<<< 前ページ:「Webで実現する、コミュニケーションの広がり」
貝田泰史さん
『コクリコ坂から』の舞台にもなった横浜市の文化観光局・貝田泰史さんに、今回キャンペーンに参画した経緯や効果などについてうかがった。
──今回、横浜市がキャンペーンに参加した経緯は?
貝田●2010年12月、映画の制作発表で舞台が横浜ということを知りまして。こちらのほうからもジブリさんになにかできないかとアプローチをかけていたんです。横浜は古き良きものを生かしたまちづくりをしている「温故知新の街」なので、映画のコンセプトとも合うのではないかと話を進めていたところ、KDDIさんと一緒にやったらどうかと鈴木プロデューサーから提案があって、3月初旬に話をさせてもらいました。デジタルの時代に、スタンプラリーのようなリアルな展開なら一緒にできるのではないかと。
『コクリコ坂から』ヨコハマガイド
──最初から参加されていないのは意外でした。横浜を舞台にしたドラマやアニメには、嗅覚を鋭くしているのでしょうか?
貝田●そうですね(笑)。ロケを支援する部署もあるので、そういう話は結構いただくのですが、ここまで大規模になったのは初めてだと思います。また今回は、2010年の夏ごろ、事前にジブリさんが横浜市内を取材していたというのも後からわかったほどですので、参加できたのはほんとうに嬉しかったです。
──自治体が私企業と組むことで、反対の声があがったりしません?
貝田●あがりました。またジブリさんの映画とはいえ、なぜ一映画を応援するのかと。そのような声に応えるべく、公的に応援する理由をつくる。まずジブリさんについては、横浜が舞台なのでポスターイラストを使わせていただき、かわりに昔の横浜の画像を提供することで相互協力の関係を築く。KDDIさんについては、協定を結んで横浜のエリアでフィールド・プロモーションしていただくことで、市としては観光振興ができる。このようにちゃんと協力関係を形にしていくことが重要です。
『コクリコ坂から』の舞台近辺に飾られていたフラッグ
──効果は?
貝田●たとえば、企画実施期間の来場者数が前年比倍となった施設もありますから、効果は出ているのは明らかです。あと、内部的な評価も高い。横浜の観光集客増につながるのであれば、今回のノウハウをいかして今後もやりたいですね。
──映画のなかで氷川丸が出ましたが、印象的でした。
貝田●ジブリさんに営業トークで「入れてください」とは言いました(笑)。船体が緑色だったから、市にも問い合わせが多く入ったんです。病院船だった頃は白地に緑の線が入っていたし、この時代は全体が緑色だったというと「へえー」と。で、見にきてくださる。まさに好循環ですね。
現在の氷川丸(船体は黒色)
(取材・文=増渕俊之 2011年8月26日)
エイクエント エイクエントは、1986年米国ボストンで設立、現在世界7カ国に拠点を持ち、マーケティング、デザイン専門の人材エージェンシーとしては世界最大級です。そのネットワークと世界各地で培われたノウハウが、多くのスペシャリストの皆様から厚い信頼と高い評価を受けています。マーケティング、デザイン分野でお仕事をお探しの皆さまはぜひご連絡をください。 |
「WEBクリエイティブの舞台裏」はクリエイティブ専門の人材エージェント「エイクエント」の提供でお送りします。