ここでは、色彩検定の公式テキストから、試験範囲の内容を抜粋して掲載するので見てみてほしい。非常にわかりやすい言葉でていねいに解説されており、写真や画像などのグラフィックを随所に配置して、色彩の効果や働きが誰にでも深く理解できるよう構成されているのがわかるだろう。
配色の傾向
カジュアルのイメージには、明るい、活発な、親しみやすいなどがあります。純色から明清色の範囲で、アソートカラーどうし、またはアソートカラーとアクセントカラーどうしの色相の対比が表現される配色が特徴です。
ベースカラー(大面積)
カジュアルイメージの全体的な雰囲気を表す橙から黄の中〜低彩度域の明清色を用います。
アソートカラー(中面積)
ベースカラーとの色相対比や彩度対比といったコントラストが生まれるように表現します。
アクセントカラー(小面積)
ベースカラーやアソートカラーとの色相対比や彩度対比になる高彩度の色を用います。
配色の傾向
シックのイメージには、渋い、洗練された、大人っぽいなどがあります。知覚的にインパクトの強い色は含まず、やや色みを感じさせる無彩色系の色を組み合わせた配色です。茶系は先に解説したクラシック、青系は後で解説するモダンのイメージと重なっていきます。
ベースカラー(大面積)
中〜低明度の無彩色やグレイッシュトーンが中心となります。
アソートカラー(中面積)
ベースカラーに無彩色を用いた場合は有彩色を、ベースカラーに有彩色を用いた場合は無彩色を用います。
アクセントカラー(小面積)
強すぎない対比がイメージの表現につながるので、強調色としての使い方は避け、アソートカラーと同様の使い方とします。
配色の傾向
ロマンチックのイメージには、かわいい、可憐な、愛らしいなどがあります。ペールトーンやライトトーンの、赤紫〜赤みの黄までが選択範囲です。特にピンク(赤系のペールトーン・ライトトーン)を使用するとロマンティックイメージが表現しやすくなります。
ベースカラー(大面積)
ペールトーンが中心となりますが、ホワイト系の使用もアソートカラーとの関係において有効です。
アソートカラー(中面積)
ベースカラーに対して類似色相、類似トーンとします。ベースカラーが有彩色の場合、ホワイト系の使用も効果的です。
アクセントカラー(小面積)
強すぎないコントラストがイメージの表現につながるので、アクセントカラーとしての使い方は避けて、アソートカラーと同様の考え方とします。
※「配色の傾向」について、解説されている「配色の傾向」は、あくまでも調査結果からのひとつの傾向であり、必ずしもこの配色でなくてはならないといったものではありません。例えば、指定されている色相やトーンの範囲から若干のずれがある色が多少含まれていても、全体としてそのイメージが感じられるものもあります。
色彩検定は、カラーに関するスペシャリストを養成することを目的に、1990年から実施されている検定試験だ。さまざまな分野の色彩に関する知識や技能を理論的・系統的に学ぶことで、誰もが「理論に裏付けられた色彩の実践的活用能力」を習得できる資格として約20年間の実績を持つ。2006年度からは色に関する検定試験として唯一、文部科学省後援の技能試験に認められている。試験は毎年春と秋の2回、全国各地の公開試験場で実施され、出題範囲や難易度によって1〜3級がある。そのため、プロのデザイナーやデザインを学ぶ学生をはじめ、社会人、主婦、小学生からお年寄りまで幅広い年齢層の人々が毎年受験し、根強い人気を誇っている。