Webディレクションを左右する「勝つプレゼン」への取り組み(1)
Webディレクションを左右する「勝つプレゼン」への取り組み(1)
続・思考するWebディレクション 第3回
2012年10月31日
TEXT:文=田口 真行(株式会社デスクトップワークス)
Webディレクションにおいてプレゼンテーション(以下、プレゼン)は、得意不得意がわかれる工程のひとつだ。苦手に感じているWebディレクターも多いだろう。プレゼンが苦手な人の多くは「人前で話す行為」にストレスを感じ、軽減するために緊張をほぐす努力をしたり、喋りのひとつひとつを間違えないようと、台詞回しの台本を準備して取り組む人もいる。
■プレゼンの本質
そもそも、プレゼンとはなにか。一般的にプレゼンは「自分(たち)の伝えたいメッセージを、第三者である相手(クライアント、発注者)に届けること、またはその工程」と定義される。一方的に伝えることだけを考えれば、メールや資料郵送といった伝達方法ですむかもしれない。
しかしプレゼンは、わざわざ相手の時間を奪い、わざわざ相手の面前で相手とのコミュニケーションを育みながらみずからのメッセージを伝える「相手を交えた直接の場」で行う必要がある。あらためてその理由を整理してみよう。
■印象が結果を左右する
ひとつ目の理由としては、「文字や言葉に置き換わりにくい、想いや気持ちといったマインド的要素を含めて、相手に届ける必要がある」ということ。これはWebディレクションに限らない話だが、人は第三者からのメッセージを受け取ろうとするとき、その内容とあわせて、プレゼンターの姿勢や想いといった印象の側面からも情報を取得する。
「あの人の話し方は、引き込まれてしまう」「あの人の話は、説得力を感じる」など、プレゼンターの話し方の姿勢や雰囲気が、その内容以上に印象に残り、プレゼンの結果を左右する傾向があるのはそのためだ。これは人間特有の情報処理特性といえるかもしれない。
本来伝えようとするメッセージが、印象や雰囲気といった別の要因によって結果を左右してしまうという事は、ときとしてデメリットにもなりうる。「人は話を聞いているようで、実はあまり聞いていない」とはよくいわれることだが、雰囲気や印象といったビジュアルイメージは認識もされやすく、記憶もされやすい。
プレゼンの中身を練ることも大切だが、「相手に与える印象、かもしだす雰囲気」といった側面も意識して取り組む必要がある。
ひとつ目の理由としては、「文字や言葉に置き換わりにくい、想いや気持ちといったマインド的要素を含めて、相手に届ける必要がある」ということ。これはWebディレクションに限らない話だが、人は第三者からのメッセージを受け取ろうとするとき、その内容とあわせて、プレゼンターの姿勢や想いといった印象の側面からも情報を取得する。
「あの人の話し方は、引き込まれてしまう」「あの人の話は、説得力を感じる」など、プレゼンターの話し方の姿勢や雰囲気が、その内容以上に印象に残り、プレゼンの結果を左右する傾向があるのはそのためだ。これは人間特有の情報処理特性といえるかもしれない。
本来伝えようとするメッセージが、印象や雰囲気といった別の要因によって結果を左右してしまうという事は、ときとしてデメリットにもなりうる。「人は話を聞いているようで、実はあまり聞いていない」とはよくいわれることだが、雰囲気や印象といったビジュアルイメージは認識もされやすく、記憶もされやすい。
プレゼンの中身を練ることも大切だが、「相手に与える印象、かもしだす雰囲気」といった側面も意識して取り組む必要がある。
■双方向性を生かしたプレゼン
相手を交えた直接の場で行う必要性のふたつ目は、「伝達力をより高めるために、双方向性を生かしたプレゼン」が有効だということ。プレゼン中にコール&レスポンスを用いることで、質疑応答など相手の中に生まれた疑問や悩みをリアルタイムに汲み取りながら、進行できるメリットが生まれる。それにより、相手の理解度を高めることにつながっていく。
コミュニケーションの機会を増やすことは、相手に与える情報量を増やす。これもやり方次第でメリット・デメリットがわかれるが、好転すれば相手との距離を縮めることにもつながり、多角的な視点から、より的確なメッセージ伝達を行うことができるだろう。
プレゼンが苦手な人の中には「メールで済むから」という理由で、会議や打ち合わせ自体を軽視する人もいる。しかし、それが十分にできるのは、ごく限られた人だけだ。伝達において「自分はメールでよい」と思っていたとしても、受け手がそれで十分だと思わなければ、そもそも成立しない。このように「相手の状況を考慮しない、一方的な伝達姿勢」は、リスクも高く、ひとつ踏み外すと連鎖的な崩壊へと発展することもあるので注意しなければならない。
■過去の記事
第2回「Webディレクターが意識すべき目線(2) ヒアリング」
第1回「Webディレクターが意識すべき目線(1)」
■過去の記事
第2回「Webディレクターが意識すべき目線(2) ヒアリング」
第1回「Webディレクターが意識すべき目線(1)」
[筆者プロフィール]
田口真行(株式会社デスクトップワークス 代表)●アルバイト先でWebデザインを経験、1999年に独立。フリーランスのWebディレクター・プロデューサーとして、企業Webサイトの企画、デザイン、制作、運用に至るトータルプロデュースを行う。2004年には「攻殻機動隊」のトリビュートCD3部作のジャケット、ブックレット、パッケージデザインを含む、全アートディレクションを手がける。独自手法のディレクションを題材にした、実践型の研修講師として、2002年より講演活動を継続的に行う。2006年、フリーランス形態から法人化し株式会社デスクトップワークスを設立。
http://d-w.jp/
【告知】
Webクリエイター向けワークショップ
「フリーランスのための仕事の請け方・増やし方」開催決定!
【日時】11月17日(土)13:00~ 【場所】東京都豊島区(池袋)
独立を目指すWebクリエイター必見!本や参考書等では学びにくい、「クリエイターとしての営業・仕事の増やし方」をテーマにしたワークショップです。講師自らの経験による、成功例や失敗談を多数交えて講義いたします。少人数制につき、お早めにお申し込みくださいませ。
http://d-w.jp/information20121010_workshop.html