目を引くグラフィックが必要なのだが、写真も素材もないことがあるだろう。そういうとき、3D機能で文字やオブジェクトに立体風の処理を施し、ユニークなパーツを作成するといった手法がある。
制作・文 ヤマダジュンヤ(channel 67)
url. www.ch67.jp/
使用ソフト Illustrator CS/CS2
▲3D機能で円柱状に渦巻くユニークな形状の文字を作成
円柱状に渦巻いたユニークな形の文字を用いた雑誌の表紙。これは、正円のオブジェクトを3D効果で円柱になるように設定。シンボルとして登録した文字を、円柱にマッピングすることで作成している。制作のポイント |
文字をつくりシンボルとして登録する |
まず、Illustratorで新規ファイルを作成したら、文字ツールで文字を入力した。ここでこの文字はアウトライン化しておく1-1。続いて、この文字をシンボルパレットにドラッグして、シンボルとして登録。さらにここで基になった文字は削除しておく。
1-1
3D効果で正円が円柱となるように設定 |
楕円形ツールでshiftキーを押しながらドラッグして正円を作成した。ここで、正円を選択したまま、効果メニュー→“3D”→“押し出し・ベベル...”を選び、表示されたダイアログで、2-1の値を入力しておく。このとき、プレビューにチェックを入れ、2-2のような円柱となるように値を調節するとよいだろう。
2-1
2-2
円柱の側面に文字をマッピングしていく |
続けて、3D押し出し・ベベルオプションダイアログの[マッピング...]ボタンをクリックして、別ダイアログを表示。[表面:3 of 3]とし、STEP1でシンボル登録しておいた文字を[シンボル]で選択し、3-1のように設定した。さらに、構造体を表示しないにチェックを入れ適用。続けて、3D押し出し・ベベルオプションダイアログの[OK]ボタンをクリックして、円柱状に渦巻く文字を作成した3-2。
3-1
(クリックすると拡大表示します。)
3-2
遠近感を意識して文字に色をつける |
POINT3で作成した文字のパーツを選択し、オブジェクトメニュー→“アピアランスを分割”を実行。さらにここで、長方形ツールで、背景に黄色の長方形を作成しておく。続いてグループ化をすべて解除し、文字の前面側にあたるオブジェクトを選択ツールでshiftキーを押しながら選択し、グループ化したら、塗りをグレーとする4-1。同様にして背面にあたる文字もグループ化し、塗りを白とした4-2。
4-1
4-2
オブジェクトの[描画モード]を変更し奥行きを出す |
先ほど、POINT4で塗りをグレーとした文字を選択し、透明パレットで[描画モード:乗算]とした5-1。続いて、長方形ツールでshiftキーを押しながらドラッグして正方形を作成。正方形を選択したまま、効果メニュー→“3D”→“押し出し・ベベル...”を任意の値で実行し、立方体を作成した。この立方体をグレーの文字の背面に配置し、透明パレットで[不透明度:50%]とすれば完成だ5-2。
5-1
5-2
>>写真を変形させて抽象グラフィックをつくる
本記事は『MdN』2009年4月号(vol.180)からの転載です。
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