第1回 RSSを使ってみよう
RSSやAtomといった言葉をよく耳にするようになりました。この連載では、RSSおよびAtomについての基礎を解説します。第1回となる今回は、RSSとはどのようなものなのか、またRSSはどうやって利用するのかを簡単に見ていきましょう。
解説:柳田 浩平(株式会社フィードフォース)
[プロフィール] やなぎた・こうへい●株式会社フィードフォース勤務。同社においてエンジニアとしてWebアプリケーションの開発に従事している。 |
広がるRSS
近年、急速に広がりつつあるWeb関連技術のひとつにRSSがあります。皆さんは、RSSを使われているでしょうか? 使ったことがないという人でも、ブログなどでRSSと書かれたアイコンを目にしたことがあるかもしれません。ここ、MdN Design Interactiveのサイトでも、RSSが使われています。ページ上の方にあるメニューの中の「RSS」というボタンからアクセスできます。試しにアクセスしてみましょう。
MdNのRSS例
RSSは、サイトに関する情報をXML形式で表わしたものです。サイトの更新情報を配信するのに使われるのが典型です。RSSは、人間が直接読むためのものというよりは、プログラムが読みこんで処理するため、通常のWebページを、プログラムが直接処理することは非常に困難です。そのようなWebページに対して、RSSというメタデータ(データについてのデータ)を作成することによって、Webページに関する情報をプログラムが処理できるようになるわけです。
RSSが普及したきっかけのひとつとして、ブログの流行が挙げられるでしょう。多くのブログツールでは、自動的にRSSを生成するようになっています。そのため、ブログの普及と歩を共にしてRSSもその流通量を増していきました。
RSSで何が変わる?
RSSのない世界を考えてみましょう。あるページが更新されたかどうかは、そのページにアクセスしてみるまで分かりません。お気に入りのサイトに毎日アクセスしてみてもなかなか更新がなく、がっかりした経験はおそらくみなさんもあると思います。また、サイトにアクセスしてみないと更新されたかどうかが分からないということは、チェックに時間がかかるということです。この方式では、チェックするサイトの数を増やすのは大変です。「アンテナ」と呼ばれるツールを使うとサイトの更新はチェックできますが、どのような更新が行なわれたかは、やはり実際にサイトにアクセスしなければ分かりません。
しかし、RSSを利用することによって、サイトに関する情報の形式が統一されます。これによって、プログラムがサイトに関する情報を処理できるようになり、「プログラムの側から利用者にサイトの情報をプッシュできる」「利用者に応じた形でサイトの情報を表示できる」などといったことができるようになるのです。
Web型RSSリーダとアプリケーション型RSSリーダ
RSSで配信される情報を読むためのアプリケーションをRSSリーダと言います。RSSリーダは定期的にRSSを取得し、サイトに関する情報を利用者に表示します。RSSリーダには、大きく分けてWeb型RSSリーダとアプリケーション型RSSリーダとがあります。Web型RSSリーダはWebブラウザでRSSリーダのページにアクセスして使うものです。違うマシンでも、環境を共有できることが利点です。アプリケーション型RSSリーダは、ローカル環境にインストールして使うRSSリーダです。独立アプリケーション型、メーラやブラウザのプラグイン型など、さまざまなタイプがあります。
RSSリーダの使い方
ここでは筆者が使っている「livedoor Reader」を例に、RSSリーダの使い方を見てみましょう。ログインすると、図2のような画面が表示されます。画面左側に表示されているのが、未読のエントリがあるサイトの一覧です。ここで、読みたいサイトをクリックすると、右側にそのサイトの新しいエントリが表示されます。配信されているRSSにもよりますが、エントリの概要や本文も同時に読むことができます。つまり、どのサイトがどのように更新されたかを、実際にサイトにアクセスせずとも知ることができるのです。以下の画像が筆者の使うRSSリーダーです。
筆者が愛用する「livedoor Reader」のサンプル画面であるが、この他にもRSS Readerは多数存在します。検索して、自分にあったRSS Readerを見つけるといいでしょう
RSSリーダ上でサイトの情報をチェックできます
RSSの広がりに伴なって、多数のRSSリーダが公開されています。みなさんも、自分に合ったRSSリーダを探してみてはどうでしょうか? 今回の記事では、RSSとは何かの簡単な解説と、実際にRSSリーダを使ってRSSを購読する様子の紹介をしました。
次回は、RSSの歴史について解説します。