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担当プロデューサーに聞く intely開発の真の狙い(前編)

2024.4.19 FRI

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 スポットインタビュー 
担当プロデューサーに聞く
intely開発の真の狙い(前編)


Amebaやアメーバピグなど、エンターテイメント性の高いWebコンテンツを展開するサイバーエージェントが、2012年8月22日にローンチした新たなSNSサービス「intely」(インテリー)。今までのコンテンツとは打って変わって、ビジネス色の強いサービス。同様のSNSとしては先行のLinkedInがあり、またSNSサービスには巨人Facebookも存在する中、あえて新しいサービスをローンチした狙いは何なのであろうか? 今回、intelyのプロデューサーを務めている渡邊大介さんに、intelyを開始した真の狙いを伺った。

>>> 後編:「競合がひしめく中、なぜintelyを開発したのか?」

渡邊大介さん [プロフィール]
株式会社サイバーエージェント
新規事業開発室 プロデューサー/アドマン
渡邊大介さん

青山学院大学国際政治経済学部を卒業後、2006年にサイバーエージェントに入社。アカウントプランナーとして大手飲料、保険、通信系クライアントのウェブキャンペーンプランニング、デジタルマーケティング業務支援に携わり、その後、ソーシャルウェブを基軸としたマーケティング/プランニング組織・SMM Div.を立ち上げ、事業責任者に就任。2011年10月よりビジネスSNS「intely」の企画開発に従事。

アイコン intelyとは

2012年夏、サイバーエージェントが新たにサービスインしたSNSサイト。ビジネスに特化したSNSとして、開始当初から著名人などが参加し、ビジネス周辺のさまざまなメッセージがエントリーされている。同サービスのトップページあるように、intelyには“その道の権威”からの情報発信やさまざまな専門グループでの議論・情報交換を行うことで、そこに集う人々の知の集積と活性化を促すことを目指している。
オフィシャルサイト:http://intely.jp/



 Interview 

intely開発秘話


渡邊氏 ――intely開発のきっかけは何でしょうか?

渡邊●サイバーエージェントでは、新しい事業モデルを議論するための合宿があるのですが、ちょうど1年ほど前、2011年8月の合宿では事業再編という課題とも絡んで、今後1~2年の間で100のサービスを立ち上げるという基本テーマで合宿が行われました。その際、日ごろ暖めていたさまざまなアイデアの中から、20案ほど提案したんです。その中のひとつが、ビジネスドメインにおける新しいSNSサービスというアイデアでした。

――エンターテイメントのイメージが強いサイバーエージェントで、あえてビジネスドメインのサービスが選ばれたのはなぜでしょうか?

渡邊●合宿には当社代表の藤田ももちろん参加するわけですが、藤田が考えていた新機軸の方向性と合致していたことがひとつの理由ですね。それとアイデア自体のコンセプトも認められたのだと思います。

ビジネスドメインにおけるSNSサービスというアイデアは、合宿で生まれたという
ビジネスドメインにおけるSNSサービスというアイデアは、合宿で生まれたという
――どのようなコンセプトでプレゼンされたのでしょう?

渡邊●新しい事業を起こすことを考える際、まずそのドメインにいまだ勝者がいないという点をポイントにしています。たとえば、オークションというサービスを考えた場合、PCドメインには「ヤフオク」(Yahoo!オークション)、携帯には「モバオク」がすでに勝者として存在しています。では、スマートフォンでは?と考えたとき、まだ決定的な勝者がいないと考えた当社が開始したのが「パシャオク」でした。それと同様に考えた結果、ビジネスSNSというドメインで新たなサービスが成立するだろうと考えたのです。

――広くSNSではFacebook、そしてビジネスSNSではすでにLinkedInがありますね

渡邊●ええ。ただ、日本国内における利用状況を考えた場合、Facebookはプライベートな活用に寄りつつあり、またLindedInも多くのユーザーがいますが、いまだ決定的勝者とはなっていないと考えられます。そこに、新しい切り口で住み分けも可能だと考えました。また、日本におけるビジネスSNSというカテゴリで考えた場合、競合として敵対しあうよりも、一緒にこのドメインを日本に成立・浸透させるために協力していく段階だとも考えています。

さまざまな方面で活躍しているビジネスパーソンが参加している
さまざまな方面で活躍しているビジネスパーソンが参加している
――スマートフォンをメインターゲットとしたSNSサービスとして展開していますが、開発にはどのくらいの期間を?

渡邊●企画自体は昨年末から進めましたが、実際の開発は2012年2月上旬から。8月にローンチしたので、およそ半年でしょうか。じつは、当初は6月にローンチしたいと考え、5月末にはいったん完成を向かえたんです。機能性やUIの調整などで最終的には8月公開となりましたが、その時点でビジネスステージで活躍されているさまざまな方々に参加を依頼し、運用は開始していました。SNSの肝として、まずはそこに人がいるという状態でリリースをしたかったのです。

――開発および運用にあたるチームメンバーは何名くらいでしょうか?

渡邊●iOS/Androidのネイティブデベロッパーが2名、サーバなどシステム保守に5名、デザイナーは1名で回しています。そのほか営業などを含めたビジネスサイトスタッフが3名ほどいます。今後、ビジネスとしての成長を見ながらスタッフを拡充しますが、現在はまだ新事業ということでコアなメンバーで運用しています。ただ、新たなサービス、機能の拡充は積極的に進めていきます。

――サイバーエージェントとして、今までとは異なるユーザー層へのアプローチが狙いでしょうか?

渡邊●もちろん、それもあります。エンターテイメント層ではなく、ビジネス層へアプローチすることで新たなサービス展開を考えることもできます。ある意味、intelyがそのプラットホームとして機能するということも期待しています。また、当社のアメブロなどで活躍されているいわゆるアルファブロガーの中には、ビジネスドメインで活躍されている方も多くいます。そういった方々がプライベートな情報交換はブログやFacebook、ビジネスに関する情報交換はintely…といった使いわけ、あるいはintelyへのリプレイスも期待できると考えています。


(取材・文:久保靖資)


>>> 後編:「競合がひしめく中、なぜintelyを開発したのか?」

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