素材は、通常なら紙に手描きしたものをスキャニングするのでしょうけど、Intuos4があればスキャンする手間が省けるうえに、マウスで描くのに比べて、圧倒的にイメージ通りに描くことができます。思いついたら即座にディスプレイ上でビジュアライズできるから、効率アップ、クオリティアップの両方に直結しています(森本)
CASE5 Flashアニメーションの動きをペン操作で
落ちてきたボールが数回バウンドして止まる、あるいはボールが渦を描きながら回転する。こんな動きをFlashアニメーションで実現するなら、FlashのモーションガイドをIntuos4のペンでサッと描くと簡単です。もちろん、ベジェ曲線で軌跡を描いていくこともできますが、ペンに比べるとずいぶん手間がかかります。ましてやスクリプトだともっと敷居が高い。けれどこれなら誰にでも簡単にできます(小岩原)
CASE6 膨大な量のスチールをすばやくレタッチ
コマ撮りアニメに使用する膨大な量の写真を、手際よくレタッチしていく際にも、Intuos4の直感的な操作性は威力を発揮します。マウスで処理していては、時間がどれだけあっても足りません。写真の例は、足に両面テープを貼りつけたフィギュアが壁を上がっていくシーン。コマ撮りした画像数1000枚から両面テープが見えているところだけをPhotoshopのコピースタンプを使って、1枚あたり数秒でサクサク消していきます(井上真洋)

現場のプロが教えるIntuos4の賢い使い方1

Webブラウザ上でタッチホイールを回すことで画面をスクロールすることもできるが、タブレットの側面にあるファンクションキーのひとつをスペースキーに設定し、キーを押さえながらペンを走らせ、ウインドウをすばやくスクロールさせるのが、同社の小岩原流。長いページをサクサクと読み進める際には大変便利だ。もちろん、キーボードに手を伸ばす必要もない。ファンクションキーへの機能の割り当ては全部で8点。小岩原さんの場合、下段にはデフォルトの「Shiftキー」「Ctrlキー」「Altキー」と先ほどのスペースキーの4つを設定。これらは好きにカスタマイズもできる。Intuos4は触れば触るほど手になじむツールへと進化していく。

Intuos4

価格
オープン
対応OS
Mac OS X 10.4.8 以降、Windows 7/Vista/XP SP2以降(64ビット版含む)
URL
https://intuos.jp/