Lesson 11 ウェブサイトのカラースキーム設計 - Webデザイン表現&技法の新・スタンダード・レイアウト編 | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

Lesson 11 ウェブサイトのカラースキーム設計 - Webデザイン表現&技法の新・スタンダード・レイアウト編

2024.4.24 WED

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Webデザイン
表現&技法の
新・スタンダード


Lesson 11 ウェブサイトの
カラースキーム設計

制作・文 高村香奈子(株式会社アークフィリア)

色の三属性「色相・彩度・明度」を利用して、デザインにメリハリをもたせる方法を紹介する。ウェブサイトのコンテンツの特性を理解し、何を強調したいのかをよく意識してカラースキームを考えよう。


補色を利用した配色

コーポレートカラーなど、メインのカラーを決めてデザインする場合は、アクセントカラーとして補色を使うのが効果的。補色については、デザイナーにはおなじみの「色相環」を参考にする【1】。まずサイトの基本色を決め、アクセントカラーとして 色相環の反対側にある補色を使用すると、互いの色を引き立てることになり、メリハリの効いた配色となる【2】 。同色系のカラーパレットでまとめたデザインでも、補色のアクセントカラーを加えると画面が締まり、深みのある表現になる。

【1】向かい合った色が補色になる
【1】向かい合った色が補色になる

【2】補色関係で作ったカラースキーム
【2】補色関係で作ったカラースキーム

サムネイル色を活かす

サイトの特性によっても配色のアプローチは変わる。たとえば多彩な商品が並ぶECサイトや、ひとつひとつの作品を際立たせて見せたいフォトグラファーのポートフォリオサイトなどでは、画面にサムネイル画像が並ぶことになる。この場合は、サムネイルの色が活きるような配色を考えよう。

たとえば、低彩度の色の中に高彩度の色が入ると、対比によって高彩度の色が引き立つ。この性質を利用して、サイト全体をモノクロやベージュなどの低彩度でデザ インし、鮮やかな写真のサムネイルを配置することで、サムネイル画像を活かすことができる【3】。

【3】全体を落ち着いたトーンにすることで、個々のサムネイルが活きる(http://www.arcphilia.co.jp/)
【3】全体を落ち着いたトーンにすることで、個々のサムネイルが活きる(http://www.arcphilia.co.jp/)

トーンを活かした配色

サイトのデザインをカラフルにしたい場合は、使用する色のトーン(明度+彩度)を揃える必要がある。色相の幅が広いデザインは一見華やかだが、色を整理しないと散 漫な印象になってしまい、どこを見ていいかわからなくなりがちである。このようなときは色の明度と彩度を揃えて全体のトーンを合わせることで、落ち着かせる【4-1】【4-2】。

次にポイントとなるカラーをひとつ決める。全体が明るいトーンなら暗い色、全体が暗いトーンなら明るい色、というように明度差を利用して意図的にコントラストを出すことで、カラフルな印象と色の統一感を保ちながら、強調したい部分にアクセントを加えられる。

たとえば、【5】のダイヤ型の部分をポイントとして目立たせたいとする。このままではトーンにばらつきがあるため、目立 たせたい部分が埋もれてしまい散漫な印象になっている。【6】のように全体のトーンを揃えて、明度差のある色をアクセントカラーとして利用することで、画面にメリハリが出る。

【4-1】明度と彩度に差がありトーンが揃っていない
【4-1】明度と彩度に差がありトーンが揃っていない

【4-2】明るめのトーンで揃えた
【4-2】明るめのトーンで揃えた

【5】どこを目立たせたいのかわかりづらい
【5】どこを目立たせたいのかわかりづらい

【6】どこを目立たせたいのかわかりづらい
【6】上:明るいトーンの組み合わせ例。下:暗いトーンの組み合わせ例

Adobe Kulerでカラーテーマを作成

補色やトーンを利用してWebサイトのカラースキームを考える際に便利なツールが、あらかじめAdobe 製品に組み込まれている「Kuler」だ。ユーザーが作ったカラー テーマ(配色)が共有されており、実際に使用できるほか、自分でも簡単にテーマを作成することができる【7】【8】。ここではFireworksCS5でカラーテーマをつくり、スウォッチに追加してみよう。

FireworksCS5を起動し、ウィンドウメ ニュー→"エクステンション"→"Kuler" を選択【9】。ウィンドウが表示されるの で、上部ボタンの[作成]をクリックする【10】。 冒頭で解説した補色を利用した配色を考 えるときは、プルダウンメニューから「補 色配色」を選ぶと、基本カラーを中心に自 動的に補色関係の組み合わせが表示される ので便利だ【11】。 ほかにも同系色の組み合わせの「類似色 相」【12】や、3色ベースで組み合わせた 「トライアド」【13】などが用意されている ので、サイトのイメージにあったものを試 してみよう。 また、「カスタム」を選ぶと5色を自由に 設定できるようになる。ここではエンジ色 をアクセントにした、春らしいオリジナル のテーマを作成してみた【14】。「このカラ ーテーマをスウォッチに追加」ボタンをク リックすると【15】、スウォッチに追加す ることができる。

【7】FireworksCS5で「Kuler」を起動したところ
【7】FireworksCS5で「Kuler」を起動したところ

【8】無料で利用できるウェブ版もある
【8】無料で利用できるウェブ版もある(http://kuler.adobe.com/)

【9】
【9】

【10】
【10】

【11】パレットの真ん中が基本カラーとなる
【11】パレットの真ん中が基本カラーとなる

【12】類似色相。同系色の配色をつくる際に役立つ
【12】類似色相。同系色の配色をつくる際に役立つ

【13】トライアド。3色ベースなので思いがけない組み合わせが見つかることも
【13】トライアド。3色ベースなので思いがけない組み合わせが見つかることも

【14】オリジナルのカラーテーマ。「補色配色」などでつくった組み合わせをもとにするとカスタムしやすい
【14】オリジナルのカラーテーマ。「補色配色」などでつくった組み合わせをもとにするとカスタムしやすい

【15】「このカラーテーマをスウォッチに追加」で テーマをスウォッチに登録できる
【15】「このカラーテーマをスウォッチに追加」で テーマをスウォッチに登録できる
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