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派遣とはどんなもの?



 一般的に「派遣」と呼ばれる「派遣労働」というワーキング・スタイルは、元々はアメリカで誕生したものです。日本ではバブルまっただ中の1986年に施行された「労働者派遣法」によってスタートとなりました。当時、多くの企業では一般事務職を「派遣」に切り替えるような流れがありました。その後、徐々に「派遣」というワーキング・スタイルが世の中に浸透していくにつれ、一般事務職という枠から専門職分野に範囲が広がっていき、技能的に特化する人材がより強く求められるようになってきたのです。
さて、ここで「派遣労働」について改めて振り返ってみましょう。「派遣労働」は以下の3者によって成り立っています。

A. 登録スタッフ(労働者)
B. 人材エージェント(派遣コーディネイトする会社)
C. 派遣先企業(実際に働く会社、勤務先)


派遣労働はこの3者の関係で成り立っている
illustration:松本和美



 労働者=登録スタッフAは人材エージェントBと雇用形態を結び、Bから給与をもらいます。雇用条件や勤務形態も人材エージェントBの規則に従うことになっています。登録スタッフAは派遣先企業Cにデスクを用意してもらい、そこに通って仕事をしていきます。業務上の指示は勤務先である企業Cから登録スタッフAへ直接下されますが、Aはあくまで人材エージェントBの社員という立場です。これが、正社員やアルバイトといった直接雇用とは明確に違う「間接雇用」というスタイルなのです。

その他に人材エージェントでは「紹介派遣」「紹介」という仲介方法も存在します。簡単に言えば「紹介派遣」は“お試し期間つき正社員への道”、「紹介」は“初めから正社員を目標とする道”。「派遣」「紹介派遣」「紹介」どの方法を選択するかは自分次第ですが、中でも「派遣」が比較的自由度の高い選択肢であると言えるでしょう。

では、クリエイターにとって「派遣」というワーキング・スタイルには、どのようなメリットが考えられるでしょうか。

そもそもクリエイター並びにクリエイターを目指す人たちは、会社の雇用形態にとらわれない、独立指向が強い傾向にあります。そのため「クリエイターが派遣で働く」というシステムに少々違和感を覚えるかもしれません。しかし、現実にはキャリアの最初から完全に独立してやっていけるクリエイターはそう多くはありません。多くのクリエイターは学校で身に付けた専門知識を活かす職場経験を地道に積み重ねていき、その先に独立してクリエイターとしての成功を勝ち得ていく……という状況を考えると、「派遣」で比較的短期間の間に複数の職場経験を積み重ねることが出来るのは大きなメリットと言えるでしょう。同じクリエイターという職種でも「紙よりもWebの方が性に合う」「広告デザインがいちばん楽しい」等々、実地を重ねることにより、指向する職種の、より細かい具体的な分野で自分の進む方向性を掴むことができるというメリットもあります。

また「派遣」では必ず人材エージェントに自分を担当してくれるコーディネイターという第三者が存在するというメリットがあります。スキルアップや業界の最新情報をアップデートしてくれる存在として、彼らを活用しない手はないでしょう。自分のキャリアアップのペースメーカー的存在として、積極的にアドバイスを求めていきましょう。

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