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タイトル画像:コンバージョンレートはまだまだ上がる!

第1回
Webサイト構築の成果はコンバージョンで決まる (1)


企業のブランディングサイトであれ、商品・サービスを販売するサイトであれ、Webサイトの最終的な目標は「存在すること」ではなく、コンバージョンの達成にある。コンバージョンレートを上げるための手法を紹介する本企画。今回は、いかに低コストでトラフィックを集め、集めたトラフィックをいかに効率的にコンバージョンさせるかについて解説する。

(文:松岡清一)

プロフィール用写真:松岡清一 [プロフィール]
まつおか・せいいち
NRIネットワークコミュニケーションズ(株)
Webマーケティング事業部部長


目的のないものは評価されない


Webサイト制作の現場で、ともすると忘れられがちなWebサイト構築の目的。デザインや表現上のテクニックは、そのサイトの戦略に沿ったものでなければならないはずであるが、「存在すること」=「制作すること」が目的になってしまっているように見える企業サイトが散在している。

企業が営利を追求する組織である以上、企業サイトも、やはり営利を追求するサイトでなければならないが、サイト構築のための戦略をおろそかにすると「ただ存在しているだけのサイト」を構築することになる。

では、何のためにWebサイトを構築するのか? 企業サイトであるならば、その会社のビジネスゴールとWebサイト構築のゴールを同じにすべきであり、たとえブランディングのために構築されたサイトであっても、その会社の売り上げに貢献できなければ、存在する意味はない。

企業のオフィシャルサイトやブランディングのためのサイトは、インターネットユーザーに対し、その企業の伝えたい情報を伝播させることが目的となるため、目的の達成度合いはサイトへの訪問者数とその閲覧状況によって評価されるが、物販やサービス提供、顧客獲得を目的としたサイトでは、どれだけの数のユーザーがサイト上でアクションを起こしたかによって評価されるべきである。

つまり、物販を目的とするサイトであれば、どれだけ販売できたかが成果の指標となり、申し込みの窓口として機能するサイトでは、何件の申し込みがあったのかが成果の指標となる。

このようにWebサイト構築のROI(投資対効果)を考える場合、そのサイトが果たす役割によって成果の指標を正しく設定することが重要となる。

ROI の高いWeb サイトとは


企業や商品の認知度向上のために構築するWebサイトでは、1人でも多くの訪問者を獲得し、1ページでも多くの情報を閲覧してもらうことが目的となるため、そのサイトに集客するための投資の評価指数としてはCPCやCPMが用いられる。

CPC:Cost Per Click 1 クリック誘導するのにかかるコスト
CPM:Cost Per Mill 1000 インプレッションの露出にかかるコスト

これに対し、物販やサービス提供、顧客獲得を目的とするData Acquisition Pageでは、サイト訪問者にデータエントリーを促し、申し込みデータを獲得することが目的となるため、評価指標としてはCPAが用いられる。

CPA:Cost per Acquisition 1 件のデータ獲得にかかるコスト

このCPA(1件のデータ獲得にかかるコスト)が低いサイトはROIの高いサイトといえる。このCPA(アクイジションコスト)を抑えてWebサイトのROIを上げるための施策は、

CPA=CPC/CR (CR:Conversion Rate)

の関係式からわかるように、

  • CPC を下げる
  • CR を上げる

のどちらかで可能となる。

CPCを下げる外部トラフィックデザイン


  • どの媒体に出稿するか?
  • どんなキーワードでリスティング広告するか?
  • どんなキャッチコピーのページで引き付けると高いモチベーションでユーザーを誘導できるのか?

これらSEMやLPO等の施策はWebサイトの外側で行われるため、外部トラフィックデザインと呼ばれる【1】 。この外部トラフィックデザインに優れたサイトは広告出稿にかかるコストを低く抑えることができる。

外部トラフィックデザインと内部トラフィックデザイン
【1】外部トラフィックデザインと内部トラフィックデザイン

CRを上げる内部トラフィックデザイン


  • サイト訪問者を迷わせないナビゲーション
  • 商品の購入、サービスへの申込を助ける適切な情報提供
  • データ入力の負荷を下げる効果的な仕組み

これらを考慮して内部トラフィックデザインを実装すると、コンバージョンレートの高いサイト構築が可能になる。


つづく
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