プロフォトグラファー、画家、イラストレーターらのアーティストと、ハイレベルな出力ニーズに対応する力を備えた出力ショップ・フォトラボ両者を対象にスタートする「DFA（デジタルファインアート）プロダクションパートナー・プログラム」。高品質な写真のプリントや、絵画の高精密複製を行うデジタルファインアートの普及を目指し、日本ヒューレット・パッカード（以下、HP）がスタートしたプログラムだ。

創作物を通じて自らを表現することが仕事のアーティストにとって、作品は“自分の分身”といっても過言ではない。当然、作品をプリント・複製する際の仕上がりには妥協を許さない。このプログラムは、従来アーティストが求めていたプリントクオリティ、それを有する技術力をもった出力ショップ・フォトラボというニーズを満たすもの。

同時に出力ショップ・フォトラボにとっても、高い技術を要する芸術作品のプリント・複製を手掛けることで、自社の認知度やネームバリューを上げるチャンスともなる。

去る7月20日から8月19日まで、東京・九段のイタリア文化会館で開催された「『ヴィスコンティの遺香』篠山紀信・写真展」。
『山猫』、『ヴェニスに死す』などで名高いイタリア映画界の至宝、ルキーノ・ヴィスコンティが没し6年を経た1982年、日本を代表する写真家、篠山紀信氏がイタリアに渡り、ヴィスコンティが残した邸宅、遺品、家族のアルバムなどを撮影。『ヴィスコンティの遺香』という写真集を発表した。同展は、写真集に収録された作品のうち114点を再構成して行われたものだ。

この展示にはHPの技術協力により、大判インクジェットプリンタ「HP Designjet Zシリーズ」を使って出力されたデジタルプリントが使用された。25年前、撮影は35ミリフィルムで行われたとのことだが、展示されたデジタルプリントはまるで昨日撮影されたかのような鮮やかさ。高度なプリンタ技術が月日を越えてヴィスコンティの生きた軌跡を会場に蘇らせた。

東京リスマチック株式会社
営業本部
村田賢一氏（右）、
同事業本部
CMSチームリーダー
河西敬一氏（左）

「『ヴィスコンティの遺香』篠山紀信・写真展」でも使われたHP Designjet Zシリーズ（写真はZ 3100 Photo）。色再現性と色安定性に優れ、広色域を再現する

インクジェット出力された作品は、イタリアの国旗を意識した赤と緑のパネルを使って展示された

この制度では、アーティストの“パートナー”となる出力ショップ・フォトラボを広く募集するが、参加にはいくつかの条件が設けられている。まず第1は、写真、絵画、イラストレーションなどの芸術作品のプリント・複製に求められる、ハイレベルな出力ニーズに対応可能なこと。ハード（出力機器）とソフト（技術力や人材）の両面で、一定以上のレベルを満たしていることが必要となる。第2にHPDesignjet Zシリーズ（2100、3100、6100のいずれか）と、HP純正のサプライ製品（インク、用紙など）を使用することが挙げられる。

一方パートナーには、アーティストの出力要請が優先的に紹介される以外にも、いくつかの優待が設けられる。HP主催のDFAの事例やビジネス展開を紹介する各種セミナーやフォーラムが案内されるほか、現状で技術力が条件に達しない出力ショップ・フォトラボについてもトレーニングセミナーなどを予定している。アーティストと出力ショップ・フォトラボを結び、双方にとって新しいビジネスチャンスの端緒となる試みは、今後もさまざまな展開を見せていく。

ヴィスコンティの生誕100年を記念した今回の写真展と同時に、同名タイトルの写真集も復刊された。

『ヴィスコンティの遺香 愛蔵版』
撮影：篠山紀信　定価：9,000円＋税

本プログラムは、プリント出力サービス関連会社を対象としております。
詳細については、下記メールアドレスまでメールにてお問合せください。
japan.designjet@hp.com