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Facebookが絵文字アイコンを採用した本当の理由

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Facebookが絵文字アイコンを採用した本当の理由


Facebookが絵文字アイコンを採用した本当の理由

2012年06月25日
TEXT:小川 浩(株式会社モディファイ CEO 兼クリエイティブディレクター)


日本でよく使われる絵文字だが、英語ではエモーショナルアイコンの略語としてEmoticonsと呼ばれている。発音はエモティコンだが、絵文字とも発音が似ていて、我々にとっては日本語からヒントを得たネーミングではないかと思えて親しみやすいし覚えやすい。

そのエモティコンが、Facebookのチャット機能に採用された。現在確認できるのは、いいねアイコンを含む21種類だ。

Facebookは先週、このエモティコンに加えてコメントの編集機能を加えた。いままではうっかり間違えて書いてしまったコメントは書きっぱなしにするか消すしかなく、少々不便だったので、こうした小さな改変は歓迎すべきだろう。

ところで、このエモティコンの採用には、日本のモバイルから発生した文化の影響というよりも、急激に普及しはじめ、さらにゲームや追加アプリの開発プラットフォームとしての野心を打ち出したLINEへの警戒心が背景にある気がする。Facebookがモバイルでの収益化に苦しんでいることは周知のとおりだが、PC上ではGoogleをもしのぐ勢いで他を圧倒する彼らはいま、モバイルに最適化した軽量・用途限定型の新SNSが次々と生まれてくる現状にとまどいを隠せないでいる。

大枚はたいてInstagramを買収したものの、Pinterestのような写真共有型SNSの躍進は目の上のたんこぶだし、Pathのように少人数の密なコミュニケーションを行うSNSへの対応にも迷っている。そして、日本発の韓国企業系サービスというハイブリッドなモバイルアプリ、LINEの台頭はまちがいなく脅威に思っているはずだ。

エモティコンのような、一見シンプルかつたわいのないサービスの追加に踏み切るのは、LINEのスタンプのように言語の壁を越える機能の良さを目の当たりにしたためではないか。本来、日本語に縛られてしまう和製コミュニケーションサービスは海外進出には不利だが、LINEは無料通話機能と相まって、ユニバーサルな特性があった。それをFacebook側がまねたとしても不思議ではない。となれば、スマートフォンを開発しているといわれるFacebookだが、ハードウエアを開発するよりも、自身のモバイルアプリに無料通話機能をつけることを選ぶ展開もあるかもしれないだろう。

ちなみにLINEは7月にプラットフォーム化の詳細を公開するイベントを行うらしいが、Facebookから買収の声が密かにかかっていたとしても僕は驚かない。

FacebookのEmoticons
FacebookのEmoticons

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[筆者プロフィール]
おがわ・ひろし●株式会社モディファイ CEO兼クリエイティブディレクター。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。
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